108 Blog

If you can dream it, you can do it.

耳元で囁かれる

【123話】

 

自慢する訳じゃないが、高校に入学してから3週間で5人の女子に告白された。

 

もちろん、カオリがいるので、すべて断った。

 

でも、本音を言うとタイプの女子から告られたら、少しなびいちゃうかもしれない!?

 

最初に告られたのは、入学してから三日目の朝。

 

駅のホームで女子高の1年にラブレターを手渡された。

 

俺の基準からすると〇ス。

 

俺は面食いなので、ブ〇はノーサンキューだ。

 

・・・

 

興味がない俺は返事はしなかった。

 

そして、先日、凄いものを駅のホームで見かけてしまった。

 

あの子は俺に告白した〇ス。・・・

 

あれ!?男と手を繋いでるぞ!?

 

俺は気になり、ブ〇に近づいて男を確認した。

 

あぁ!?あいつは確か同じサッカー部のスザキ・ケンタ。

 

カッコいいスザキから告白するとは到底思えない。

 

あのブ〇、三週間足らずで浮気しやがったな!?

 

それにしても、凄い行動力があるな、あの〇ス。

 

その時、何でも早い者勝ちだなと俺は思った。

 

・・・

 

 

そんな俺もカオリ以上にタイプの女子を駅で見かけた。

 

入学してから、2週間くらい経った登校中にその美女にはじめて会った。

 

〇〇工業高校の最寄り駅には、女子高と普通高校がある。

 

ブレザーが似合うその子は、普通高校のたぶん一年生。

 

清楚で美人のその子は、背中に矢筒を背負っている。

 

俺の中で『美人・清楚・弓道・ブレザー』がモロにハマった!!

 

カオリの美人だけど『美人・ヤンキー系・帰宅部・セーラー服』である。

 

しかも、最近はヤンキー系を超え、ケバい極ヤン系になってしまった。

 

それでも、好きなのはカオリだし、浮気は良くない。

 

・・・

 

 

「シンペイくん、久しぶりだね!元気にしてた!?」

 

「おう!あれ!?カオリは彼氏と一緒か?」

 

「うん!今の彼氏だよ。シンペイ君よりカッコいいでしょ!?」

 

カオリは、何でそんなことを言うんだ?

 

もしかして、元カレなのか!?

 

そいつの顔は明らかに不機嫌だ。

 

俺の顔をジロジロ見ている。

 

連れの二人はニヤニヤしている。

 

コイツは俺に喧嘩を売っているのか!?

 

三人だからっていきりやがって。

 

俺は拳を握った。

 

「108君、混んでるし行こうか!」

 

カオリは気まずそうだし、ここは去るのが正解だな。

 

でも、どうして、あいつの前で俺のことを君付けで呼んだんだ!?

 

・・・

 

俺たちはカラオケを出て喫茶店に入る。

 

「108、ごめんね!」

 

「いいけど、彼は誰なの?」

 

「元カレだよ。カオリが中二の時に付き合った人。もう昔の話だよ」

 

俺は妙に二人の関係が気になった。

 

カオリは、まだあいつのことが好きなのかもしれない。

 

「何であいつと別れたの?」

 

「彼は同中の2個上の先輩で、中一の時に告白されたけど、その時は彼氏がいたので断ったの。・・・中二になった時にシンペイ君から二度目の告白をされて付き合うことになって。・・・」

 

「中一の時に付き合っていた彼氏はどーしたの!?」

 

「彼氏とはあまり上手くいってなかったので、別れちゃった。・・・」

 

乗り換えたってことか!?

 

それとも、別れてから付き合ったのか!?

 

まさか、二股からの乗り換えってことはないよな!?

 

「でも、シンペイ君はカオリの他に何人も彼女がいたの。だからカオリから振ってあげた!?・・・ごめんね!嫌な思いさせちゃって。・・・」

 

「別にいいよ。気分転換に映画でも見に行こうか!?」

 

俺はそれ以上聞くのが怖くて映画に逃げた。

 

やっぱり、まだ奴のことが忘れられないんだろうな。

 

俺より彼の方が経験値が高いし、いろいろと大人にしてもらったのだろう。

 

思いたくもないことが頭に浮かんでグルグルする。

 

「この町は映画館ないよ」

 

「マジか!?じゃあどーしよっか?」

 

頭が混乱して、良いアイディアが出てこない。

 

・・・

 

沈黙が少し続き、対面にいたカオリが俺の横に座った。

 

そして、耳元で「ホテルに行こうよ。今日は迷惑かけちゃったから私が奢るね」

 

そう言われても、そんな気分にはなれない。

 

そもそも、ラ〇ホテルの奢りって何だよ!?

 

けど、精一杯に気を使ってくれたのに断るって言うのも。・・・

 

それって、子供っぽいし、ヤツには絶対に負けたくない!!

 

・・・

 

俺たちは喫茶店を出てホテルに向かった。

 

・・・

 

 

 

自分に正直に本能のままに生きる

To BE CONTINUED🔜

 

 

1話から見る!

フォアローゼスとHIPS

【122話】

 

高校に入学してから三週間経つが、カオリに会っていない。

 

このままだと自然消滅してしまう。

 

カオリからは、日曜日の夜に電話がかかって来ることが多い。

 

以前は、俺から電話をすることが多かったが、カオリのオヤジが苦手で、最近は俺から電話することは殆ど無くなっていた。

 

電話越しで、俺らの関係性を毎回聞いて来るカオリのオヤジ。

 

何回説明すれば、わかるんだよ!?

 

そんな理由で一カ月以上も俺から電話をしてない。

 

・・・

 

オヤジと話さない方法は、何かないのか!?

 

考えた結果、ポケベルを持つことをカオリに提案した。

 

カオリは、快く受け入れてくれた。

 

ポケベルは便利なツールだった。

 

「0840」(おはよう)

 

「0833」(おやすみ)

 

「14106」(愛してる)

 

「49106」(至急TEL)

 

「999」(サンキュー)

 

「86」(ハロー)

 

これだけ覚えれば、簡単なコミュニケーションが取れるし、お互いのタイミングで電話ができる。

 

俺たちは、頻繁に連絡を取るようになり、ポケベルが手放せないアイテムとなった。

 

・・・

 

 

一カ月以上ぶりにカオリに会うことになったが、気が乗らない。

 

カオリの地元の駅前で持ち合わせした。

 

あれはカオリかな!?

 

でも、ちょっとケバい気がするぞ。

 

「どーしたの!?髪キンキンだね~」

 

・・・

 

「108はパーマかけたんだね~」

 

そう、俺は人生の初のパーマをかけた。

 

パーマ名は『アイパー』。

 

仲村トオルの髪型を真似てみたが、明らかに失敗である。

 

・・・

 

 

アイパーをかけた次の日の朝。

 

「108ちゃん、その髪型は仲村トオルじゃなくて、チャゲアスチャゲじゃんか!?」

 

俺も何か違うと思っていたけど、タケヨシに突っ込まれて大失敗だと気づいた。

 

タケヨシに教えてもらった激安のパーマ屋のせいである。

 

「お前のお勧め店だぞ!バカヤロー!!せめて飛鳥が良かったよ!」

 

パーマ代は四千五百円と激安だけど、腕は相当悪かった。

 

「もう二度と行くかあんなクソ店!?」

 

「あのパーマ屋は店主より、バイトのにーちゃんの方が上手いのよ!言わなかったっけ!?」

 

「聞いてねーよ!?まぁ次行くとしたら、絶対ににーちゃんを指名するよ!」

 

・・・

 

 

「初パーマ失敗しちゃったよ。店主に起こされて鏡を見た時、これは夢だと思ったよ!?」

 

「そうかな~!?似合ってると思うよ!カオリも失敗しちゃったよ。日に日にパツキンになって行くしケバいよね??」

 

カオリもって、やっぱり、俺のアイパー失敗だと思ってるな。

 

・・・

 

「そんなことないよ。イタリア人みたいで素敵だよ!?」

 

俺はカオリに対して初めてお世辞を言った。

 

アイパー失敗男とパツキン女、はたから見たらとても目立つカップルだ笑。

 

・・・

 

 

俺たちは、喫茶店でランチしてから、カラオケボックスに向かった。

 

「108って何を歌うの!?」

 

「そーだな。スナックだと演歌だけど、カラオケではB'zかチャゲアスかな~」

 

「えぇっ!?108ってスナック行くの?しかも、演歌ってオヤジじゃん。渋すぎるでしょ~」

 

「たまーにオヤジと伯父さんと行くよ!そうそう、スナックでバーボンウイスキーを覚えたけど、カオリは飲んだことある!?」

 

「カオリはフォアローゼスが好き!」

 

飲んだことないと思ったのに即答かよ。

 

ところで、フォアローゼスって何だろ!?

 

やっぱり、カオリは俺より大人だ。

 

「へ~。フォ、フォアローズね!?いいよね。・・・ちなみに俺は『HIPS』が好き!!」

 

「じゃあ、今日はお酒を飲みながら歌っちゃおうか!?」

 

「いいね~!!」

 

俺たちは、酒屋でフォアローゼスを買って、カラオケボックスへ。

 

カオリが酔ったら、どうなるのか楽しみだぁー!

 

カラオケに着くと、日曜日の昼過ぎだということもあり混んでいる。

 

俺たちは、受付を済ましベンチで順番待ちをする。

 

「そうだ!カオリ、工藤静香を歌ってよ!」

 

カオリは、工藤静香に似ている。

 

そう、カオリの雰囲気と顔が俺の中でのストライクなのだ!!

 

「え~。いいけど。108は演歌を歌ってね!?」

 

演歌なのかーい。・・・

 

久々のカオリとのデート、とても楽しー!

 

・・・

 

「あれ!?カオリじゃねぇ??」

 

俺たちが振り向いた先にいたのは、ヤンキー3人組だった。

 

・・・

 

 

 

耳元で囁かれる

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ガンちゃんVSアンドレ・ザ・ジャイアント

【121話】

 

「はぁ、離せよ!コラぁ!」

 

俺たちは、あまりの身長とパワーに唖然とした。

 

アンドレ・ザ・ジャイアントかよ。

 

こいつは、人間じゃねぇ~。

 

・・・

 

もがくガンちゃんの蹴りがアンドレ股間にヒットする!?

 

アンドレの顔はゆがみ、ガンちゃんを床に落とす。

 

床に落されたガンちゃんは、すぐに立ち上がり、アンドレに殴りかかろうとするが、ケンキチロウ達二年に三人がかりで取り押さえられた。

 

「おい!大男〇ろしてやるよ!」

 

かなり、興奮しているガンちゃん。

 

アンドレは、股間を押さえている。

 

アンドレも急所は弱かったみたいだ。

 

アンドレ股間には、靴跡がクッキリ付いている。

 

そうとう痛かったのか、アンドレの目に薄っすらと涙が。

 

ガンちゃんの興奮は1分ほど続いた。

 

「もう、いいよ。離せよ!俺は今を持ってサッカー部を辞めるから~よ!」

 

そして、ガンちゃんは教室を出て行った。

 

ガンちゃん、一時間で部活を辞めるのは、早すぎるだろ!?

 

『短気は損気』

 

俺は小学時代、校長先生が話してくれた言葉を思い出していた。

 

・・・

 

「お~い!一年。今から自己紹介をしてもらう!名前と出身中学と兄弟構成を話せ。じゃあ、右前から!」

 

「あ、はい。〇〇中学出身のカキヤマ・ハジメです。兄弟はいません」

 

「はい!次はカキヤマ君の後ろの席ね~」

 

二年は何で兄弟を聞いているかな!?

 

・・・

 

「地元の〇〇中出身のアマトウ・タケシです。兄弟は三つ上にアニキがいます!」

 

「三つ上のアマトウって、この学校の卒業生のアマトウ先輩の弟か!?」

 

「はい。そうです!」

 

二年が少しざわつく。

 

「そうか!タケシ君よろしくな!」

 

あぁ、そう言うことかぁ。

 

縦社会のこのご時世、怖い先輩には絶対服従

 

その弟を知らずにシメたら問題になるってか!?

 

それにしても、アマトウって俺と同じくらいのタッパがあるなぁ。

 

控えめのボンタンに中ランって、俺とセンスが同じじゃんか!?

 

しかし、子悪党感がモロに顔に出ている。

 

・・・

 

「東中出身のナカムラ・ダイスケです。兄弟は妹がいます!」

 

「はい。次」

 

タケヨシがビビってたダイスケは、ジュンジとヒロシと同じ東中なんだ!?

 

・・・

 

そして、俺の番が来た。

 

「〇〇中出身の〇〇108です。妹が一人います」

 

「お前が一年で7位の〇〇108か!?期待してるぞ!」

 

アイパー男が俺に興味を持ったみたいだ!?

 

サッカー部では、一番の運動神経だと思うが、それだけじゃないと思う。

 

俺の地元は、県内でも有名なサッカータウンになりつつあった。

 

県内でも関東でもベスト4に入る強豪校。

 

それは、松山先生の指導力のお陰だと思う。

 

・・・

 

でも、期待には応えられない。

 

俺は小学時代は補欠だったし、中学では野球部だった。

 

高校ではラグビー部に入る予定だったが、ひょんなことからサッカー部に入部することになった。

 

俺を誘ったガンちゃんは、一時間で辞めてしまった。

 

・・・

 

「〇〇中出身のスザキ・ケンタです!中学ではサッカー部のキャプテンをしていました!兄弟はいません」

 

「スザキ、お前のポジションは!?」

 

「はい!俺はフォワードをしてましたが、ミッドフィルダーも出来ます!」

 

「そうか!スザキも期待してるぞ!」

 

アイパーは、この自己紹介で、人選をしてるのかもしれない。

 

ところで、あのなりでアイパーはサッカー部なのか!?

 

・・・

 

「北中出身のハクネ・タケヨシっす。一人っ子ですが、先輩たち俺のこと虐めないでくださいね~」

 

「お前が北中のハクネ・タケヨシね!?高校ではサッカー部潰すなよ!」

 

「はい!真面目にサッカーやりま~す!」

 

タケヨシのしゃべり方は、敬語こそ完全に先輩をなめてるしゃべり方だ。

 

・・・

 

「はい!これで、自己紹介終わり。次は声出し練習!」

 

声出し練習って何だろ!?

 

「お前ら、今日から俺たち先輩に会ったら、外でも挨拶すること!俺たちの顔が見えたら『チョワース!』って腹の中から声を出すんだぞ!それじゃ、カキヤマから」

 

このなダサい挨拶を外でもするって恥ずかしすぎる。

 

「チョワース!チョリース!チョワース!」

 

「声が小さい!もう一回!」

 

そして、ケンキチロウ達は、竹刀で机を叩く!?

 

・・・

 

「声が裏返ってるぞ!もう一回!」

 

ここは、軍隊なのか!?

 

今は昭和じゃない、平成だぞ!

 

全然気合が入らない俺は、50回くらい『チョワース!』を言わされた。

 

結局1時間以上も『チョリース!』だけで、時間が費やされた。

 

喉が枯れたので、次の日は部活をサボり、タケヨシのプレハブ部屋で、ガンちゃん達とバドワイザーを飲んでいた。

 

・・・

 

 

 

フォアローゼスとHIPS

To BE CONTINUED🔜

 

 

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日本人の枠を遥かに超えている!?

【120話】

 

「チョワース!チョワース!チョリース!チョワース!」

 

二年のスギヤマをはじめ、二年連中は三年にヘンテコな挨拶をしている。

 

チョワース!ってなんだよ。

 

しかも、どさくさに紛れてチョリースって言ってる奴もいるし。

 

定番はチワース!だと思うぞ俺は。

 

そして、アフロみたいなボンバーヘッドが中央に立つ。

 

「一年の皆さん、初めまして!?俺は部長の『イノウエ・マドカ』だ!そして、今年から副部長になった・・・」

 

イノウエのあれは、天然パーマなのか!?

 

俺たちは部長の頭が気になってしょうがない。

 

タケヨシが俺の腕をつつく。

 

横を見るとメチャ笑いを堪えてるタケヨシ。

 

俺は小声でタケヨシに話す。

 

「マドカちゃんのボンバーヘッドの中には、何匹鳥がいるのかな!?」

 

タケヨシは腹を抱えて笑いを堪えている。

 

「ヒィーヒィーヒッヒッヒィー」

 

ガンちゃんの声は漏れちゃっている。

 

ガンちゃんの爆笑を堪えてる顔が、とても可笑しい。

 

・・・

 

イノウエの隣には、スギヤマいる。

 

イノウエがスギヤマの肩を叩く。

 

「副部長の『スギヤマ・ケンキチロウ』です!一年生の皆さん、サッカー部にようこそ!今日から皆さんは正式部員です!一緒に国立目指してガンバりょう!!」

 

俺たちはもう我慢の限界だった。

 

スギヤマの名前は、ケンキチロウなのか!?

 

ここまでは、何とか耐えられたが、最後に噛んでしまった。

 

ガンバりょうって、気合入れられても、頑張る気になれない。

 

俺たちは我慢できずに吐き出してしまう。

 

笑が伝染したのか、皆も我慢の限界を超えたのか、爆笑の渦に巻き込まれた。

 

ケンキチロウの顔は真っ赤っか。

 

ボンバー・マドカも笑いを堪えているが、堪え切れていない。

 

どうも、締まらない自己紹介だった。

 

・・・

 

練習内容は、いたって普通で、パス、シュート、一対一などだった。

 

「今日の練習は、これで終わりにする!一年はこのまま残ってくれ!?」

 

まだ、一時間しか練習してないぞ!?

 

かなり、ゆる~い部活だな。

 

「一年は着替え終わった後、16時半までに二年B組に集合だ!遅れたら校庭10周だからな!?」

 

・・・

 

俺たちは着替えて、指定の教室に向かった。

 

もうすでに一年は集まっていた。

 

教室40席の三分の二くらいが埋まっている。

 

一年は30人くらいかな!?

 

そして、教室の壁側に二年生が腕組をして立っている。

 

緊張感が漂う教室。

 

一年はもちろん、二年も沈黙している。

 

これは噂に聞く『シメ会』だなぁ、とすぐに理解した。

 

「どうしたお前ら!?お通夜みたいに静かだなぁ~。」

 

ガンちゃんが、一年に向かって話しかけるが、沈黙する一年。

 

ガンちゃんは、壁側にいる一人の二年に歩み寄る。

 

相変わらず、歩くスピードはスローモーション。

 

両手はボンタンに手を突っ込み、ニヤついている。

 

「パイセンこれから俺たちをシメちゃうの!?」

 

二年はガンちゃんにビビっているみたいだけど、何も言わない。

 

風貌だけで見たら、ガンちゃんはチンピラそのもの。

 

先輩たちの見た目は、爽やかじゃないけどスポーツマンぽい。

 

二年は15人くらいしかいないので、喧嘩をしたら一年の楽勝だと思う。

 

「おい!一年坊は集まっているか!?」

 

廊下から声が聞こえてきた。

 

ケンキチロウ含め5人が竹刀を持って教室に入って来た!?

 

教室がざわついた。

 

あれ!?練習にはいなかった大男とアイパー男がいるぞ!?

 

なるほどね、この二人は、シメ専門だと直感した!

 

「イワモト、席に着け!」

 

アイパーがイワモトに命令する。

 

「はぁ!?誰だよテメェーは!」

 

ガンちゃんは、ポケットに手を入れたままアイパーに歩み寄る。

 

今回のガンちゃんは、歩くのが早めだ。

 

「俺は二年のナカオだよ!今年の一年はイケイケだねぇ~」

 

ガンちゃんほどじゃないけど、このアイパー男、なかなかの貫禄。

 

そして、アイパーの顔に顔を近付けて睨みつける。

 

近い!?顔と顔の距離は約5cm。

 

どちらかが、ちょっとでも動いたらキスしちゃうだろ!?

 

「おい!小僧!?」

 

大男が二人に割って入る。

 

ガンちゃんが振り返った瞬間、ガンちゃんが宙に浮いた。

 

大男はガンちゃんの胸ぐらを掴み持ち上げている。

 

マジかよ!?あの大男、ガンちゃんを片手で持ち上げてるぞ!

 

この大男は今まで俺が会った人間で一番大きい!?

 

恐らく2mを超えている。

 

体つきもかなりゴツイし、絶対にサッカー部じゃないことだけはわかる。

 

柔道!?それともレスリングか!?

 

何れにしても日本人の枠を遥かに超えている。

 

・・・

 

 

 

ガンちゃんVSアンドレ・ザ・ジャイアント

To BE CONTINUED🔜

 

 

1話から見る!

最終日に入部届を出す

【119話】

 

「108ちゃん、ガンちゃん。バドワイザーで良いか!?」

 

俺は、バドワイザーを飲んだことがない。

 

最近は、オヤジに飲酒がバレて、スナックに誘われるようになった。

 

オヤジは週末になると、シン伯父さんとスナックに行くことが多い。

 

推薦入学が決まり、飲酒がバレて怒られるかと思いきや、俺とオヤジは酒を一緒に飲むようになっていた。

 

後から聞いた話だけど、オヤジはいつか俺と一緒に酒を飲みたかったみたいだ。

 

もう、飲酒も喫煙も公認だった。

 

オヤジは、キリンビールが好きなので、家でもスナックでもキリンビール

 

スナックでは、ウーロンハイ、ウイスキー&ブランデーの飲み方も教えてもらった。

 

カラオケスナックは、とても楽しいところだった!

 

酔っぱらって、歌を歌いみんなに聴いてもらえる快感。

 

オヤジもシン伯父さんも楽しそうだ!

 

俺は大人の仲間入り出来たことが嬉しかった。

 

・・・

 

 

「カンパーイ!」

 

仲間と駄弁りながら飲むバドワイザーは美味い!

 

しかし、煙草と酒の相性は抜群にいいし、酔いが早い気がする。

 

酔い始めた頃、外からバイク音が聞こえ、プレハブ前に停まった。

 

「コンコンコココン!ココココーンココン!」

 

変なドアの叩き方だな!?

 

「ドア開いてるよー!」

 

ドアが開くと、そこには特大サイズのリーゼントパーマが立っていた。

 

「見かけない族車があると思ったら、先約かい!?」

 

「こいつ、俺のダチのダイキ。そして、同じクラスの108ちゃんとガンちゃん!」

 

ガンちゃん「ダイキよろしくな!とりあえず駆けつけ三杯な!?」

 

ガンちゃんの懐の詰め方も、タケヨシ並みに凄いし早い!

 

「おう!ガンちゃん、108ちゃん、よろしくな~!」

 

俺たち四人は、とことん飲みまくった。

 

酒が無くなったら、タケヨシが母屋から持って来てくれた。

 

タケヨシとダイキは、中学時代はサッカー部でコンビを組んでたみたいだ。

 

ダイキがキャプテンで、タケヨシが副キャプテンでエースストライカーだったと知り、またもや人は絶対に見た目じゃないと思った。

 

二人は極悪コンビだったみたいで、気に食わない相手は、試合中でもボコボコにしてたみたいで、没収試合や多くの謹慎、そして、最終的には退部になったらしい。

 

退部後は、喧嘩や盗んだバイクを乗りまくってたみたいだ。

 

ダイキは最近、ロカビリーに目覚めたらしく、俺たちの前でツイストを踊ってくれた。

 

「タケヨシも一緒にロカビリーやろうぜ!?」

 

その後、俺たちは潰れるまで踊りまくった。

 

何だろう!?こいつ等、メチャメチャ楽しいし、サイコーじゃん!?

 

・・・

 

「108ちゃんもサッカー部に入ろうぜ!?」

 

「おう!そうするわ!?」

 

俺は、楽しい雰囲気と酒にのまれて、サッカー部に入部することをノリで決めてしまった。

 

その日は、タケヨシの家に泊り、翌日はガンちゃんのサンパチで学校へ。

 

学校に着いたのは、既に4時限目だった。

 

・・・

 

 

今日は、入部届が出せる最終日。

 

俺、タケヨシ、ガンちゃんは、入部届を部室に出しに行く。

 

ドアを開くと部室には、部員が数名いた。

 

「俺たち、サッカー部に入りたいけど、部長はいる!?」

 

・・・

 

「君たちは1年生だよね?」

 

「そーだけど、あんたは誰!?」

 

「俺は二年のスギヤマだよ。部長はまだ来てないから、俺が入部届を受け取るよ!」

 

「そうすか!スギヤマパイセンよろしくっす!」

 

「おう!俺は時期キャプテンだから、分からないことがあれば何でも聞いてくれ!」

 

二年のスギヤマは、俺たちにビビっている様子だけど、先輩風も吹かしている。

 

それにしても、ガンちゃんの口の利き方は、完全に先輩をなめている。

 

「それじゃ、三人は運動着に着替えてゴール前に集合な!」

 

・・・

 

タケヨシ「パイセン、俺たちにビビってたよな!ダセーよなアイツ!」

 

ラグビー部と柔道部は、鬼パイセンが多いみたいだけど、サッカー部は楽勝だな!?」

 

こいつ等、いつか痛い目に合うと俺は本能的に思った。

 

俺たちは、運動着と運動靴に着替えて校庭に行く。

 

「あれ!?タケヨシじゃん!」

 

声のする方を見ると小柄なヤローが立っていた。

 

ガタイはしっかりしてるけど、身長は160cmくらい。

 

目つきは悪いし、悪いオーラも出ている。

 

タケヨシ「・・・ナカムラ君じゃん。同じ学校だったんだ!?」

 

イケイケでノリノリのタケヨシの表情が明らかに曇ったのが分かった。

 

しゃべり方もぎこちないし、小柄のヤローに対してビビってる感じだ。

 

小柄ヤロー「もう、おまえの傷は治ったの!?」

 

タケヨシ「前の話じゃんか!?ダイスケちゃん。高校では仲良くよろーよ!」

 

ビビりながらも、いつものタケヨシの調子に切り替えて、その場を収めようとしているのが分かる。

 

「おまえは誰だよ!?」

 

ガンちゃんが小柄ヤローにガンをつけながら歩み寄る。

 

やっぱり、歩き方はテルだ笑。

 

「はぁ!?おめーこそ誰よ?」

 

二人は、ガンをつけ合っている。

 

「まぁまぁ、ガンちゃんもダイスケちゃんも止めようよ!」

 

「あぁ!?何がダイスケちゃんだよ!タケヨシまたやっちゃうよ!?」

 

こいつ等、中学時代に揉めたことがあるな。

 

・・・

 

「おーい!みんな集合な!」

 

どうやら、部長のお出ましだ。

 

・・・

 

 

 

日本人の枠を遥かに超えている!?

To BE CONTINUED🔜

 

 

1話から見る!

タケヨシとガンちゃん

【118話】

 

「108ちゃん、一緒に帰ろうぜ!?」

 

振り返ると、タケヨシがいた。

 

「鼻の調子はどーよ?」

 

「もう痛くねぇけど、ちょっとぶよぶよしてるよ。触ってみるか?」

 

「いいや、遠慮しとく」

 

「108ちゃん、このあと暇?」

 

「あぁ、暇は暇だけど。また喧嘩か!?」

 

「ちげーよ。今から俺ん家に遊びに来ねーか?」

 

「いいけど、お前ん家どこよ!?」

 

「俺は北中の近くだよ!」

 

おぉ!?俺んち並に遠いし、俺ん家と逆方面だよ。

 

「お前ん家行ったら、帰れなくなっちまうよ~」

 

「じゃあ、俺ん家に泊まればいいじゃん!プレハブ部屋だから自由だぜ!」

 

どうしようかなぁ。

 

・・・

 

あれ!?あの亀並みの速度のヤローは、イワモト。

 

イワモトを見つけたタケヨシは、イワモトに駆け寄る。

 

「おーい!ガンちゃん!今から俺ん家に遊びに来ねーか?108ちゃんも一緒だぞー!」

 

イワモトは、振りかり、ニヤッと微笑んだ。

 

イワモトスマイル意外と可愛いぞ笑。

 

「おぉ!タケヨシっ家か!?じゃあ、ビールでも買って今日は呑み明かすか!」

 

いつの間にか俺も行くことになっていた。

 

まぁ、いいか、こいつ等のことも知れるし、面白そうだ。

 

俺たちは、最寄り駅に着く。

 

「タケヨシっ家はどこよ?」

 

「俺ん家は、北中の近くだけど知ってるか?」

 

「おぉ、わかるよ。駅まで何で来てるの?」

 

「俺は〇〇駅まで原チャだけど、ガンちゃんは?」

 

「近くに単車が置いてあるから、俺と108で北中に行くよ!」

 

「おう!わかった。じゃあ、北中で集合な!」

 

イワモトは、学校近くまで単車で来ていた。

 

イワモトの単車は、公園の茂みに隠すように停めてあった。

 

「イワモト、この単車どーしたの?」

 

「ガンちゃんでいいよ!おう、これは先輩に譲ってもらったのよ!渋いだろ!?」

 

「渋いって言うか、だいぶ派手だな!?これ何で言う単車な?」

 

「SUZUKI GT380『サンパチ』だよ!」

 

俺は、単車に興味がないから、よく分からないが、これは単車と言うより族車だ。

 

ムラサキの車体、ロケットカールに三段シート。

 

出来ることなら乗りたくない。

 

ガンちゃんは、単車のエンジンをかけた。

 

何じゃ、この地が唸るような騒音は!?

 

「108、後ろに乗れよ!」

 

俺は、戸惑いながらのサンパチの後部座席に座った。

 

そして、公園から公道に出て、サンパチは急発進する。

 

歩くのはメチャ遅いのに、単車はウイリーするくらいのスタートダッシュ

 

「おぉっ!このシート意外と調子良いじゃん!?」

 

見た目に反して、座り御心地は良いし、風が気持ちいい!!

 

エンジン音も五月蠅く目立つ族車は、通行人からしたらとても迷惑だと思う。

 

中学時代では、目立たないように生きてきたが、俺は元々目立ちがり屋。

 

久々に注目されるは、最高に気分が良かった!

 

ガンちゃんと話してみたら、俺の隣町出身だった。

 

「ガンちゃんは、族には所属してるの?」

 

「中3から〇〇に所属してるよ!」

 

「へ~、族って楽しいの?」

 

俺たちは、たわいもない話をしながら北中に向かった。

 

「ガンちゃん、煙草屋に寄ってくれ!」

 

・・・

 

俺は単車に乗せてもらったお礼として、缶コーヒーと煙草をガンちゃんに奢った。

 

ガンちゃんはマルボロで、俺はセブンスター。

 

一服しながら、仲間と昔話をするこの感じ、楽しいなぁ~。

 

・・・

 

何でも、ガンちゃんは中学時代、テニス部のキャプテンで、県大会3位だったみたいだ。

 

人は見かけによらないと本気で思った。

 

「ところで、ガンちゃんはテニス部に入るの?」

 

「タケヨシのサッカー部に入るみたいだから、俺もサッカー部に入るよ!108は!?」

 

「俺は、ラグビー部とサッカー部で迷ってるよ!」

 

「迷ってるんだったら、サッカー部に入ろうぜ!!」

 

おいおい、ガンちゃんは、角刈りの鬼ゾリで、タケヨシはリーゼントパーマだ。

 

そんな、風貌でサッカーするなよ笑。

 

「あぁ、考えとくよ!」

 

・・・

 

北中に着くとタケヨシが原チャで待っていた。

 

「おまえら、遅せーよ!つーか、ガンちゃんの族車カッコいいじゃんか!俺にも乗せてくれよ!?」

 

「おぉっ!良いけどコカすなよ。じゃあ、俺と108は原チャに乗るわ!」

 

タケヨシは、初めて乗る族車でローリングしている。

 

「タケヨシ、おめー単車乗るのうめーな!?」

 

こいつのドラテク、中学時代に何度も単車に乗ってるな。

 

・・・

 

俺ん家ほどじゃないけど、タケヨシ家の周りは田舎だった。

 

母屋の隣には、タケヨシのプレハブ部屋があり、10畳くらいありとても広い。

 

バドワイザーのポスターが貼ってあり、漫画が沢山ある。

 

特攻の拓、カメレオン、ビーバップハイスクール、湘南純愛組、ろくでなしブルース、魁・男塾、湘南爆走族今日から俺は、ヤンキー漫画しかない。

 

・・・

 

 

 

最終日に入部届を出す

To BE CONTINUED🔜

 

 

1話から見る!

バラ色の高校生活とは程遠い

【117話】

 

キムラが学校に来なくなって三日目の朝。

 

タケヨシが鼻血を流しながら、教室に入って来た。

 

ヒロシ「タケヨシ、どーした!?その鼻?」

 

あれ!?もしかしてキムラの復讐か?

 

「さっき、駅で他校の奴らと喧嘩になって、メリケンサックで殴られてこのざまだよ」

 

ジュンジ「タケヨシ、鼻見せてみろ!?・・・あぁ、こりゃ、折れてるな。お前病院に行った方がいいぞ!」

 

「マジで!?クソっ!アイツら絶対に許さねぇ!!」

 

イワモト「そいつ等、どこの学校よ!?」

 

タケヨシ「わからねぇけど、先の学校かも?」

 

・・・

 

アクツ「俺の地元のヤンキー校だよ!」

 

タケヨシ「何でアクツが知ってるの!?」

 

アクツ「その喧嘩、俺見てたんだぁ⤴」

 

相変わらず、アクツの語尾上りは笑える。

 

イワモト「アクツ、何でオメェはタケヨシを助けなかったの!?」

 

アクツ「三人組の二人は地元の二個上で、メチャ怖い先輩なのでビビっちゃって・・・ゴメン。タケヨシ君」

 

タケヨシ「アクツ、気にするなのよ!三人組の学校だけ教えてくれ!?」

 

アクツ「わかった。案内するよ!」

 

・・・

 

メリケンで、殴られて鼻が曲がってしまったタケヨシは可哀そうだけど、自業自得だと俺は思った。

 

心の声『こいつ等は、高校生になっても喧嘩するんかい!?』

 

俺は一応、推薦入学してるし、問題を起こして退学だけには避けたかった・・・

 

ジュンジ「それじゃあ、明日、三人組の学校に乗り込むぞ!!」

 

そして、ジュンジは俺を方を見た。

 

俺はその会話に入っていなかったけど、ジュンジの机は俺の左斜め前だった。

 

ジュンジ「108ちゃんも行くよね!?」

 

・・・

 

俺は、何て答えるか迷った。

 

小学時代だったら間違いなく先頭に立って殴り込みをしていたが、もう俺は高校生。

 

今さら、理由もなく喧嘩するのも馬鹿らしいと本気で思っていた。

 

こいつ等のこと、まだあまり知らないし、復讐心が全然わかない。

 

キムラの一件もあるし、因果応報だよな。

 

俺も小学時代、ヤンチャし過ぎて中学ではかなり痛い思いをしたしなぁ~

 

そう、俺の高校での座右の銘は、青春を思いっきり楽しむこと!

 

降りかかる火の粉は払わなければならない。

 

友達や彼女の為なら全力で助けたいが、タケヨシかぁ・・・

 

「ワリィ!明日は予定があるから、俺は行けないな!」

 

イワモト「108、冷たいなぁ~俺たち仲間だろ!?」

 

そう言われても、ぶっちゃけ、仲間だと思っていない。

 

俺は悩んだふりをする。

 

・・・

 

タケヨシ「108ちゃん、いいよ!予定があるんだったら仕方ねぇよ!」

 

「おう!協力できなくてワリィな」

 

・・・

 

 

翌日の朝、駅で待ち伏せしてヤンキー三人組を四人でシメたらしい。

 

タケヨシ、ジュンジ、ヒロシ、イワモトの四人。

 

アクツは、隠れて見ていたらしい笑。

 

ハヤトとゴトウは、バンドの練習があるから断ったらしい。

 

まぁ、ハヤトとゴトウは、俺と同じ気持ちなんだろう。

 

因果応報、アイツら仕返しの仕返しをされなければ、良いのだけど・・・

 

・・・

 

 

入学して二週間、キムラが学校を辞め、タケヨシが鼻を折られて、目つきが悪いコウモトが二年にシメられたらしい。

 

コウモトは、ジュンジ達の間でも、目つきが悪いから、近々やっちゃおうぜって言われていた電気科の一年。

 

何だろう、この男臭さい学校は。

 

俺が思っていたバラ色の高校生活と違い、ここはまるで男塾。

 

そろそろ、恋バナでもしたい。

 

・・・

 

 

 

タケヨシとガンちゃん

To BE CONTINUED🔜

 

 

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