やっぱり10番でしょ!?
【第28話】
オジサン「108君、ユニフォーム作るの?」
俺「ユニフォームって何?」
オジサン「5年生になるとユニフォームを作れるみたいだよ!」
マジか、ユニフォーム欲しい!
練習はサボりがちだけど、俺はサッカーは好きだ!
昼休みや欠かさず、108軍団でサッカーはしている。
サッカーマガジンも毎月買っている。
特にアルゼンチン代表の『マラドーナ』がお気に入りだ!
周りは奴らは、フランス代表の『プラティニ』が好きだったみたいだけど。
背番号は、やっぱり、マラドーナと同じ『10番』が良いよな。
『日向小次郎』も10番だし。
俺は、久々にサッカー部に顔を出した。
周りの連中とは、反りが合わないけど、オジサンがいる。
108軍団のサッカー部は、俺とオジサンだけ。
オジサンがいなければ、俺はサッカー部を辞めていたと思う。
みんなが、横目でチラチラ俺の事を見る。
珍しい奴が参加してるって目だ。
ヒデキもいるし、相変わらず、居心地が悪い。
4年生の時とは違い、久々の練習は、とてもハードだった。
練習量が増えている。
暗くなるまで、校庭で練習をし、そこから、体育館に移動して、20時まで練習。
ここは、軍隊か!?
しかも、水も飲ませてもらえない。
体育館への移動時が、唯一のチャンス。
先生の目を盗んで、水をガブ飲みする。
飲み過ぎて、体育館で吐く奴もいる笑。
練習は、かなりキツイけど、、、
ユニフォームがどうしても欲しい。
その日は、結局ユニフォームの話はなかった。
練習に通い始めてから、2週間後。
その日は、5年生だけ集められた。
松山先生「お前等のユニフォームを作るから、好きな番号を教えてくれ!」
4年生の時、5年生と一緒に試合に出ていたのは、4人だけ。
ナカタ、オカベ、バフ、ヒデキだ。
ナカタは、5年生のキャプテン。
オカベは、副キャプテン。
バフは、ゴールキーパー。
そして、エースストライカーのヒデキ。
俺がサボってる間、随分と差をつけられたもんだ。
このメンバーを見ると、10番は無理そうかな。
7番と8番も捨てがたいが、狙い目は9番か11番かな!?
俺は迷っていた。
松山先生「では、右から。バフは何番を希望する?」
バフは、5年生の正ゴールキーパーだ。
バフ「俺は、1番でお願いします!」
まぁ、正ゴールキーパーは、1番だよな。
松山先生「では、次、マナブは?」
マナブは、サブキーパーだ。
※108軍団のマナブではありません。
マナブ「12番でお願いします!」
12番は、サブキーパーの定番数である。
マナブ、空気を読んでるな。
、、、、、、
やっと半分くらいかな。
松山先生「オカベは?」
副キャプテンのオカベは『11番』を選んだ!
あっ、11番は先に取られたか。
7番も8番も取られたし。
でも、まだ『9番』が残ってる。
全員が空気を読んでるのか、まだ1度も番号が被らない。
そもそもが、前から皆で話し合って決めていたのか!?
部活に出てない俺は、蚊帳の外だよな。
、、、、、、
松山先生「ヒデキは?」
「9番でお願いします!」
あれ?あと何番が残ってっる!?
10番がまだなのは知っている。
あとは、よく覚えてないけど、13番以上の番号のみ!?
次の次が俺の番だ。
、、、、、、
松本先生「ナカタは?」
ナカタ「10番でお願いします!」
だよね、残ってる番号わからないし、どーしよう?
松本先生「108は?」
10番以外、10番以外だと、、、
「10番でお願いします!」
えっ、俺、今、何て言った!?
ざわざわ・・・
「108君、10番はキャプテンのナカタ君だよ!」
「練習にも来ないのに10番って!」
皆が突っ込みを入れ始めた。
凄く恥ずかしい、穴があったら入りたい。
ざわざわが止まらない。
これは、ほぼクレームだ。
、、、、、、
松本先生「108は、4番で良いか?」
俺「そ、それで良いです」
1番から11番がレギュラーナンバーの定番だ。
5年生は、25人くらい。
練習に出てない、俺がレギュラーナンバーなはずがない。
松山先生が気を使ってくれみたいだ。
後日、その事に気付くのだった。
へと続く。