夏の淡い思い出
【第33話】
母の実家は養豚場を経営している。
だから、家の前がとっても臭い。
母の実家は、金太郎と違い大きい一軒家。
間取りは、10LDKとかなり広い。
お爺ちゃん、お祖母ちゃん、長男(伯父さん)、伯母さん、息子(長男)、娘(長女)、息子(次男)、犬(名前忘れた)の8人家族である。
お爺ちゃん(権太郎)は、大日本帝国の為、戦争で戦った経験がある。
母と三男が一回り以上離れてる事を考慮すると。
戦争前に長男、長女、次男、三男が産まれて。
戦争が始まり徴兵され、戦後に母が産まれた事になる。
お爺ちゃん、生きて帰って来てくれて有難う御座います!
いとこ長男の名前は、エイジ君。
いとこ長女の名前は、セイコちゃん。
いとこ次男の名前は、フミタカ。
フミタカは、俺と同級生で、大人しい性格。
地域の相撲大会で、1回戦負けするほど弱い奴。
エイジ君は、10個上のナイスガイ!
車は、コンパーチブルのアメ車に乗っている。
エンジン音は五月蠅いけど、メチャカッコいい!
いつも女の子達が遊びに来てるし、仕事は『海猿』だ。
筋肉隆々で、醤油顔の優しい男。
俺は母の実家が、あまり好きじゃない。
理由は、遊び相手がいないから。
エイジ君は、いつも家に居ないし。
フミタカは真面目なのか、一緒に居ても面白くない。
だから、俺だけ金太郎の家に滞在する事が多い。
その日は、伯父さん(三男)、伯母さん、いとこ(長女)、いとこ(次女)が権太郎の家に遊びに来ていた。
伯父さんは、車の板金屋を経営している。
権太郎の家から歩いて3分ほど。
伯母さんは、綺麗な女性。
長女(マドカちゃん)は、3個上の中学2年生。
次女(ユカちゃん)は、1個下で小学4年生。
母親似なのか二人とも可愛い。
毎年、顔合わせする程度で、二人とは遊んだ事がない。
皆が集まるリビングに居ても詰まらない。
親父も居心地悪いのか、パチンコ屋に行ってしまう程だ。
俺は奥部屋で、布団に寝そべって漫画を読んでいた。
しばらくすると、ユカちゃんが俺の所にやって来た。
ユカ「108君、何読んでるの?」
俺「魁‼男塾だけど。ユカちゃんも読む?」
ユカ「うん。読んでみたい!」
ユカちゃんは、俺の隣で漫画を読み始めた。
布団の上で二人っきり、しかも超至近距離。
俺は、男塾の内容が全く入ってこない。
ユカちゃんをチラ見する。
か、かわいい。
ユカちゃんと目が合ってしまった。
何だか興奮してきたぞ!!
ユカちゃんに顔を近付ける。
ユカちゃんも顔を近付けて来た。
そして、2人の唇は重なった。
、、、、、、
「108、ユカちゃん、ごはんだよー!」
母の声に吃驚した二人は、キスを止めた。
めちゃドキドキしている。
俺「わかったー。今行くよ!」
、、、、、、
ユカ「見られちゃったかな?」
俺「たぶん。見られてないよ」
、、、、、、
ごはん中、ユカちゃんの顔を見ることが出来なかった。
、、、、、、
ユカちゃんは、ごはんを食べたら帰っちゃった、、、
残念だけど、また会える。
今年は、源太郎の家に多く滞在するぞ!
しかし、結局ユカちゃんに会うことが出来ないまま、青森を後にするのだった。
、、、、、、
翌年、翌々年もユカちゃんには会えなった。
へと続く。