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If you can dream it, you can do it.

地獄の特訓

【第41話】

 

被害は、ガラス窓1枚、掠り傷1名、打撲1名、失禁者1名、鼻血1名だった。

 

学校の机と椅子は丈夫で、壊れてなかったみたいだ。

 

、、、、、、

 

 

もう一度、アンケートをしたら、恐らくヤスノリが断トツの1位だろう。

 

ヤスノリは3日程、学校を休んだ。

 

ヒデキは、あの日以来、少し大人しくなった気がする。

 

岡田は、呼び捨てで俺の名前を呼んでいたのが、君付けとなっていた。

 

気持ちが悪い奴。

 

、、、、、、

 

 

6年生の春が訪れる。

 

俺は、決心をした!

 

小学生最後の1年は、サッカーと勉強を頑張るぞ!!

 

今までの俺は、羽目を外し過ぎていた。

 

交通事故、虐め、窃盗、喧嘩だけが、思い出なのは寂しい。

 

、、、、、、

 

 

俺は母に宣言をした!

 

真面目に学習塾とサッカーに通いたいと。

 

実は、小3から、習字とソロバンの塾には通っていた。

 

よく月謝を盗んで、怒られたけど笑。

 

習字のお陰で字は上手くなったし、暗算も得意な方だった。

 

、、、、、、

 

 

母「塾とサッカー両立は難しいから、どっちかにしたら?」

 

確かに、サッカー部の休みは無い。

 

日が暮れても、体育館に移動して練習するほど厳しい。

 

塾に行っている時間は無い。

 

俺「じゃあ、サッカーにするよ!勉強は、中学生になってからにするね!」

 

母は、にっこりと笑って頷いた。

 

、、、、、、

 

 

俺は、宣言通り、6年生初日から、オジサンを誘いサッカー部の練習に参加した。

 

1人で参加すのは、勇気がいるが、オジサンが居れば問題ない。

 

想像はしていたが、案の定、皆の視線が気になってしまう。

 

、、、、、、

 

 

今日は新学期、4年生が40名ほどいる。

 

練習初日で、緊張してる感じだ。

 

5年生は、30名ほど。

 

6年生は、20名ほど。

 

こんな田舎の小学校で、この部員数は多いと思う。

 

、、、、、、

 

見知らぬ人が3人もいる!?

 

俺「あの人たち誰なの?」

 

オジサン「あぁ、コーチの人達だよ!」

 

俺が練習をサボってた2年間で、コーチが3人も増えていた。

 

3人共、20歳前後かな!?

 

コーチA「レギュラー組は、こっちに集合!」

 

俺「オジサン、俺等レギュラーじゃないけど、どうする?」

 

オジサン「6年生は、レギュラー組で良いみたいだよ」

 

俺とオジサンは、少し遅れて集合した。

 

周りを見渡すと、5年生が3人いる。

 

レギュラー組は、25名程度。

 

2年間のハンデはあるけど、絶対レギュラーになるぞ!!

 

俺は心に誓った。

 

、、、、、、

 

コーチ「先ずは、リフティング。落としたらランニングね!」

 

ルールが解らない、、、

 

コーチ「レディーゴー!」

 

ボールを落とさなければ、走らなくて良いみたいだ!?

 

俺は、リフティングには、少し自信がある。

 

順調に回数を重ねる。

 

50回、60回、70回。。。

 

オジサンと数名がボールを落とし、走り出した。

 

100回に到達。

 

3桁の大台。

 

150回、170回、190回。。。

 

とても、順調だ!

 

周りをチラッと見ると、まだ3分の2が残ってる。

 

。。。。。。

 

ちょっと疲れてた。

 

300回、310回、320回。

 

周りが気になるので、チラ見をした瞬間。

 

ボールがつま先に当たってしまった。

 

あっ!

 

コロコロ。

 

落としてしまった。

 

記録323回。

 

周りを見ると半分以上が、リフティングを続けていた。

 

俺は走り出した。

 

、、、、、、

 

走り出してから、校庭をどれだけ走っているのだろう、、、

 

、、、、、、

 

俺「はぁはぁ、これっていつまで走るの?」

 

マツシタ「はぁはぁ、全員がボールを落とすまでだよ」

 

俺「えぇっ、ま、はぁ、ま、マジかよ」

 

、、、、、、

 

まだ、5人もいるよ。

 

もう、30分以上は走っている。

 

走っているか、歩いているか分からない。

 

コーチ「おい!お前等、歩くな!」

 

走ってるつもりだけど、足がついてこない。

 

。。。。。。

 

コーチ「はい。集合!」

 

やっと、終わった。

 

喉がカラカラで痛い。

 

そして、心臓の鼓動が鳴り響く。

 

コーチ「今日の1位は、タツオの6000回だ!」

 

タツオは、140cmと小柄だけど、リフティングがメチャ上手い。

 

ピッタリ、6000回って事は、ありえないから、俺らに気を使ったのかな。

 

何れにしても、10000回だったら、確実に死んでた。

 

俺は、ウォームアップだけで、辞める決心をした。

 

途中、松山先生が練習に合流した。

 

俺も直接、松山先生のレクチャーを受けた。

 

直接のアドバイスは、初めてだった!

 

同級生を見ると、俺の数倍も上達していた。

 

4年生の頃は、似たり寄ったりだったのに、、、

 

悔しい、、、

 

でも、疲労困憊で死にそうだ、、、

 

悔しい、、、

 

 

 

サッカーが楽しい

へと続く。

 

 

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