108 Blog

If you can dream it, you can do it.

自己最高記録達成

【48話】

 

相変わらず、俺の事をジロジロ見ている。

 

俺には、迷いがない!

 

トモオ君の分もサッカーやるぞー!!

 

俺は、練習を再開した。

 

練習をはじめ、数日が経ち、俺が思うこと。

 

オカベとヒデキは、けた違いに上手い。

 

ヒデキは、エースストライカー。

 

オカベは、ドリブルとパスが上手い。

 

次にキャプテンのナカタ。

 

二人ほど上手くはないが、気合とリーダーシップはチームナンバーワン。

 

この三人には、追いつけないだろう、、、

 

今は無理でも、中学2年生までに抜いてやる!

 

と心に誓い、練習に励んだ。

 

、、、、、、

 

しかし、いくら練習しても、サブ組にも勝てない。

 

運動神経だけは、全校生徒の中でもトップ3に入ると思う。

 

松山先生にも、サッカーのセンスはあると言われた。

 

自画自賛してる内は、ダメなのか!?

 

、、、、、、

 

 

そんな時にオファーがあった。

 

岡村先生「108君、今年の走り高跳びは、優勝しろよ!」

 

俺「えっ、予選してないけど、俺が代表ですか?」

 

岡村「去年の実績を考慮して、先生達で決めた事だよ!」

 

サッカーに集中したいのになぁ、と思いながらも承諾した。

 

、、、、、、

 

 

今までは、無断欠席だったけど、その旨を松山先生に伝えた。

 

松山先生「聞いてるよ。108、ガンバって来いよ。期待してるぞ!」

 

って、おい。

 

サッカーで褒めてくれ!

 

松山先生は、褒める事がない人だ。

 

毎日、毎日、叱るだけ。

 

叱るだけなら、まだマシ。

 

キレる事も多い。

 

松山先生が切れると、スパイクの裏で頭を叩く。

 

頭が燃えるように痛いし、大きなコブになる。

 

先日、練習試合があった。

 

そのハーフタイム中、俺達は、叱られていた。

 

父兄の方が、松山先生に一杯の熱いお茶を渡す。

 

その瞬間、湯気が出ているお茶を選手の顔にかけた。

 

俺は、サブ組だから、火傷の被害はなかったけど、、、

 

スパルタの極みだ!

 

息子達が殴られてるのに、何も言えない父兄達。

 

きっと、俺の両親だったら、ブチ切れるだろう。

 

、、、、、、

 

 

昨年のスポーツ際。

 

俺は、走り高跳びの代表に選ばれた。

 

記録は、125cmで2位だった。

 

今年は、1位を狙いたい。

 

今年は、ベリーロールで優勝だ!

 

ただ、練習期間は、たったの2週間。

 

しかも、今回は、コーチもライバルもいない。

 

体育館の隅っこで、1人黙々と練習をする。

 

少し、寂しい。

 

ベリーロールは、とても難しい。

 

何度やっても、125cmを超えられない。

 

、、、、、、

 

 

記録も出ないまま、試合まで残り3日になってしまった。

 

聞いても無駄だと思ったが、行き詰った俺は、岡村にアドバイスをもらいに行く。

 

腹が出ていて、短足の岡村がベリーロールが出来る訳がない笑。

 

たぶん。

 

俺「岡田先生、質問があります」

 

岡村「何だ。108君」

 

俺「ベリーロールのやり方を教えて下さい!」

 

岡村「走り高跳びの試合でやるつもりか?」

 

俺「はい!」

 

岡村「走り高跳びの規定で、小学生は、ベリーロールは出来ないぞ!」

 

えっ!?どー言う事?

 

俺「去年の大会の1位は、ベリーロールでしたよ!」

 

岡村「えっ!?そーなの?」

 

、、、、、、

 

 

じゃあ、ベリーロールは出来ないのか!?

 

俺の貴重な練習時間を返せ!

 

と思ったが、3日しかない。

 

、、、、、、

 

 

そして、大会当日。

 

スポーツ際も2回目だし、緊張はあまりしていない。

 

今回の会場は、他校だ。

 

、、、、、、

 

 

試合前まで、30分くらいある。

 

ウォームアップで、ベリーロール。

 

あれ!?素で間違えた。

 

周りもざわつく。

 

少し恥ずかしい。

 

、、、、、、

 

 

他校の女子が俺に話しかけて来た。

 

女子「〇〇君ですよね」

 

俺「はい、そうですけど、、、」

 

ンンン?

 

どこかで、見た事ある女子だ。

 

女子「今日の試合頑張ってください!応援してますっ!!」

 

俺「はぁ、あ、うん。頑張ります!」

 

、、、、、、

 

誰だったのだろう!?

 

でも、かわいかったな。

 

ニヤニヤする俺。

 

、、、、、、

 

 

そして、試合が始まる。

 

最初のバーは、110cm。

 

俺は、125cmまで、パスをした。

 

ここまで、残っているのは3人。

 

そして、127cmの1回目。

 

助走が合わない。

 

これは、ベリーロールの助走だ。

 

、、、、、、

 

中途半端な飛び方をしてしまい、1回目は失敗。

 

2回目、やはり、助走が合わない。

 

バーに後ろ足がかすった、、、

 

着地をし、振り返る。

 

バーが揺れている、、、

 

がセーフ!!

 

助かった。

 

他の2人は、2回目と3回目ともに失敗。

 

、、、、、、

 

ここで、俺の優勝が決まるが、バーが落ちるまで、チャレンジをする。

 

次は、2cmアップの129cm。

 

去年から、7cm身長が伸びたので、あまり高さは感じられない。

 

しかし、ベリーロールの癖が邪魔をする。

 

俺は、助走の位置を1歩分ずらし、そこから助走する。

 

あれ、何だか、しっくり、タイミングドンピシャ!

 

バーに触れることなく129cmをクリアーする。

 

、、、、、、

 

 

そして、131cmに挑戦。

 

自主練では、130cmが俺の自己最高記録だ。

 

2cmだけだけど、急に高く感じる。

 

これ、去年にも感じたやつだ!?

 

俺は、自己暗示を掛けた。

 

これくらい、余裕っしょ!!

 

そして、深呼吸をし、助走する。

 

今回もタイミングがピッタリ!

 

「おぉぉぉー!!」

 

歓声が沸く。

 

おぉしゃぁー!!

 

新記録達成!

 

そして、バーは、133cm。

 

これは、マジに高い。

 

1回目も2回目も、助走のタイミングは、合っていた。

 

しかし、飛ぶ瞬間ビビってしまって、バーを落とす。

 

ラスト1回。

 

この日、はじめての緊張感。

 

深呼吸をする。

 

「〇〇君、ガンバってー!!」

 

声に振り返ると、試合前に話しかけて来た女子だった。

 

余計に緊張してきた。

 

、、、、、、

 

 

そして、バーは落ちた、、、

 

今年の記録131cmで、今年は1位だった。

 

最初は、あまり乗り気じゃなかったけど。

 

優勝できた事が嬉しかった。

 

 

 

スタメン発表

へと続く。

 

 

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