108 Blog

If you can dream it, you can do it.

自業自得

【50話】

 

初戦、2回戦と辛勝。

 

俺の出番どころか、選手交代は無い。

 

そして、準決勝戦

 

『スタメン発表』

 

そろそろ、呼ばれるかも!?

 

期待感が高まる。

 

・・・

 

そして、松山先生が一言。

 

「2回戦と同じメンバーで行くぞ!」

 

チーン。

 

レギュラー組は、明らかに疲れている

 

フレッシュなサブより、疲労困憊のレギュラーを選ぶか普通!?

 

・・・

 

 

前半戦終了。

 

交代は無し。

 

スコアは、2対0。

 

ハーフタイム中のサブ組は、ウォームアップしている。

 

先生にアピールをする為だ!

 

・・・

 

そして、サブメンバーの名前が呼ばれる。

 

先生「マー坊とマツシタ。こっちに来い!」

 

マー坊もマツシタは、5年生からサッカーを始めたらしい。

 

※オジサン情報。

 

 

マー坊は、左サイドバックに入り。

 

マツシタは、左ウイングに入った。

 

・・・

 

 

俺とオジサン以外の6年生は、全員がサボる事なく、真面目に練習に参加している。

 

その中でも、マー坊とマツシタは、5年生から参加した事もあり、超が付く程の努力家。

 

 

マー坊は、電気屋の跡取り息子で、頭も良い。

 

サッカーと勉強を両立させる所が凄い!

 

 

マツシタは、町内一の金持ち。

 

以前、マツシタの誕生会に呼ばれたことがある。

 

クラス全員に招待状を出したみたいで、30人も集まった。

 

俺も大富豪の家を見たかったので参加した。

 

玄関が俺の家に4倍くらいある。

 

芝生の広い庭には、サッカーゴールとバスケットコート。

 

サッカーの専属コーチを雇って、秘密の特訓をしている噂もある。

 

羨ましい限りだ!

 

 

30人が入っても、まだまだ余裕のあるリビング。

 

3階までの吹き抜けは、天井高は10m以上あったと思う。

 

 

マツシタ母は、とても綺麗な人で、言葉遣いが上品。

 

広いテーブルの上には、色とりどりの料理が、高級感のある皿に盛られている。

 

どれを食べても美味しい!

 

この時、生まれて初めての『マカロン』を食べた。

 

お手伝いさんが居たので、たぶん、料理は二人で作ったのだろう!?

 

マツシタ家は、絵に描いたような幸せな家族、そのものだった。

 

 

マツシタは、金持ちで、頭が良くて、運動神経抜群、容姿端麗、おまけに性格も良い。

 

これで、ギャグセンスがあったら、パーフェクトヒューマンだ!

 

もちろん、校内ナンバーワンのモテ男。

 

・・・

 

 

後半戦が始まる。

 

結局、俺は呼ばれることなく試合終了。

 

スコアは、4対0で、圧勝だった。

 

マー坊は、1アシスト。

 

マツシタは、1ゴール。

 

二人は、しっかりと結果を出した。

 

・・・

 

 

特別推薦枠のチームが決勝進出。

 

これは、俺たちが3年間で、大幅に成長した証だ!

 

サボり癖がある、俺とオジサンは、あまり成長してないけど。

 

・・・

 

 

『決勝戦・スタメン発表』

 

松本先生「準決勝の後半戦と同じメンバーで行くぞ!」

 

もしかして、俺、試合に出れないのか!?

 

眠い目を擦りながら、4時半に起きて、俺は何しに東京まで。

 

・・・

 

 

前半戦終了。

 

交代はなし。

 

スコアは、0対1。

 

今大会初の1点のビハインドだ。

 

俺は、松本先生の目につく所で、ウォームアップをする。

 

先生!俺を見てくれ!!

 

・・・

 

 

松本先生が、こちらに目を向ける。

 

緊張感が走る。

 

先生「オギノメとクロタニ。後半から試合だ!」

 

後半戦に呼ばれたのは、5年生のオギノメ。

 

そして、4年生のクロタニ。

 

・・・

 

 

これは、とてもショックだった。

 

試合に出れない事もそうだけど、後輩に抜かれるとは。

 

しかも、クロタニは2個下。

 

自業自得だとしても。

 

・・・

 

 

そして、試合終了。

 

スコアは、2対1。

 

逆転勝利で、東京都代表の大会で、見事に優勝。

 

これは、前代未聞の快挙だと思う。

 

・・・

 

 

『閉会式』

 

優勝トロフィーをナカタが受け取った。

 

大会関係者、選手たち、保護者の皆さんから称賛の拍手を浴びた。

 

そして、メダルと賞状は、メンバー全員に渡された。

 

試合に出たメンバーは、満面の笑みで喜んでいる。

 

俺は、全然喜べない。

 

とても、とても悔しい。

 

戦ったメンバーのユニフォームは、泥だらけだ。

 

・・・

 

キレイなユニフォームのまま、帰るのが恥ずかしかった。

 

 

 

二度とベンチに座らない

へと続く。

 

 

1話からみる