108 Blog

If you can dream it, you can do it.

三人のヤ〇ザ

【62話】

 

野球部だって最初から言えよ!

 

おやじから、道具一式を買ってもらっちゃったし。

 

今日が締切最終日なので、部活の変更はできない。

 

・・・

 

カオルは、まだ俺に気づいてない。

 

・・・

 

「チワース!」

 

顧問の先生がベンチに腰掛ける。

 

「集合!」

 

俺たちは、ベンチ前に集合した。

 

先生「〇〇、前に出て来い!」

 

俺は、前に出る。

 

生徒数は、約40名。

 

見渡す限り、知らないやつばかり。

 

よく見ると、マツダ以外に同じクラスのやつが一人だけいた。

 

あいつの名前は、確かヤマダ。

 

ヤマダは、学級委員長だ。

 

先生「〇〇、みんなに挨拶しろ!」

 

「〇〇108です。よろしくお願いします」

 

カオルと目が合ってしまった。

 

しかし、カオルは、無表情。

 

・・・

 

先生「まずは、キャッチボール」

 

「はい!はい!はい!」

 

・・・

 

マツダ「108君、俺と一緒にキャッチボールしようぜ!」

 

アウェイの中で、パートナーをゲット!

 

「おぉ!いい球、投げるじゃん!」

 

周りの1年が俺が球を投げるのを見ている。

 

「球が伸びるね!本当に素人なの!?」

 

球が伸びるって、どー言うこと?

 

まぁ、褒められてるみたいだから、良いのか。

 

これは、おやじとの特訓の成果かな。

 

3日しかしてないけど。

 

・・・

 

 

初日の練習が終わり、後片付けをし、部室へ向かう。

 

後片付けは、1年の仕事だ。

 

俺は、マツダに質問した。

 

「3年生が少ないみたいだけど、なんで?」

 

マツダ「カオル先輩が、3年を追い出しちゃったみたいだよ!」

 

俺「何があったの?」

 

マツダ「カオル先輩のおやじは、ヤ〇ザだから、誰も逆らえない!」

 

「去年、先輩たちとカオル先輩がもめて、ほとんどの先輩が辞めちゃったみたい。カオル先輩に逆らわなかった4人の先輩だけ残ってるって話だよ」

 

7人のヤンキーの中で、一人だけ貫禄があった理由が分かった気がした。

 

・・・

 

俺「ところで、マツシゲって、どんなやつ?」

 

「マッチャンのおやじも、ヤ〇ザだよ!」

 

おいおい!そんな気はしたけど、東側には何人ヤ〇ザがいるんだ。

 

「俺らの学年だと、マッチャンが番長で、あとは子分みたいな感じだよ」

 

俺「マツシゲって、喧嘩強いの?」

 

マツダ「ヤンキーの中では、強いよ!」

 

「あっ、あと同じクラスのナオエの家もヤ〇ザらしいよ」

 

ヤ〇ザ、多くないですか?

 

俺は今後、3人とは関わらないと心に決めた!

 

・・・

 

 

部室に戻ると、カオル先輩の姿はなかった。

 

ホッとしたのもつかの間。

 

誰かが話し掛けてきた。

 

「おい!〇〇、なんで俺に挨拶しないの?」

 

ほぼ全員、知らないやつだから、1年か先輩かわからない。

 

俺は、いつものノリで、反応してしまった。

 

俺「誰だよ。お前?」

 

・・・

 

俺たちは、言い合いになった。

 

そいつの言い分は、先輩に対して礼儀がなってないとか。

 

生意気な口を利くな!とか、くだらない内容だった。

 

先輩がそんなに偉いのか!?

 

先輩風を吹かすやつは、カッコ悪い。

 

・・・

 

7人のヤンキー、3人のヤ〇ザの子供たち以外には、なめられたくない!

 

・・・

 

マツダとヤマダが仲介に入ってくれて、事無くを得た。

 

マツダ「108君、まずいよ!先輩に逆らうと後が怖いよ!」

 

・・・

 

確かにそうだ、俺はクロタニの逆襲を喰らったばかりだった。

 

『短気は損気』

 

以後、気を付けよう。

 

・・・

 

 

 

モテキ到来

へと続く。

 

 

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