108 Blog

If you can dream it, you can do it.

人生最大の屈辱

【64話】

 

俺は浮かれていた。

 

クラスで一番かわいいタカエちゃんが、俺のことを気になってるって噂を聞いたからだ!

 

発信源は、アイちゃん。

 

アイちゃんは、東小女子の情報網。

 

アイ「でも、108くんには、彼女いるって言っといたよ」

 

なんて、余計なことを言うんだ!

 

この時、俺は、完全に浮かれていた。

 

・・・

 

 

今日は、朝から全校集会。

 

最近は、クワタ、マツダ、西小出身のマサオとつるんでる。

 

不思議な組み合わせである。

 

マツダがマサオとつるみだし、俺とクワタ組に合流した感じだ。

 

俺は、マサオの裏切を完全に許した訳じゃない。

 

マツダに関しては、お相子だと思っている。

 

まぁ、俺は楽観的な性格なので、マサオともつるめる。

 

・・・

 

2年生も集まって来た。

 

7人のヤンキーには、会いたくないが、会う可能性もある。

 

俺は、できるだけ、気を消す。

 

・・・

 

 

4人で話してると、突然、後ろ襟が引っ張られた。

 

俺は、倒れそうになったが、踏ん張って耐えた。

 

前を向くとカオル先輩が立っている。

 

かなり、キレているようだ。

 

そして、再び学ランを引っ張り、倒そうとする。

 

俺は、倒れないように踏ん張るが、カオルも必死だ。

 

周りの生徒は、その場から離れる。

 

俺は、全校生徒の前で、カオルに倒された。

 

カオルは、何も言わない。

 

ざわざわ、周りが騒ぎ出した。

 

A「カオル君、先公が来るよ!」

 

遠目にいた先生が、こちらに気づいたみたいだ。

 

カオル「先輩をなめるなよ!」

 

Aは、満足している感じだ。

 

・・・

 

Aは、部室でもめた先輩だ。

 

自分で来ないで、カオルにチクってやらせるとは、ダサいやつ。

 

まぁ、おれもダサいけど。

 

・・・

 

先生「どうした!?何があった?」

 

俺「別に何でもありません」

 

・・・

 

俺は、みんなの前で大恥をかいた。

 

しかも、学ランの肩と腕の繋ぎ目が破れてる。

 

カオルは、みんなの前で、俺に恥をかかせて、自分の力を誇示したのだ。

 

殴らなかったのは、チクられた時、言い訳ができるからだと思う。

 

・・・

 

昨夜まで、浮かれていたのに。

 

一気に地獄に突き落とされた。

 

・・・

 

あの一件以来、俺に話しかけてくる女子はいなくなった。

 

『あいつはやばいやつ』のレッテルを貼られたのだ。

 

・・・

 

俺の学ランは、入学して1カ月でボロボロだ。

 

母に縫ってもらおうとも考えたが、心配をかけたくない。

 

新調するしかない。

 

どうせ着るなら、『変形学ラン』にしよう!

 

俺は翌日、クワタと変形学生服店に行くことにした。

 

・・・

 

店に入るとヤンキー中高生がいる。

 

店には、短ラン、中ラン、長ラン、ボンタン、ドカンなど。

 

いわゆる、ヤンキーの定番がディスプレイされている。

 

俺は、既製品より、4cm長い中ランを買うことにした。

 

中ランの裏地はパープル。

 

見えないお洒落である。

 

ついでに、裏ボタン&ガラスボタンもゲットした。

 

このくらいだったら、たぶん目立たないだろう。

 

・・・

 

 

帰り際、付き合ってくれたお礼にクワタとマックに寄った。

 

クワタは、両親のことを話してくれた。

 

・・・

 

 

 

クワタから漂う哀愁の意味

へと続く。

 

 

1話からみる