喧嘩賭博
【75話】
ケンジ「聞いたか!?クロタニ先輩が族を立ち上げたらしいぞ!」
マジか!?クロタニがここまでやるとは思いもしなかった。
パチオ「メンバーは誰なの?」
ケンジ「先輩から聞いた話だと、総長がクロタニ先輩、副総長がカオル先輩、イワサキ先輩、シロヤマ先輩、カガミ先輩、ゴロウマル先輩、トウゴウ先輩。そして、二年にもオファーがあったみたい」
7人のヤンキー全員じゃねーか!?
パチオ「俺にはオファーがなかったぞ!」
俺「そもそも、おまえはヤンキーじゃないだろ!?」
・・・
ケンジ「二年は、オカベ君、セキヤマ君、シュンイチ、コジマ、マツダ、オオヤマが族に入ったみたい!?」
パチオ「子分のシュンイチとマツダが入ったのにマッチャンは入らなかったの?」
マッチャン(マツシゲ)は、西小の番長で、ヤ〇ザの息子。
俺は入学式にリンチされた苦い経験がある。
入学当初、マツシゲとナカタが喧嘩して引き分けたって噂があったけど、それ以降はマツシゲの話は聞いていない。
ケンジ「マッチャンはヤンキーを卒業して女遊びにハマってるみたい。シュンイチはセキヤマ君とつるんで喧嘩賭博を始めたって!」
最近のマツダは、コジマとオオヤマとつるんでるし、カオル先輩とも仲がいい。
ちなみにケンジは誰とも繋がっている。
西小のことを知りたければ、ケンジに聞けば大抵わかる。
ヤンキーじゃないのにカオル先輩やマッチャンとも気軽に話すことができる。
俺にはない誰からでも好かれるスキルだ!
・・・
パチオ「喧嘩賭博ってなに?」
ケンジ「春休みにヤ〇ト沼公園で、一回目の喧嘩賭博があったみたいだよ!」
ヤ〇ト沼公園は、大きな沼の真ん中に島があり、島に行くには赤い橋を渡らなくては行けない。
0時にその赤い橋を渡ると、幽霊に沼の底まで引っ張られるという言い伝えがある。
ケンジ「1個下の生意気なやつらをヤ〇ト島でタイマン張らせて、勝敗を賭け小銭を稼いでるみたいだよ。なんでも、タイマンのエントリー費は自ら出してるって話だぜ!」
パチオ「マジか!?それは惨いな」
ケンジ「しかも、タイマンに負けたやつは、橋から落とされるって。地獄だよな!」
パチオ「俺だったら間違いなく全勝だな!」
俺「おまえ喧嘩したことってあるの?」
パチオ「ないよ!」
・・・
パチオの188kgのパンチ力と俊敏性、そして鉄壁な防御力があれば、誰も勝てないだろう!?
とにかくパチオはタフだ!
以前、パチオが俺は5人までだったら、攻撃を全て防御ができるって大ぼら吹いたので、俺、ケンジ、マツダの三人で総攻撃したことがある。
パチオは、俺たち3人の総攻撃の8割はガードしていたし、蹴りやパンチが何十発もクリーンヒットしても全然効いていない感じだった。
休み時間のチャイムが鳴ったので、俺たちは殴るのを止めた。
パチオは、約三分間の総攻撃を耐えただけじゃなくて、その後の台詞に驚愕した!?
「もう終わりなの?全然効いてないよ!次は本気でやってよ!」
その日、パチオには二つ目のあだ名がついた。
『ランボーパチオ』
アメリカ人最強がランボーだったら、日本人最強はパチオだと思った。
・・・
喧嘩賭博に二年も呼ばれ始めた。
この喧嘩賭博の黒幕は、オカベみたいだ。
・・・
喧嘩賭博は、二年の中堅同志のタイマンがメイン。
仕切りは、セキヤマとシュンイチ。
そして、マツダがレフリー。
二週間ほど、喧嘩賭博は続いていた。
・・・
ケンジ「四組のヤスノリ君が昨日、シュンイチとタイマンを張って鼻血ブーでOKしたって!?今日は、セキヤマ君とヒデキ君がタイマン張るってよ!?」
へと続く。