108 Blog

If you can dream it, you can do it.

四度目のリンチ

【77話】

 

きょろきょろしながら、階段を上がる。

 

そして、屋上に扉を開ける。

 

俺は、屋上を見渡す。

 

屋上の奥に誰かが立ったいる。

 

一人だけだ。

 

俺はホッとしながら、ゆっくりと歩いて行く。

 

そこには、タクヤが立っていた。

 

タクヤ、あの日以来だな!俺に話があるって?」

 

そう言いながら、アイスクライマーを渡した。

 

タクヤは、イー・アル・カンフーは持っていないようだ。

 

タクヤ「もう少ししたら、ヨシダも来るから」

 

・・・

 

俺たちは、昔話をしながら、ヨシダを待っていた。

 

他校に乗り込んだことやトモオ君の話など。

 

・・・

 

俺「ところで、あの時、なんで俺を裏切った?」

 

・・・

 

タクヤ「実は、オカベ君に脅されて仕方がなく。ごめんなさい!」

 

やっぱり、黒幕はオカベか!?

 

それでも、タクヤが謝ってくれたのが嬉しい。

 

俺「もういいよ。昔のことだし、俺は気にしてないよ!」

 

・・・

 

俺は時計を見る。

 

5分経ってるのにいまだにヨシダが来ない。

 

俺「ヨシダ、どうしたのかな?」

 

タクヤ「108君、ちょっと待ってて。ヨシダを呼んでくるよ!」

 

俺「おう!待ってるよ」

 

・・・

 

それから、3分経ってもヨシダとタクヤは来ない。

 

俺も探しに行くか。

 

それとも・・・

 

急に嫌な予感がした。

 

屋上を離れた方が良いな。

 

俺は、屋上のドアに向かう。

 

・・・

 

そして、ドアの前に来ると階段から声が聞こえる。

 

複数人いるようだ。

 

タクヤとヨシダか?

 

それとも!?

 

俺がドアノブに手を掛けようとした瞬間。

 

ドアノブが回り、ドアが開いた。

 

俺は一歩下がった。

 

セキヤマ「108、おまえ、また騙さたの!」

 

シュンイチ「108、入学式以来だな!」

 

マツオ、オオヤマ、リュウジ、ハスダは、沈黙。

 

!?

 

何故、ハスダは半帽を被っている!?

 

・・・

 

そこには、ヨシダもタクヤもいない。

 

は、はめられた!?

 

俺は、タクヤ達に二度もはめられた。

 

どうしようもない馬鹿野郎だ!

 

・・・

 

この人数には勝てる気がしない。

 

もう、リンチは懲り懲りだ!

 

俺「セキヤマ、タイマンだったら張ってやるよ!」

 

無駄だと思ったけど、俺はセキヤマに提案してみた。

 

ヒデキともタイマン張ったみたいだし、セキヤマが漢だったら、タイマンを受けるだろう!?

 

・・・

 

セキヤマ「おまえは馬鹿力だし、蹴りも強力みたいだから、一方的に殴ることにしたよ!」

 

俺「あの時の仕返しか!?俺とタイマン張るのが怖いのか?」

 

・・・

 

シュンイチは、やる気満々な顔をしている。

 

ハスダとオオヤマは、ガンつけている。

 

マツダリュウジはニヤついている。

 

セキヤマ「ハスダ、半帽貸しな!」

 

ハスダは、半帽をセキヤマに渡す。

 

・・・

 

これは、先制攻撃のチャンス!?

 

でも、6人相手に通用するのか?

 

セキヤマは、半帽を拳に装着する。

 

ここで、セキヤマをやっても、最終的にはリンチが待っている。

 

やっぱり、逃げるか!?

 

扉の前を塞がれてるし、このタイミングでは無理だ。

 

セキヤマ「おまえら!108を押さえろ!」

 

先手を取られた!

 

ハスダ、オオヤマが右から、マツダリュウジが左側から襲ってきた。

 

俺は、抵抗して、何発かは顔面に入れたが、あっという間にがんじがらめにされた。

 

そして、半帽とシュンイチに交互に殴られる。

 

半帽の衝撃は強烈だ!?

 

このままだと致命傷になる。

 

俺は、頭をガードするために4人を何とか振り払った。

 

倒れた俺に対して、容赦なく半帽が飛んでくる。

 

あまりの痛さに涙が出てきた。

 

何分くらいボコられたのだろう!?

 

・・・

 

鼻と歯も無事だし、肋骨も折れていない。

 

四度目のリンチで、ガード力が大幅に向上していた。

 

全身が痛いし、頭もコブだらけだけど、致命傷は避けられた。

 

・・・

 

それにしても、あいつら、三年が卒業したら覚えとけよ!

 

と一瞬思ったが、仲間がいないと組織にはかなわないことを学んだ。

 

 

 

ゲスの極み

へと続く。

 

 

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