ゲスの極み
【78話】
ボコられてから3日経つが、いまだに体が痛い。
パチオ「あいつらやることがえげつないよな。でも、俺だったら6人相手でも勝つけどな!」
俺「無神経なおまえでも半帽は痛いぞ!」
でも、パチオだったらマジで勝てるかもしれないな。
・・・
ケンジ「最新情報!昨日、ミノル君がセキヤマ君たちにトイレに呼ばれたってよ!」
ミノルは、俺が唯一タイマンで負けたエリートボクサー。
噂だと最近は、空手道場にも通ってるみたいだ。
ミノルは、瘦せ型なのでパンチ力はないけど、ディフェンスだけだったら1番だと思う。
俺「それで、どうだったの?」
ケンジ「ミノル君、トイレの個室に入って迎え撃ったみたい!」
パチオ「それは、賢いな!それだとタイマンになるからな」
俺「そうか!?その手があったか!」
パチオ「108は、屋上だったから無理っしょ!」
・・・
ケンジ「セキヤマ君の攻撃を全てかわしたみたいだぜ!そして、セキヤマ君はミノル君のワンツーでダウン。二番手のシュンイチのパンチも全てかわしたけど、蹴りが入って形勢逆転。個室から引きずり出されてリンチで終了だってよ」
俺「勝てそうな相手はタイマン。負ける可能性がある相手はリンチ。あいつらゲスの極みだな!」
・・・
国語の先生がヤマイチからサクラダになった。
ヤマイチは、アルコール依存症の治療で病院に入院しているらしい。
サクラダは、体育会系のゴリマッチョ。
190cmくらいあり、体重も100kg以上はありそうだ!
新しく柔道部の顧問になったみたいなので、イワサキたちをしごいてもらいたい。
・・・
サクラダの授業は、とても高圧的だ!
サクラダ「おい!おまえの学ラン変形学ランだろ?」
他の先生にはバレてないのに何故!?
俺「違いますよ!」
サクラダが胸ぐらをつかみ、俺は宙に浮く。
なんだ!サクラダのパワーは、まるでゴリラだ!?
171cm、57kgの俺を片手で持ち上げるって。
その衝撃で、ボタンが外れ弾け飛ぶ。
サクラダ「フツー裏地は黒だろ!おまえのは紫だよな?あぁ!?」
俺「フツーここまでやるか!このゴリラヤロー!!」
・・・
サクラダの顔が赤くなり、目が血走ってる。
次の瞬間、俺は投げられた。
投げられた俺は、机に突っ込む!?
推定距離約2m。
周りの机や無関係の生徒にも被害が出ている。
倒れた俺は、周りを見渡した。
クラス全体が凍り付いている。
震えてる女子もいる。
ゴリラ「おう!学ラン脱げや!!」
・・・
ゴリラって言うより、こいつはもはやチンピラだ。
こんなやつが教師ってありえないだろ。
滅茶苦茶ムカつくし、恥をかかせやがって!
居たたまれない俺は、教室から退室した。
・・・
その後、俺はゴリラの授業をサボるようになった。
サボり始めて三日目、担任のミズノ先生に呼ばれた。
俺は、ミズノ先生に一部始終を話した。
・・・
ミズノ「暴力を振るったサクラダ先生にも問題はあるけど、108くんも悪いよね?」
「俺が悪いって!?なんでですか?」
ミズノ「変形学ランはダメだよね?」
1着目は破られたし、2着目もすでにボロボロだし、マジムカつくよ!
俺「入学早々、俺の学ラン破れちゃったから、新しいの買って何が悪いの?」
・・・
ミズノ先生との話し合いは、平行線だった。
ミズノ「108くん、もう帰っていいよ!」
俺は何も答えず、その場を去った。
・・・
部活が終わり帰宅すると、オヤジがいた。
俺「おふくろは?」
オヤジ「夕飯を買いに行ったよ」
・・・
むしゃくしゃする俺は、爆音でウォークマン『THE BLUE HEARTS』を聴いていた♪
「ドンドンドンドン」
曲の合間にドアを叩く音が聞こえた。
俺は、部屋の鍵を開けた。
母「お父さんが呼んでるよ。おまえ何かしたの?」
あぁ、ミズノか!?
「お父さん、すごく怒ってるよ!」
俺「うん。今行くから!」
・・・
へと続く。