108 Blog

If you can dream it, you can do it.

三人の告白

【82話】

 

アオイちゃんは、中二にしては、とても色っぽい。

 

どことなく影がある感じがとても気になる。

 

・・・

 

アオイちゃんとリンちゃんとは対照的。

 

リンちゃんは、友達も多く人気者。

 

アオイちゃんは、一人でいることが多いので、友達は少ないのかも。

 

・・・

 

なんで、児童養護施設で暮らしているのかも気になるが、聞いちゃいけない気がする。

 

・・・

 

アオイ「108くん、最近、勉強も頑張っているよね!」

 

俺「そうだね、塾にも通い始めたし、少しずつだけど、成績も上がってるよ」

 

「1学期の中間テスト。学年で120位だったけど、2学期の期末テストは、97位だったよね?」

 

俺「えっ!なんで、俺の成績知ってるの?」

 

もしかして、俺の隠れファンなのか!?

 

・・・

 

アオイ「私の1学期の中間テスト119位だったから、覚えてるの!」

 

当校は、テスト結果が廊下に貼りだされる。

 

入学当初に貼りだされた結果は、ワースト10だった。

 

小学時代は貼りだされなかったのに、中学はやることが惨い。

 

・・・

 

俺は、恥をかきたくないので、テスト結果の貼り紙を見たことがない。

 

アオイ「実は、今回の期末テスト、私98位だったから、108くんに抜かれちゃったよ!」

 

「へー。アオイちゃんと俺の成績は、同じくらいなんだね!」

 

俺の中で、アオイちゃんに対する親近感が一気に増した。

 

・・・

 

 

俺たちは、たわいもない話をしていた。

 

アオイちゃんと話しているとホッとする。

 

俺、アオイちゃんのこと好きになり始めてるかも・・・

 

そー言えば、クワタはアオイちゃんになんの相談をしたのだろう?

 

・・・

 

 

「ところで、クワタと何を話してたの?」

 

アオイちゃんの笑顔が消えて、うつむいた。

 

「あれ!?変なこと聞いちゃった?」

 

沈黙が少し続く。

 

・・・

 

アオイちゃんは、顔を上げて話し始めた。

 

「どこから話そうかな。・・・私は、6年生の時に施設に入ったの。クワタ君とほぼ同じ時期だけど、クワタ君の方が私より1カ月先輩で、右も左も分からなくて不安な私にとても優しくしてくれたの。同級生だったこともあり、小学生の時は一緒に遊んだりもしたわ。でも、中学生になると遊ぶこともなくなって少し寂しかった。」

 

俺「クワタは、優しいやつだからな!」

 

あれ?もしかして、アオイちゃんは、クワタのことが好きなのか!?

 

・・・

 

アオイ「そう、とても優しいの!小学生の時は、よくクワタ君に話を聞いてもらったり、相談もしたわ。だから、クワタ君から相談があるって聞いた時、私嬉しかったの!」

 

これは、クワタのことが好きだな。

 

クワタは、いいやつだし、アオイちゃんのことは、諦めよう。

 

・・・

 

アオイ「クワタ君の家も複雑だから、家のことなのかな?と思っていたけど・・・」

 

沈黙が続く・・・

 

俺「言いにくかったら、無理してしゃべらなくていいよ」

 

でも、気になる。

 

クワタは何を相談したんだろ?

 

・・・

 

アオイ「最初は、クワタ君、108くんのことを話してたの」

 

おい!クワタ、もしかして・・・

 

俺「俺のことって?」

 

アオイ「108くんも小学生の時は、苦労してたとか。サッカー上手いこととか。108くんって1年生の時のサッカー大会で得点王だったよね。私も見てたよ!」

 

あれ?クワタは、俺のことをアオイちゃんにプッシュしてくれたのか!?

 

持つべきものは友達だな!

 

嬉しくて俺は、ニヤリとする。

 

・・・

 

「108くんの話が終わって、クワタ君が突然、真顔になって告白されたの」

 

あの時の真剣な表情は、告白だったのか!

 

えっ!でも、なんの告白だ?

 

もしかして、俺の告白をクワタが勝手にしたのか。

 

・・・

 

俺「告白って?」

 

アオイ「私のことが好きだから付き合ってくれって言われたの」

 

えっ!俺が?それともクワタが!?

 

訳が分からなくなった・・・

 

・・・

 

俺「それって、どういう意味なの?」

 

アオイ「クワタ君の気持ちは嬉しいけど、わたしは断ったわ」

 

あぁ、そー言うこと!って、おい!

 

なんで、クワタがアオイちゃんに告白するんだ!?

 

・・・

 

沈黙・・・

 

俺は、勇気を持って質問した。

 

「それで、アオイちゃんもクワタが好きなの?」

 

・・・

 

アオイ「クワタ君のことは、好きだけど、恋愛感情じゃない好き。ちゃんと断ったよ!」

 

それを聞いて、ホッとする俺がいる。

 

・・・

 

アオイ「108くんは、私に言いたいことはないの?」

 

彼氏がいるかどうかは、聞きたいけど。

 

今聞いても良いのか?

 

でも、それを聞いたら、間接的な告白になってしまう。

 

もし、断られたら、学校行きにくくなるし。

 

でも、これはチャンスなんじゃないのか!?

 

・・・

 

俺は、勇気を振り絞って聞いてみた。

 

「アオイちゃんって彼氏とか好きな人っているの?」

 

・・・

 

アオイ「彼氏はいないよー!」

 

アオイちゃんは、恥ずかしそうに答えた。

 

・・・

 

「でも、気になる人はいるよ」

 

誰だろ?

 

俺は、たぶん同学年の女子たちから嫌われている。

 

でも、俺の可能性も1%はある。

 

・・・

 

俺は恐る恐る聞いてみた。

 

「気になる人って誰なの?」

 

・・・

 

アオイ「108くんは、好きな人っているの?」

 

必殺!質問返しをされた。

 

・・・

 

俺「好きなのかどうかは、わからないけど、気になる人は、同じクラスにいるよ!」

 

・・・

 

アオイ「それって、私のことでしょ?」

 

えっ!いきなりストレート!!

 

俺は、小さく頷いた。

 

・・・

 

 

 

名プロデューサーのクワタ

To BE CONTINUED🔜

 

 

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