108 Blog

If you can dream it, you can do it.

はじめてのラ〇ホテル

【89話】

 

アオイは、ホッとした表情だ。

 

俺もアオイの顔を見てホッとする。

 

「アオイ、大丈夫か?」

 

・・・

 

アオイ「ちょっと、パ二くっちゃったよ~」

 

「状況がわからなかったから、俺もパ二くった。でも、タキタのフォローで、二人に戻れたね!」

 

アオイ「うん。でも、あと10分しかないし、カラオケ出ないといけないね」

 

マグカップは、既にリュックサックの中に戻している。

 

保冷剤を入れてもらったので、おそらくクリスマスケーキも無事だ。

 

でも、どこで、二次会をしよう?

 

この町には、カラオケボックスは一店舗だけだし。

 

・・・

 

ゆっくりと二人っきりで、一緒に過ごせるのは、もうホテルしかない!

 

ホッとして、気が緩んだのか、俺は大胆な発言をする。

 

「誰にも邪魔されず、二人っきりで、クリスマスケーキを食べられるは、ホテルしかないよね!?」

 

・・・

 

アオイ「・・・」

 

キョトンとするアオイ。

 

俺の顔が赤くなるが、わかる・・・

 

・・・

 

アオイ「いいよ。ホテルに行ってクリスマスケーキを食べよう!」

 

えぇっ!?ダメもとで、言ったのに・・・

 

マジかよ!?

 

これは、夢ですか!?

 

俺は、ほっぺをつまんでみる。

 

「痛っ!?」

 

クスっとアオイが笑う。

 

「本当にいいの?」

 

「公園じゃ寒いし、ケーキを食べるだけだよ!」

 

でも、中学生が入れるものなのか?

 

俺たちは、カラオケボックスを出て、ラブホテルに向かった。

 

途中、児童養護施設に自転車を停める。

 

「おーい!」

 

振り返ると、クワタが二階の窓から顔を出し、手を振っている。

 

クワタ「もう、カラオケ終わったの!?」

 

なんで、クワタが知ってる!?

 

俺「おう!」

 

クワタ、このタイミングで、こっちに来るなよ・・・

 

アオイが耳元で囁く。

 

「クワタ君が下りて来る前に行こっ!」

 

クワタ「アオイ!あんまり遅くなるなよ~!」

 

・・・

 

ホテルは、児童養護施設から歩いて5分くらい。

 

クワタが見えなくなった俺たちは、手を繋いだ。

 

しばらく歩くと、ホテルの看板が見えてきた!?

 

今にも心臓が口から出そうだ。

 

冬なのに手も汗ばんでいる。

 

「入り口は、どこかな?」

 

アオイ「私が知っているわけないじゃん!?」

 

そー言う意味で聞いたんじゃないけど・・・

 

ラブホテルに入るのは、初めてだ。

 

あれ!?フロントがないぞ!

 

・・・

 

車が停まっていて、その前に部屋があるホテルだ。

 

よく見ると、車が停まっている部屋の前に電光掲示板があり、明かりが消えている

 

電光掲示板には、部屋の写真が映っているみたいだ。

 

「これって、電光掲示板が光ってる部屋が、空室ってことだよね?」

 

アオイ「わからないけど、たぶん、そうだと思う」

 

一通り、見て回ると、空いてる部屋が二室ある。

 

休憩二時間:3,980円

 

宿泊:6,980円

 

思ってたより、安いぞ!

 

二部屋とも同じ料金だし、間取りも同じっぽいので、人目に付きにくい奥の部屋を選んだ。

 

あれ!?すんなり、部屋に入れたぞ!

 

えぇっ~!?このホテル、和室で布団なの??

 

普通、ラブホテルは、回転ベッドじゃないの!?

 

これじゃ、まるで旅館じゃんか!?

 

「コンコン!」

 

ドアを叩く音がする。

 

俺は、恐る恐る、ドアを開ける。

 

「ギー!」

 

そこには、老婆が立っている。

 

老婆「休憩?それとも宿泊かい?」

 

俺「きゅ、休憩でお願いします!」

 

老婆「前払いで、3,980円ね~」

 

俺は、財布から、4千円を渡す。

 

老婆は、オーバーオールのポケットから、お釣りを出した。

 

「はい、20円のお返しね~。休憩は2時間だから、終わったら、部屋から電話してくださいね~」

 

終わったらって!?下品な婆さんだ。

 

老婆「では、ごゆっくり」

 

疑った顔で、ジロジロと顔を見られていたが、たぶんセーフだ!!

 

・・・

 

アオイ「大丈夫だった?」

 

俺「うん。問題なし!それにしても、ラブホテルって和室に布団なの?」

 

アオイ「そうね。・・・イメージとだいぶ違うよね?」

 

・・・

 

時間があまりない!そんなことより、急がないと。

 

俺「お腹も空いたし、ケーキを食べようか!」

 

アオイ「そうだね、用意するね!」

 

・・・

 

「あれ!?包丁ってないよね?」

 

俺たちは、食器棚を探すが、ティーカップティースプーンしかない。

 

アオイ「お皿とホークは持ってきたけど、包丁持ってくるの忘れちゃった」

 

俺「じゃあ、お婆さんに聞いてみるよ!」

 

「プルルルル~ガチャ!」

 

「あのぉ、包丁って貸してもらえますか?」

 

老婆「お客さん、包丁で何をするんだい?」

 

「あぁ、クリスマスケーキを切るのに使いたいです!」

 

老婆「そーかい。わしゃビックリしたよ!今から持って行くね」

 

・・・

 

 

アオイ「今日はいろいろあったけど、ケーキとっても美味しいね!!」

 

何度見ても、アオイの笑顔は、かわいい!

 

・・・

 

あれ、もう、20分が経ってしまった。

 

急がないと、ミッションクリアーできないぞ!!

 

・・・

 

「そうだ!アオイにプレゼントがあるんだけど、いま渡してもいいかな!?」

 

アオイ「ホント~!嬉し~!!・・・実は、私からも108くんにクリスマスプレゼントがあるの!」

 

俺「マジで~!じゃあ、俺から渡すね!」

 

・・・

 

俺は、リュックサックから、マグカップを出し、アオイに手渡した。

 

「ラッピングしてなくてごめんね!」

 

アオイ「えぇっ!?これって、マグカップだよね!!とってもお洒落だし、私の好きなブルーだね!めちゃ嬉しーよ!!108くん、ありがとうー!!大事に使うねっ!」

 

「やっぱり、アオ色が好きなんだね!アオイの名前は『碧』だから、碧色にしたんだ!」

 

こんな喜んだ、アオイを初めて見た!

 

ガンバって作ってよかった!!

 

後で、ユキさんにもお礼を言わないと。

 

・・・

 

「このマグカップ。ペアなんだ~!!」

 

俺は、もう一つのマグカップを出した!

 

「えっ!?お揃いなんだ!嬉しー!!さっそく紅茶でも入れるね~!」

 

俺「実は、このマグカップ。手作りなんだ!マグカップの裏も見て見てよ!」

 

・・・

 

アオイ「108くんとアオイの名前が入ってる!凄い!!私のために作ってくれたんだね!やっぱり、このマグカップ使うのがもったいないな~!」

 

本当は、カラオケボックスで、サプライズしたかったけど、これはこれで、結果オーライ!

 

大成功である!!

 

・・・

 

 

アオイ「今度は、私からのプレゼントね!恥ずかしいから後ろを向いてもらっていい?」

 

なんだろ!?楽しみだな!

 

「108くん、目を閉じて。いいって言うまで、目は開けないでね!」

 

「うん。わかった!」

 

アオイが近づいて来る。

 

俺の真後ろに立っている。

 

なんだろ?

 

アオイ「ちょっとだけ、しゃがんでもらっていい」

 

俺は、膝を軽く曲げ、しゃがむ。

 

首に何かが、巻かれた。

 

あぁ、マフラーか!?

 

とても、温かい。

 

アオイ「はい!目を開いていいよ!」

 

目を開くと、白いマフラーが首に巻かれている。

 

アオイ「このマフラー、108くんをこと思って編んだの。上手くはないけど、良かったら使ってね!」

 

メチャクチャ嬉しい~!!

 

今までもらったプレゼントで、間違いなくナンバーワン!!

 

俺は、振り返り、アオイを抱きしめた。

 

「ありがとう!マフラー大事に使うね!」

 

こんなに幸せを感じたのは、生まれて初めてだ!

 

・・・

 

アオイは、照れているようだ。

 

「108くんが作ってくれたマグカップで、紅茶を飲んでみよう!」

 

ティーパックの紅茶だけど、良いよね!」

 

「カンパーイ!!」

 

・・・

 

あれ!?もう、17時過ぎだ!

 

アオイの門限は、18時だから、遅くてもホテルを17:50に出ないと間に合わない。

 

このままでも、幸せだけど、やっぱり、ミッションを成功させたい!!

 

・・・

 

俺は、キスをする雰囲気を作り、アオイとキスをした。

 

俺たちが座っている場所には、布団が敷いてある。

 

和室ってサイコー!!

 

そして、そっとアオイの体を倒す・・・

 

ドラマだと、彼女に蹴られるシーンがよくあるけど、アオイは、抵抗してこない。

 

ドキドキが止まらない・・・

 

これは、行ける!?

 

 

 

天国から地獄へ

To BE CONTINUED🔜

 

 

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