新しい彼氏
【93話】
アオイと俺は、公園のベンチに座る。
俺は、自販機で買った温かいおしるこをアオイに手渡す。
「ありがとう!108くんは、コンポタなんだね!?」
そう、俺は、甘いのは苦手だ。
・・・
どう話そうか、まだ決まっていない。
「年賀状ありがとう!返信できなくてゴメンね。コメントも嬉しかったよ!!」
「ううん。108くんは、冬休みは家族と過ごしてたの?」
俺は、20ソアラに乗って興奮したことや、将来のことについて語った。
・・・
「将来の夢かぁ~。私は、まだボヤっとしか考えられないけど、108くんだったら、きっと叶うと思うよ!」
アオイのエールは、心に響き、やる気がこみ上げて来る!
・・・
「アオイは、推薦枠で、商業高校を狙っているんだよね!?成績も上がってるし、このまま頑張れば、合格間違いなしだよ!」
!?
アオイの表情が曇りはじめた。
・・・
「アオイ!どーしたの?」
「うん。私に話したいことがあるって言ってたけど、聞いてもいい?」
・・・
「まだ、話がまとまっていないから、アオイから話してよ!」
・・・
アオイの表情は暗いし、きっと、悪い話だと思う。
別れ話かもしれない。
どんな話をされても、俺はアオイと向き合い、一緒に幸せになりたい!
それだけは、伝えようと思う。
・・・
「年末年始にお母さんに会いに行ってきたんだけど。・・・いつも疲れてるお母さんが、今回はとっても元気だったの!」
「それは、良かったね!」
「うん。ごはんもね、カウンターのお寿司屋さんに連れて行ってもらって、今までで一番美味しいお寿司だった!」
「お母さんの彼氏は、一緒じゃなかったの?」
「それがね、お母さん、彼氏と別れたの!!だから、元気になったし、お金にも余裕ができたんだと思う!」
・・・
アオイ母は、休みなく働いて、相当なお金を彼氏に貢いでいた。
別れてからは、週4日の勤務に減って、貯金もできるようになったみたいだ。
「お母さんが元気なのは、嬉しいよね!・・・でも、よく元カレと別れられたね!?」
「うん。私もビックリしたんだけど、お母さん、新しい彼氏ができたの」
「マジで!?お母さん、モテるんだね!」
「お母さんは、私から見ても綺麗な人だよ!・・・それで、今の彼氏も紹介してもらったの」
「へ~。今彼は、どんな人なの?」
「歳は39歳で、企業勤めのサラリーマン。穏やかで、とっても優しい人だったよ。・・・お母さん、その人と結婚するんだって・・・」
「えぇっ!?マジで!!良かったじゃん!ヒモ男と比べたら100倍良いよね!!」
あれ!?とても良い話なのに、アオイの顔が、また曇りだした。
・・・
「実はね。・・・」
To BE CONTINUED🔜