はじめてのディナーショー
【96話】
リンちゃんに相談する仲にいつなった?
何でマドカちゃんまでが、アオイの送別会に参加するんだ!?
アオイには聞けないので、俺はリンちゃんに聞いてみた。
・・・
リンちゃん曰く、クリスマス以降、アオイと何度か遊んだみたいだ。
クリスマスイブのカラオケリベンジもいつの間にかしていた。
その時、マドカちゃんも一緒で、意気投合したと言っていたが、何をだろう!?
それにしても、女子はわからない動物だと思った。
・・・
アオイは、先生と相談して、送別会はしないで、クラスメイトには、事後報告にしてもらった。
友達も少ないし、恥ずかしいし、俺でもそうする。
・・・
俺たち6人は、昼休みに美術室で打ち合わせをした。
タキタ「アオイちゃんの好きなことって何?」
リンちゃん「それじゃ、私とマドカちゃんは、ドーナツを作るね!」
マドカ「私、お菓子作り得意だから。こっちは任せてよ!」
・・・
ケンジ「と言うことは、男子は『X JAPAN』を歌うってか!?」
クワタ「そしたら、やっぱり、108が『FOREVER LOVE』を歌って~♪俺たちが盛り上げるってどう!?」
タキタ&ケンジ「それで、決まりだな!!」
マドカ「私だったら、泣いちゃうかも!?」
リン「108くん、それじゃ、それで決定ね!」
「うん」
俺が、口を出す暇もなく催し物は決まってしまった。
・・・
そして、3月23日。
タキタとケンジと合流し、児童養護施設に向かう。
俺たちは、早く着いちゃったので、近所の公園で時間つぶしをする。
「あれ!?間違っておしるこ買っちゃったよ!」
いつも、アオイのおしるこを買っている自販機。
俺は、コンポタ派なんだけど、いつもの癖で、おしるこを買ってしまった。
ケンジ「俺、おしるこ好きだから、飲もうか?」
まぁ、たまにはいいかも。
俺「大丈夫。俺が飲むから」
・・・
ケンジ「でも、108とアオイちゃんが付き合っていたことにもビックリだけど、大阪に引っ越しちゃうってホントに悲しいよな」
俺「大阪は近いけど、遠いよ。新幹線で片道4時間くらいだけど、往復で5万円だからな。実際1年に1回行ければ良い方だよ」
タキタ「でも、遠距離恋愛は燃えるよな!?」
ケンジ「おまえ、遠距離恋愛どころか、彼女できたこともないだろ!?」
タキタ「・・・好きな子はいるんだけど。・・・」
俺「えぇっ!?誰だよ?」
・・・
クワタ「おーい!おまえら、そろそろ入って来いよ。もう、リンちゃんとアオイちゃん来てるぞ!」
ケンジ「あれ!?ホントだ。もう、12時じゃん!」
俺たちは、クワタに案内されて、屋内に入る。
部屋から、アオイたちの声が聞こえる。
何だか、盛り上がってるみたいだぞ!?
クワタ「それでは、スペシャルゲストの入場だ!!」
シーンとする会場。
入りにくい。
そして、俺たちは、部屋に入る。
そこには、アオイ、リンちゃん、マドカちゃん、寮母さん、施設の人達がいた。
テーブルには、ちらし寿司、海苔巻き、タンドリーチキン、ドーナツ、アップルパイなど、御馳走が並んでる。
「嬉しー!!108くん、タキタ君、ケンジ君も来てくれたんだ!」
アオイのビックリした表情を見ると、どうやらサプライズは成功したみたいだ!
・・・
アオイ「でも、今日は野球の試合があるって言ってたよね?」
俺「あぁ、あれは嘘ね。アオイをビックリさせようと6人で企画したんだ!」
アオイ「もう、会えないと思ったから、凄く嬉しーよ!本当にありがとう!!」
・・・
俺「ところで、大阪のどこに引っ越すの?」
「豊中市ってところで、大阪梅田にも電車で15分くらいだよ!?遊びに来てくれたら大阪案内するね!」
「うん。楽しみにしてるよ!」
・・・
クワタ「108、ちょっといいか?」
もう、こんな時間か。
「FOREVER LOVE覚えてきたか?」
「覚えたけど、忘れそうだから、歌詞カード持ってきたよ!」
「そうか、それじゃ、3分後に曲を流すから、108はあのドアからマイクを握り入場をしろ!後は俺たちが盛り上げるから、自信をもって行こう!!」
「っていうか、ディナーショーかよ!?」
俺は、トイレで用を足し、ドアの前で待機する。
Toshiの声高いし、ちゃんと歌えるかな!?
マジでドキドキしてきたぞ。
To BE CONTINUED🔜