Forever Love フォーえばぁぁ⤴ Dream
【97話】
歌詞カードを復唱してドア前で待つ。
・・・
後ろから、肩を叩かれる。
「あれ！？マドカちゃん」
「108くん、頑張ってくださいね！」
「うん。ありがとう！」
「じゃあ、わたし先に行っていますね！」
アオイちゃんの笑顔で、緊張が少しほぐれたぞ！
・・・
部屋の中から、イントロが流れ出す～♪
最初のワンフレーズを間違わないで歌うと、自分に言い聞かす。
そして、ドアを開ける。
ここは、セルフだ！？
・・・
「パチパチパチパチ♪」
「ヒューヒュー♪」
思ってた以上の歓声と盛り上がりだ！？
しかも、早く入り過ぎたので、歌い出しまでが長い。
廊下は寒かったのに、いつの間にか汗が出てきた。
フォーエバーに感じる。
アオイの顔は、恥ずかしくて見れない。
メンズを見ると少し落ち着く。
こいつら、まだ騒いでるぞ！？
それが少し、笑えてきた。
・・・
「もう独りで歩けない 時代の風が強すぎて Ah 傷つくことなんて慣れたはず だけど今は...」
取り合えず、出だしはOK！！
「Ah このまま抱きしめて 濡れたままの心を 変わり続けるこの時代に 変わらない愛があるなら Will you hold my heart 涙受け止めて もう壊れそうな All my heart Forever Love Forener Dream 溢れる想いだけが 激しく せつなく 時間を埋め尽くす Oh Tell me why」
ここまでは、好調。
なんだか、気持ち良くもなってきたぞ！！
余裕ができた俺は、アオイを見る。
アオイは、瞳に涙を浮かべている。
おぉっ！感動してるみたいだぞ！！
・・・
そろそろ、2番も終わる頃。
この歌は、とにかく長い。
みんなも盛り上げてくれているが、そろそろ喉がヤバそうだ。
たくさん練習もしたから、喉に負荷がかかっただろう。
そして、この緊張感。
さっきのフレーズは、危なかった。
みんなの声援で、上手くかき消されたが。
最後まで持ってくれ！
・・・
そして、最後のフレーズに入る。
「Forever Love フォーえばぁぁ⤴ Dream 溢れる涙の中 輝く季節が 永遠に変わるまで フォーえばぁぁ⤴ Love・・・」
練習のし過ぎなのか、緊張感からなのか、最後の最後にダブルで声が裏返ってしまった。
・・・
タキタとケンジが笑いを堪えているのが分かる。
アオイは、下を向いていて表情が分からないけど、きっと笑っている。
・・・
クワタ「良かったよ！感動したよ！！」
クワタとマドカちゃんの瞳には、涙が。
でも、きっと、あの涙は、笑いを堪えた涙だと思う。
こんなことなら、無難な歌を歌えば良かった。
もう、X JAPANは、二度と歌わないだろう。
・・・
早く忘れたい、催し物も終わり。
俺たちは、施設の子たちと俺たちが書いた色紙をアオイに渡した。
・・・
アオイは、笑って言った！
「短い期間だったけど、良い思い出をありがとう！」
リンちゃんとマドカちゃんは、アオイとハグをしていたけど、俺は人前だし遠慮した。
・・・
寮母「じゃあ、そろそろ、アオイちゃん、行こうか」
俺は、アオイの荷物を持ち、車まで見送る。
「アオイ。大阪でも頑張れよ！」
「108君も頑張ってね！」
俺は、手紙をアオイに手渡した。
「手紙は、新幹線の中で読んでよ」
「うん。ありがとう！」
俺は最後に、アオイと握手をして別れた。
・・・
To BE CONTINUED🔜
