108 Blog

If you can dream it, you can do it.

コールドゲーム

【99話】

 

レギュラーどころか、チャンスも回ってこない可能性がある。

 

しかし、俺は週5回バッティングセンターに通った。

 

特に110km/hのストレート。

 

そして、100km/hのカーブ。

 

最初は、クリーンヒットが出なかったけど、2週間も通うと十中八九ヒットを打てるようになった。

 

そして、部活の練習時でも、クリーンヒットするようになってきた。

 

先生「108、最近バッティングが良いな!?明日の練習試合、レギュラー組のレフトに入れ!」

 

練習試合だけど、初めてのレギュラー先発だった。

 

二年間休まず部活動に出て、バッティングセンターでコソ連した結果だ!

 

・・・

 

練習試合は、4打数、2安打、2フォアボール、4盗塁成功の好成績だった。

 

しかも、コジマからツーベースを打ってやったぜ!

 

コジマの球速は、130km/hとかなり速いけど、ノーコンだ。

 

球速だったら、エース級なのにノーコンなので、控えピッチャーだ。

 

エースのカミヤの球速は、100~110km/hだけど、コントロールが良い。

 

因みに二軍では、一度もカミヤの球を打っていない。

 

機会があれば、カミヤからも打ってみたい!

 

・・・

 

 

そして、地区予選の二回戦。

 

俺は、ベンチスタートだった。

 

・・・

 

七回裏が終わり、4対1で勝っている。

 

今の所、出番がない。

 

そして、八回裏、ツーアウト、二塁三塁。

 

ヒットが出れば、追加点だ!

 

先生「108、代打だ!?」

 

公式戦としては、初めてのバッターボックス。

 

おい!?最初から出せよ!

 

このタイミングは、かなり緊張するし、1チャンスかよ!?

 

ここで、打てなければ、全てが終わる。

 

当校は、4回戦くらいの中堅校。

 

残り二試合で、失敗した俺が使われる筈がない。

 

そう思うと、余計に緊張した。

 

パチオ「108、ホームランぶちかませよー!!」

 

ケンジ「最低でも、ホームランなー!!」

 

これは、応援じゃない、完全たるヤジである。

 

・・・

 

俺は、1本目は見送った。

 

「ストライク!」

 

2本目、ストレートが来たらブチかますぞ!

 

2本目、3本目はボール。

 

これで、1ストライク、2ボール。

 

3本見送ったことにより、落ち着きを取り戻した。

 

そして、4球目。

 

これは、ストライクゾーンのストレートだ。

 

俺は、コンパクトにバットを振った。

 

「カキーン!!」

 

ボールが右中間に飛ぶ。

 

レフトが前に出て来るが、間に合わない。

 

「ラッキー!?」

 

レフト前、1m付近にボールが落ち、そして、後方に転がった。

 

俺は、1塁を回り、2塁に向かう。

 

「108、3塁に行けるぞ!?」

 

そんな声が聞こえてきた!

 

俺は、振り返る余裕がないので、その声を信じて3塁に向かった。

 

そして、一瞬後ろを振り返る。

 

セカンドがボールをキャッチし、3塁に投げるところ。

 

3塁までは、残り10mくらいか!?

 

俺は、生まれて初めてのヘッドスライディングをした。

 

3塁週のグローブが俺の手に触れているが、俺の手も3塁ベースに触れている。

 

チームメートは、セーフを連呼する。

 

相手チームは、アウトを連呼。

 

どっちだ!?

 

少し、間が開き。

 

「アウト!アウト!!」

 

二回も言うなよ、バカヤロー!

 

二点は追加したけど、俺の初打席はアウトになった。

 

・・・

 

先生「良くやったぞ!108!!」

 

ケンジ「惜しかったな!」

 

パチオ「スライディングだったら、セーフだっただろ!?スパイクはビビるからな?」

 

確かにそうかもしれないが、ただ俺は必死だった。

 

次に機会があれば、スライディングにしよう!

 

そして、9回表、カミヤに変わりコジマ。

 

ノーコンでも、5点差あるから、問題ないだろう。

 

一回戦もコジマは、抑えで出場し、失点は0。

 

・・・

 

あれ!?今日のコジマは、スーパーノーコンだぞ。

 

・・・

 

なんと、5連続のフォアボール。

 

そして、連続のヒットで、あっという間に4失点してしまった。

 

ノーアウト、満塁で、6対5。

 

エースのカミヤが頭を抱える。

 

三年のピッチャーは二人しかいない。

 

先生「ピッチャー交代だ!二年のサワダ!」

 

コジマは、気に食わない表情だ。

 

二年のサワダも公式戦では、初登板。

 

それにして、この起用はむごすぎる。

 

・・・

 

 

試合終了。

 

その後もボコボコに打たれて、コールドゲームになった。

 

もう少し、試合に出たかったな。

 

そして、俺の『野球人生』が終わった。

 

 

 

シャープペンシルの替芯

To BE CONTINUED🔜

 

 

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