シャープペンシルの替芯
【100話】
レギュラーに選ばれないまま引退。
俺なりに頑張った結果なので、悔いはない。
高校に進学したら、ラグビー部に入ろう。
俺が志望する高校のラグビー部は、県内屈指の強豪校。
そう、俺は『スクール☆ウォーズ~泣き虫先生の7年戦争~』の大ファン!!
スクールウォーズ2は、残念だったけど。
早く高校生になりたいなぁ~。
・・・
引退後、俺は勉強に集中した!
一部のヤンキー以外は、皆猛勉強をしている。
テストの点はUPしてるけど、偏差値がなかな上がらない。
2学期が終わり、偏差値は58。
通知表は、国語、英語が3。
数学、社会、理科、音楽が4。
美術、体育、技術が5。
入学当初の偏差値は29だったので、2年半で29UPしたことになる。
コツコツ頑張った結果だと思う。
そして、学習塾でも、Dクラスに昇格した!
・・・
やはり、Dクラスは真面目そうな奴が多いなぁ。
その中で、一人だけブラウンヘアーの目立つ女子がいる。
俺は、塾に通い始めたころから、彼女を目で追っていた。
髪をかき分けた瞬間、耳元に光るピアス。
顔立ちは、キレイ系で、どことなく工藤静香に似ている。
まぁ、俺の中では、ストライクなガールである。
彼女を見かけた当初、俺はAクラス。
そして、彼女は当初からDクラス。
格差があったし、きっかけがなかったので、声を掛けることが出来なかった。
しかし、今日からは同じクラス。
俺は、さりげなく彼女の隣に座った。
「カチカチカチ。あれ!?シャープペンのシンが無くなっちゃったなぁ・・・」
俺は、彼女に聞こえるように独り言を言った。
「あの?私ので良ければ、どうぞ。HBですけど!」
「あ、ありがとう!この1本大事に使いますね!」
彼女は、クスっと笑った。
彼女の微笑み、マジ天使!!
・・・
今回、CクラスからDクラスに上がったのは、二人だけ。
EクラスからDクラスに落ちた人も数名いる。
俺のDクラスでの成績は、ビリだった。
今まで以上に真面目にやらないと、Cクラスに落とされる。
・・・
授業終了後、俺は彼女にフルネームで自己紹介をした。
彼女もフルネームを教えてくれた。
彼女の名前は『カオリちゃん』。
・・・
「俺は、月曜日と木曜日だけど、カオリちゃんは?」
「私は、月曜日と水曜日だよ。それじゃあ、108くんとは月曜日が一緒だね!」
「俺も水曜日にしようかな~!?」
心の声が漏れてしまった。
カオリ「えっ!?そうなんだね・・・」
はにかむカオリちゃんも、マジ天使!!
・・・
シンジ「お~い!108君、もう迎えに来てるよ。帰ろうぜ!」
もうちょっと、話したかったのに・・・
「それじゃ、また、月曜日!」
カオリちゃんは、笑顔で手を振ってくれた。
・・・
「108君、彼女と同じクラスになったんだ!前からタイプって言っていたもんな!それで、早速アプローチってか、ダンナ!」
そう、顔だけだったら、俺が今まであった女性では、ナンバーワン!
俺は、彼女と同じクラスになるために勉強を頑張って来た節もある。
帰宅後、木曜日から水曜日に変えてもらえるように母にお願いをしたのは、言うまでもない。
・・・
翌月曜日、塾に着くとカオリちゃんがいた。
「カオリちゃん、こんばんは!隣に座っていい!?」
カオリ「もちろん!ところで、108くんって隣町出身だよね?」
「そうだけど、カオリちゃんは?」
「私は、この塾からだと、自転車で15分くらいのところ。でも、夜遅いし、母に車で送り迎えしてもらってるの」
「でも、近所だったら、夕方のクラスでも良いよね?」
「うちは、共働きだから、母のパートが終わってからの送り迎えになっちゃうの」
「そうなんだぁ。じゃあ、来週の月曜日、1時間前に駅前で待ち合わせしない!?」
俺は、勇気を出し、彼女を誘ってみた!
「うん。いいけど、何をするの?」
「シャープペンの替え芯を買いに行きたいけど、俺、この町詳しくないから、文房具店を案内してよ!」
カオリちゃんは、クスっと笑って、了解してくれた!
・・・
To BE CONTINUED🔜