日曜日と水曜日のルーティン
【101話】
シャープペンの替え芯には興味がない。
俺の興味は、カオリちゃん。
・・・
俺たちは、駅前広場で待ち合わせをし、文具店へ。
HBのシャープペンの替え芯を購入。
その後、喫茶店に入り、シャープペンの替え芯をプレゼント。
「あ、ありがとう!別に良かったのに・・・」
俺は、冗談のつもりだったけど、とても律儀な人だと思われたかも!?
・・・
「カオリちゃんの志望校ってどこなの!?」
「私は、〇〇高校だよ!」
「へ~。地元の普通高校だよね?」
「そう、家から近いし、私の成績でも入れそうだから」
「108くんの志望校は?」
「俺は〇〇工業高校だよ!」
「え~。なんで!?108くんの成績だったら、もっと偏差値の高い高校に行けるよね!」
「俺は、将来、自動車関連の仕事をしたいから、工業高校って決めてるんだ!」
あれ!?カオリちゃんのテンションが少し落ちたような。
・・・
「カオリちゃんは、モテそうだけど、彼氏はいるの?」
俺は、思い切って聞いてみた。
もし、彼氏がいたら、諦めようと思っていた。
「ドキドキ・・・」
「私は、モテないし、彼氏もいないよ」
「108くんの方こそ、どうなのよー!?」
・・・
アオイが大阪に引っ越してから、週に2回、俺とアオイは電話をしていた。
日曜日の18時に俺がアオイに電話する。
そして、水曜日の20時にアオイが俺に電話する。
そんなルーティンが3カ月くらい続いていた。
・・・
アオイ「夏休みになったら、東京で会おうか!?」
「いいよ!中間の静岡で会おうよ!」
「実は、夏休みに東京にお母さんと遊びに行くの?1週間くらい滞在予定だから、久々に会えるね!」
俺は、久々にアオイに会えるのを楽しみにしていた。
「それじゃ、8月20日に原宿で待ち合わせしよう!!」
アオイと別れて3カ月、俺はアオイのことを忘れた日がない。
あと、1カ月半で、アオイに会える。
何を着て行こうかなぁ!?
ユキさんにお願いして、服を見繕ってもらおう。
・・・
日曜日、ユキさんと買い物に行く。
そして、ヘインズのTシャツ、リーバイス501、ニューバランスのスニーカー、ベースボールキャップ(ニューヨークヤンキース)、フェザーのジュエリーをゲットした!
野球部だった俺の頭は、坊主だったので、ベースボールキャップが一番のお気に入り!!
フェザーのジュエリーは興味がなかったけど、ユキさんがプレゼントしてくれたので、ジュエリーデビューしたみた!
あとは、タクティクスのコロンをつければ完璧だ!
あと1カ月で、アオイに会える。
俺は、アオイに電話をする。
アオイ母「ごめんね、108君、アオイは体調が悪くて寝込んじゃって。・・・また、連絡してね!」
いつも元気なアオイだけあって、心配だなぁ。
・・・
そして、水曜日もアオイから電話がなかった。
風邪が長引いているのかな!?
・・・
そして、日曜日、アオイに電話をすると、アオイ母が出た。
「108君、ごめんね。アオイは塾に行ってて帰りが遅いの。アオイには、108君から電話があったって伝えとくね!」
俺は、不安になった。
・・・
アオイは、些細なことも電話で話してくる。
ホントどうでも良いことまで、話してくる。
そんな、アオイが塾に通い始めたのであれば、報告するはずだ!?
そもそも、日曜日の18時に俺が電話するのは、ルーティンになっている。
出れないのであれば、前もって伝えてくれても良い。
不安もあるけど、アオイに対して怒りも湧いてきた。
・・・
そして、次の水曜日の20時もアオイから電話がない。
不安過ぎる俺は、たまらなくアオイ宅に電話をかけた!
「プルルル、プルルル、ガチャ!」
「アオイさんは、いますか?」
「108君、ちょっと待ってね!」
アオイは、家にいるみたいだ!?
遠くから、お母さんの声が聞こえて来る。
「108君から、何度も電話が来てるよ~」
「いないって言ってよ!」
アオイの声だ!?
俺と話したくないってこと??
「もう、いるって言っちゃったから、出なさい!」
・・・
アオイ「もしもし・・・」
とっても気まずい。
この状況で、何を話せばいいの?
・・・
「アオイ、体調はどうなの?」
「うん。あまり良くないかな・・・」
「そうか、8月20日までには、良くなりそう!?」
「うん。たぶん、大丈夫だと思う。・・・」
こんなテンションがダダ下がりのアオイは、あの日以来だ。
体調も悪そうだし、俺はすぐに電話を切った。
「お大事に。良くなったら、電話して!」
・・・
あの電話の後から、アオイからは連絡がない。
今は、めちゃくちゃ心配でしかない。
いろいろな想像をしてしまう。
でも、アオイからの連絡を持つしかない。
・・・
俺は、アオイと会うことを諦めた。
そして、8月19日の夜、アオイから電話があった。
To BE CONTINUED🔜