喧嘩両成敗なのか!?
【116話】
教室に戻るとキムラが話しかけてきた。
「108君、凄いよね!」
クラスメイトの評価は上々。
授業も終わり、下駄箱に向かう。
「108君、一緒に帰ろう!?」
振り向くと、そこにはキムラがいた。
ちょっとホモっぽくて気持ち悪いが、まぁ、いいか。
タケヨシは、ジュンジ達と話していたし。
・・・
「108君は、鍛えてるの?」
「高校入学が決まってからは、あまり鍛えてないなぁ~」
推薦入学が決まってから、ホットしたのか、俺は酒と煙草を始めた。
「ラグビー部のレベルも高そうだし、そろそろ鍛え始めようかなぁ~」
「キムラは、テニス部だっけ?」
「そうだよ。来週入部届けを出す予定だよ!新しいラケットも買ったし、今から楽しみなんだよねぇ~」
「へぇー、そうなんだ!キムラも筋トレしてるの?」
俺は筋トレマニアなので、よく聞いてしまう。
「中学生からテニスを始めて、それから毎日欠かさず筋トレはしてるよ!風邪引いた時と受験期間中以外はね!」
「見た目と違いキムラも体育会系なんだな!?」
・・・
「お~い!108ちゃん、待ってよ!?」
「おぉ!タケヨシか!?」
「一緒に帰ろうって言ったべ!」
「あぁ、おまえジュンジ君達と話してただろ?」
「声掛けてくれもいいべ?」
「そうだな、一緒に帰るか!」
「おぉよ!108ちゃん!!」
タケヨシは、人懐っこい調子のいい奴だと思った。
・・・
タケヨシがキムラを見る。
「ところで、何でお前がいるの!?」
タケヨシは、キムラを睨めつける。
キムラは何も話さないで、タケヨシの顔を見ている。
「お前のことを言ってるんだよ!キ・ム・ラ!!」
タケヨシは、キムラの頭をポンポンと叩く。
キムラはタケヨシの手を払った。
「触るんじゃなーよ!!」
キムラが吠えた!
「はぁ!?キムラのくせに生意気な口を利くなよ!お前やっちゃうよ!!」
タケヨシのこの凄味は、修羅場を何度もくぐっていると直感で分かった。
キムラはタケヨシの一方的なヤンキー台詞に一言返すのがやっとだ。
俺は、二人を止めるかどうか迷ったが、殴り合っている訳じゃないし、そもそも二人のことをまだ知らない。
そして、タケヨシが一方的に言い負かしたなと思っと瞬間、キムラが突然キレて奇声を上げながらタケヨシに殴りかかった。
キムラは、タケヨシの顔面目掛けて右のストレートを出す。
タケヨシは、パンチを掻い潜り顔面にジャブを入れる。
足のステップを使って体全体を動かしてるタケヨシ。
こいつ、ボクサーだな!?
キムラは後退するが、軽いジャブ一発が入っただけなので、キムラはひるまずにタケヨシに殴りかかる。
キムラは、素人丸出しのワンツーを出すが、ワンツーを綺麗にかわしジャブ・ジャブ・ストレートでキムラをダウンさせた。
キムラは鼻血ブーでうずくまる。
「おい!キムラ。お前もう学校に来るんじゃねぇぞ!わかったか!?」
そして、キムラに唾を吐いた。
「ゴメン!108ちゃん、帰ろうぜ!」
こいつは、気に入らないだけで人を殴り、唾を吐く。
タケヨシは、俺の小学時代よりも悪いぞ!
キムラも可哀そうだけど、最初に手を出したキムラも悪い。
喧嘩両成敗だと思い、俺はタケヨシに何も言わなかった。
明日、キムラが学校に来て、タケヨシがちょっかいを出そうとしたら、止めよう。
・・・
しかし、キムラは次の日も、その次の日も学校に来なかった。
・・・
To BE CONTINUED🔜