バラ色の高校生活とは程遠い
【117話】
キムラが学校に来なくなって三日目の朝。
タケヨシが鼻血を流しながら、教室に入って来た。
ヒロシ「タケヨシ、どーした!?その鼻?」
あれ!?もしかしてキムラの復讐か?
「さっき、駅で他校の奴らと喧嘩になって、メリケンサックで殴られてこのざまだよ」
ジュンジ「タケヨシ、鼻見せてみろ!?・・・あぁ、こりゃ、折れてるな。お前病院に行った方がいいぞ!」
「マジで!?クソっ!アイツら絶対に許さねぇ!!」
イワモト「そいつ等、どこの学校よ!?」
タケヨシ「わからねぇけど、先の学校かも?」
・・・
アクツ「俺の地元のヤンキー校だよ!」
タケヨシ「何でアクツが知ってるの!?」
アクツ「その喧嘩、俺見てたんだぁ⤴」
相変わらず、アクツの語尾上りは笑える。
イワモト「アクツ、何でオメェはタケヨシを助けなかったの!?」
アクツ「三人組の二人は地元の二個上で、メチャ怖い先輩なのでビビっちゃって・・・ゴメン。タケヨシ君」
タケヨシ「アクツ、気にするなのよ!三人組の学校だけ教えてくれ!?」
アクツ「わかった。案内するよ!」
・・・
メリケンで、殴られて鼻が曲がってしまったタケヨシは可哀そうだけど、自業自得だと俺は思った。
心の声『こいつ等は、高校生になっても喧嘩するんかい!?』
俺は一応、推薦入学してるし、問題を起こして退学だけには避けたかった・・・
ジュンジ「それじゃあ、明日、三人組の学校に乗り込むぞ!!」
そして、ジュンジは俺を方を見た。
俺はその会話に入っていなかったけど、ジュンジの机は俺の左斜め前だった。
ジュンジ「108ちゃんも行くよね!?」
・・・
俺は、何て答えるか迷った。
小学時代だったら間違いなく先頭に立って殴り込みをしていたが、もう俺は高校生。
今さら、理由もなく喧嘩するのも馬鹿らしいと本気で思っていた。
こいつ等のこと、まだあまり知らないし、復讐心が全然わかない。
キムラの一件もあるし、因果応報だよな。
俺も小学時代、ヤンチャし過ぎて中学ではかなり痛い思いをしたしなぁ~
そう、俺の高校での座右の銘は、青春を思いっきり楽しむこと!
降りかかる火の粉は払わなければならない。
友達や彼女の為なら全力で助けたいが、タケヨシかぁ・・・
「ワリィ!明日は予定があるから、俺は行けないな!」
イワモト「108、冷たいなぁ~俺たち仲間だろ!?」
そう言われても、ぶっちゃけ、仲間だと思っていない。
俺は悩んだふりをする。
・・・
タケヨシ「108ちゃん、いいよ!予定があるんだったら仕方ねぇよ!」
「おう!協力できなくてワリィな」
・・・
翌日の朝、駅で待ち伏せしてヤンキー三人組を四人でシメたらしい。
タケヨシ、ジュンジ、ヒロシ、イワモトの四人。
アクツは、隠れて見ていたらしい笑。
ハヤトとゴトウは、バンドの練習があるから断ったらしい。
まぁ、ハヤトとゴトウは、俺と同じ気持ちなんだろう。
因果応報、アイツら仕返しの仕返しをされなければ、良いのだけど・・・
・・・
入学して二週間、キムラが学校を辞め、タケヨシが鼻を折られて、目つきが悪いコウモトが二年にシメられたらしい。
コウモトは、ジュンジ達の間でも、目つきが悪いから、近々やっちゃおうぜって言われていた電気科の一年。
何だろう、この男臭さい学校は。
俺が思っていたバラ色の高校生活と違い、ここはまるで男塾。
そろそろ、恋バナでもしたい。
・・・
To BE CONTINUED🔜