自分に正直に本能のままに生きる
【124話】
オレは自信を失いかけていた。
カオリの本当の気持ちを知りたいけど、聞くのが怖い。
「とりあえず、フォアローゼスで乾杯しよ!」
水と氷を買い忘れたので、ストレート飲み。
むしゃくしゃしてオレはフォアローゼスを一気飲みする。
あれ!?カラダの中が熱くなってきたぞ!
「すごーぃ!でも、一気飲みして大丈夫?」
「大丈夫!カオリも一気飲みしてみろよ!カラダが熱くなるぜ!」
酒がまわって気が強くなったのか、カオリに対して命令口調になってる気がする。
オレ達は一時間足らずでフォアローゼスを空にしてしまった。
「カオリ、おまえろれつが回ってないぞぉ~」
「108もへんらぞぉ~」
オレのアタマもグルグルに回っている。
・・・
オレは酔った勢いで聞いてみた。
「カオリはまだアイツのコト好きなんだろ!?」
・・・
カオリは一拍半ほど置いて答えてくれた。
「付き合ってる時は好きだったけど、今は大嫌いだよ!?・・・な~に、もしかして、嫉妬しているの?」
その言葉が聞けて少しだけホッとしてる自分がいる。
「気にしてねーよ!カオリがオレのことを好きなのは知ってるし、オレがカオリのことを好きだってことカオリは知ってるよな?」
「うん!知ってるよ~カオリと108は両想いだねぇ~」
カオリはあいつじゃなくてオレを好きだってコトを今確信した!
不安がなくなった瞬間、ものスゴくカオリが欲しくなった!?
・・・
オレは勢いまかせにカオリに抱きついた。
二人とも酔っているので、いつもより大胆。
何だろうこの感覚!?
ココロとカラダが深海に吸い込まれるような。
オレもカオリもトランス状態に入っているみたいで。
・・・
オレはカオリの名前を叫ぶ!
そして、カオリも返してくれる。
「好きだよ!大好きだよ!!・・・くん」
!?
今、カオリは何て言った?
耳垢が詰まっているのかなボクは。
酔ったアタマで、カオリの言葉を思い出してみる。
ンンン?空耳じゃないよな、やっぱり、そーだよな。
だんだんと酔いが覚めてきたぞ。
・・・
「急にどーしたの!?」
どうやら、カオリは自分の発言に気づいてないみたいだ。
「ゴメン。急に体調悪いからトイレに行ってくる」
カオリは、まだトランス状態だけど、オレのことを気遣っているのがわかる。
「大丈夫!?飲み過ぎちゃったよね。背中さすろうか?」
「大丈夫だから、すぐに戻るから」
オレは落ち着かせるために湯船を浸かり、カオリの発言を何度も思い返す。
もう、酔いは完全に覚めている。
やっぱり、『シンペイくん』って言ったよね。
・・・
ベッドに戻るとカオリは大きなイビキをかいて寝ていた。
その寝顔を見たら、気持ちが一気に冷めてしまった。
もう、カオリとは一緒に居たくない。
オレはカオリをベッドに残しホテルを後にした。
・・・
その後、ポケベルが何度も鳴っていたが、オレは二度とポケベルを見ることはなかった。
それから数週間、カオリから家に電話があったけど、居留守を使って電話にも出なかった。
オレの恋は、ここで終わった。
・・・
はじめての彼女に裏切られ、二人目の彼女にも裏切られた。
オレは女子のことが分からなくなっていた。
大きなショックから、女性不信になりそうになったが、思い直した。
これからは、自分に正直に生きよう!!
そう、それが、高校生から始まるオレのスタイル。
もう、オンナの人は信じない。
本能のまま生きて行こう!
・・・
To BE CONTINUED🔜