108 Blog

If you can dream it, you can do it.

弓道部の彼女は清楚系

【125話】

 

サッカー部のシメ会は二週間続くらしい。

 

オレとタケヨシは、その間は部活に出ないと決めた。

 

○○工業で一番キツいシメ会はラグビー部。

 

何とシメ会が1ヶ月間、ほぼ毎日続く。

 

シメ会の内容もエグ過ぎる。

 

新入部員は、体育館倉庫の壁側に裸で正座をさせられる。

 

正確に言うとパンイチ(パンツ一丁)。

 

壁側を向いて正座するので、先輩達のことは見えない。

 

そこから、十数メートル付近にラグビーボールがセットされる。

 

そして、二三年が次々とボールを一年に向かって蹴り込まれる。

 

正面を向いていれば、ボールが飛んでくる軌道も分かるから、ココロの準備もできるが、後ろ向きなので、いつボールが飛んでくるか分からない恐怖がある!?

 

しかも、二三年のキックは県内最強クラス。

 

日本代表選手のキックも飛んでくる。

 

そんな怪物達のキックを1ヶ月間も浴び続けなきゃいけないので、最初の一週間で三分の一が辞め、二週間後には半分が辞める。

 

ただ、そのシメ会を一部免除してもらえるラッキーマンもいる。

 

卒業生にアニキがいるヤツは、シメ会がゆるく期間も二週間らしい。

 

ジュンジのアニキはラグビー部の中心選手だけじゃなく喧嘩も最強だったので、ジュンジはユルいシメ会だったらしい。

 

ヒロシは生意気だから、毎日ボコボコにされている。

 

あちこち傷だらけでキツそうだ。

 

キレた先輩も何人かいて、バックドロップなどのプロレス技をかけられ、そのまま病院送りの一年が絶えないらしい。

 

そんな怖い話を聞くとラグビー部に入らなくって良かったと思う。

 

・・・

 

今日も部活をサボり、ガンちゃんと下校する。

 

ガンちゃんと二人きりで帰るのは初めてだ。

 

「108は彼女いるの?」

 

「この間、別れたばっかだよ!」

 

「ガンちゃんは?」

 

「オレは三週間前に出来たよ!」

 

「マジか!?きっかけは?」

 

「駅で見かけて告ったらOKしてくれたよ!」

 

「やるねー!」

 

入学早々のアタック成功率が高いってコトが真実味を帯びてきた。

 

チンピラ度数ナンバーワンのガンちゃんの彼女は、きっと女子校の激ヤンなんだろな。

 

近所の女子高は、この辺では有名なヤンキー高校。

 

同中からは、オオタ・イクエが通っている。

 

もちろん、中学時代もヤンキーだった。

 

・・・

 

「実はオレも気になっている女子がいてさぁ~」

 

「いいじゃんか!どこの高校よ!?」

 

「○○高校の一年だと思う。二三回見かけただけだから、名前は分からないけど、遅刻しなければ、8:15着の電車に乗ってるよ!」

 

「じゃあ、明日告っちゃえよ!」

 

「おいおい、いきなりかよ!?ココロの準備が必要だよ」

 

「そんなこと言ってると、すぐに彼氏が出来ちゃうぞ!もう既にいるかもな!?」

 

「いいや!あの清楚な女子に彼氏はいないはず!?」

 

「清楚系なの?ヤンキーナンナが好きだと思ってたよ!」

 

「そのまま返すよ!ガンちゃんの彼女はもちろんゲキヤンだろ?」

 

「ちげーよ!俺の彼女は黒髪だし、ビアスも空けてねーし、制服も標準ブレザーだし、弓道を愛する清楚系だよ!」

 

えぇっ!?弓道を愛する清楚系って、もしかして。

 

いいや!?あの清楚なお嬢様がチンピラに振り向く筈がない。

 

それこそ、月とスッポンだ!?

 

・・・

 

「マジか!?ガンちゃんと清楚系じゃ釣り合わねーな!?」

 

「そりゃ言いすぎだろ!?ところで、駅で見かける子は、どんな特徴のオンナなの?」

 

「奇遇なんだけど、オレが気になる子も弓道部だよ!?ガンちゃんの彼女の友達かもよ?」

 

「マジか!?そしたら明日聞いてみるわ!何だったら108の代理でオレから伝えようか、そのオンナに?」

 

「いいよ!自分から告るから!?」

 

・・・

 

 

 

清楚系弓士とのファーストコンタクト

To BE CONTINUED🔜

 

 

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