カキヤマとダイスケ
【127話】
「見た目とか特徴とはどんな感じですか!?」
見た目はモロ貴女ですが、口が裂けても言えねぇ。
「マリコと同じ清楚系だってよ!」
「私が清楚系!?そんなことないよ~」
そーだろうね、当校と比べたら貴女の学校の生徒は皆清楚系だよね。
・・・
「そーだなぁ、マリコちゃんと同じくらいの髪の長さだったかも」
オレは適当なことを言ってみた。
「同級生はショートヘアーだから、やっぱり先輩ですね!?・・・ただ私も入部したばかりで先輩とあまり話したことないから。・・・」
「だったら、大丈夫だよ。自分で声を掛けてみるよ。マリコちゃん、ありがとう!」
「協力できなくってごめんなさい」
でも、同級生がショートヘアーで良かった。
なんとか誤魔化せたみたいだ。
「じゃあ、私は授業があるから先に行くね!」
それにしても、世の中には不思議なことがあるもんだ。
ガンちゃんとマリコちゃんのカップルは、日本七不思議にしてもおかしくない。
「ガンちゃん、とりあえず一服するか!?」
緊張感から解き放たれたオレは煙草を吸いたくなった。
「それじゃ、星川商店に行くか!?」
星川商店は、高校から徒歩3分の駄菓子屋で、煙草が吸える貴重な場所だ。
いつ行っても、誰かが煙草を吸っている憩いの場。
オレ達は飲み物を買って、奥の喫煙スペースに向かう。
店内は意外と広く、奥の庭スペースに椅子が10席ほど置いてある。
あれ!?朝一から二人もいるぞ!?
サッカー部のダイスケとカキヤマだった。
「なぁ~に、お前たちもサボりか!」
ガンちゃんは二人に話し掛けた。
「学校じゃ吸えねぇからなぁ~。ところで、ガンちゃんはサッカー部は辞めたの?」
「あぁ、ノリでやろう思ったけど、オレにはスポーツは向いてねぇな。最近地元の暴走族に入ったし」
「へ~!?ガンちゃんは確か〇〇中出身だからチームは〇〇天使だよね!オレ、〇〇連合なんだけど知ってる?」
「おぉっ!知ってるよ隣町の族だからなぁ。カキヤマだっけか!?単車は何乗ってるの?」
「オレはまだ無免小僧だから原チャに乗ってるよ!でも免許が取れたら『GS400』に乗るつもりよ!」
ガンちゃんとカキヤマは、単車の話で盛り上がってる。
・・・
こいつはタケヨシと中坊時代に因縁があったダイスケ。
悪そうな目つきの奴だなぁ。
「ダイスケだよな!?部活は行ってるの?」
「行くわけねぇじゃん!108ちゃんは?」
こいつ、オレの名前を知ってるし、いきなりちゃん付けとは距離をつめていたな。
「だよな。オレもシメ会が終わったら出るつもりだけど、ダイスケは?」
「オレも出るよ。サッカーは好きだし。・・・ところで108ちゃんはタケヨシと仲良いの!?」
「まぁ、たまに遊んでるけど。二人は仲悪そうだね?」
「いや~。中坊の時にタケヨシの中学とオレの中学のサッカー部で乱闘があってよ。
あいつの顔面ボコボコに蹴りまくってやったよ!」
ダイスケの話だと、練習試合の時に北中のタケヨシとダイキがガンをつけてきたのが切っ掛けで乱闘になったらしい。
話の流れだとヤンキー数が多い東中が勝ったのだろう。
最初にガンを飛ばして手を出したのはタケヨシ達らしいけど、ダウンしてる相手に容赦なくタコ殴りするダイスケもやり過ぎだと思った。
「108ちゃん、今日は暇してる!?」
突然、カキヤマが話し掛けてきた。
「まぁ、放課後だったら暇だけど何で!?」
「俺ん家に遊びに来ねーか?ガンちゃんも来るってよ!?ダイスケも来るよな?」
「おう!108ちゃんも行こうぜ!カキヤマの家には酒も大量にあるぞ!」
やることもないし、放課後オレたちはカキヤマの家に遊びに行くことにした。
To BE CONTINUED🔜