部長と副部長に呼び出される
【129話】
「息子達が家で暴れているので今すぐに来てください!はい。何度注意しても聞きません。はい。近所迷惑になるのでお願いします。はい。息子の友達ですが、すごい不良です。はい。よろしくお願いします!」
オレは部屋に戻り、カキヤマ母が警察か誰かを呼んだ可能性があると伝えた。
「マジかよ!あのクソ婆ァ!!ぶっ○してやる!」
キレたカキヤマは木刀を持って立ち上がるがフラフラしている。
ガンちゃんとダイスケも我関せずって感じで飲み続けている。
ただの脅しの親子喧嘩の可能性が大だが、酔っ払っているので最悪の結末もある。
オレはカキヤマの腕を引っ張り、止めた。
「何するんだよ!オレ達の親睦会を妨げる奴は誰だろうと許せねぇ~」
言ってることがチグハグしているコイツは完全に酔っているな。
「まぁ、先ずは一杯呑んで落ち着こう!」
「そうだそうだ!マブダチの酒が呑めねぇって言うのか?カキヤマぁ!」
「ナイスホローだダイスケ」とオレは心の中で叫んだ!
そして、ダイスケがカキヤマのグラスに焼酎を注ぐが酔っているのでグラスから焼酎が零れる。
オレ達は再び乾杯をし、その酒を飲み干す。
酔ったオレタチは母親の呼んだ人のことをすっかり忘れて飲み続けているが、一瞬で我にかえる。
どこからともなくサイレンが聞こえる。
サイレン音は少しづつカキヤマ家に近づいてくる。
「ヤベー!察だ逃げるぞー!!」
フラフラのはオレ達はバイクで逃走した。
警察には間一髪捕まらなかったが、カキヤマは後日警察署に呼び出され厳重注意を与えられた。
カキヤマがオレ達のことかばってくれたのでお咎めはなかった。
酒を飲むと狂暴化する奴をオレははじめて目の当たりにした。
・・・
サッカー部のシメ会が終わったとダイスケに聞いた。
俺はダイスケにタケヨシはいい奴だと説得し、3人で部活に出るようになった。
最初は、気まずそうだったけど二人はすぐに打ち解けた。
練習に出て二週間、ミニゲームが行われた。
二、三年VS一年。
オレはガタイが良いことを理由にディフェンスに回された。
試合をして思ったが、二、三年のレベルが低い。
小学時代の同級生の方が上手いぐらいだし、中学時代野球部だった俺からしても技術がとても低い。
オレは後半からミッドフィルダーを任された。
そして、次の日から二、三年に交じって一軍で練習するようになった。
一年から選ばれたのは、オレとスザキ・ケンタの二人だけだった。
オレは小学時代の貯金だけで、高一からレギュラーに選ばれてのだった。
それにして、みんな下手すぎてやる気がおきてこない。
・・・
復帰後、三週間でレギュラーに定着したオレは、試合だけ出るようになっていた。
試合前の一週間だけ練習に参加して試合に出ていた。
次第に週三、週二、週一と減り、部長と副部長に呼び出された。
「108の実力は認めるけど、このままじゃ周りに示しがつかない。真面目に練習に出て試合に出るか、練習に出ないのであれば試合には出せない!」
もちろん、試合に出ることは少しは嬉しいが、やはりチームメートが下手すぎるのでディフェンスのオレ達の負担が多くあまり楽しくない。
試合は勝つから楽しいし、チームメートでも相手チームでも、自分より上手い人がいるから頑張り甲斐や倒し甲斐がある。
監督は素人だし、部長も副部長もオレより下手だし、チームメートとして認められるのは、スザキ・ケンタとタケヨシくらいだった。
そのタケヨシは今や幽霊部員。
この頃のオレのモチベーションはゼロに近かった。
取り敢えず適当な相槌を打って、オレは部室を去った。
To BE CONTINUED🔜