はにかんだ笑顔は満点!
【130話】
久しぶりに中学時代の友達のタキタから連絡がった。
俺はタキタに会うため待ち合わせの駅に向かった。
待ち合わせ場所に行くとタキタ、リンちゃん、マドカちゃんがいた。
「あれ!?リンちゃんとマドカちゃんも一緒?」
「いや~、たまたま二人と会って一緒に遊ぼうかって!108も問題ないよね?」
白々しいタキタだが、まぁ問題ないし騙されたふりをしよう。
「108くんの髪型ヤンキーぽいね!?」
リンちゃんが早速のツッコミを入れていた。
そう、オレは最近アイパーからアイロンパーマにイメチェンをしたのだ。
アイパーは失敗したけど、アイロンパーマの完成度はまずまず。
高校に入学してからつるむ連中が変わったせいか、俺の身なりも変わっていた。
・・・
俺たちは喫茶店でメシを食いながら、思い出話に花を咲かせていた。
「まさか、タキタとリンちゃんが付き合うとは思わなかったよ」
「まぁ、五度目の正直かな。リンは108のことが好きだったし、特に五度目は告るか迷ったけど、告って良かったぜ!」
タキタは照れながら、リンちゃんの思いを語った。
「私は108君に三度も振られたし、待っていても一向に返事はないし、そんな中、五度回の告白で気持ちが揺らいじゃった。でも、今でも108くんのことは好きです。友達としてだけどね!」
何だか、少し悔しい気待ちになった。
タキタはいい奴だし、めでたいことだと思うけど。
どこかで、まだオレのことを好きだと思っていてもらいたかった。
友達として好きってことは、オレが逆に振られた感じにも思えた。
・・・
「オレはこれからリンとデートすることになったから、108、マドカちゃんをよろしく!」
「おい!?そんな話聞いてないぞ!!」
「108君、マドカは可愛いから今がチャンスだぞ!」
二人は、強引にマドカちゃんを押し付け喫茶店を出て行った。
わかり易さがかえって緊張を増した。
マドカちゃんの顔がまともに見れない。
・・・
「108くん、高校生活は楽しい?」
緊張を割って話し掛けてくれたのはマドカちゃんだった。
オレは新しくできた友達の話やサッカー部に入部した話などをした。
引かれるのが嫌だったので、話半分程度で。
「へ~とっても楽しそうだね!ところで108くんって今彼女さんはいるの?」
少しは想像していたが、早速切り込んできた。
「最近、別れちゃって。今はアローン状態だよ。マドカちゃんは?」
「私も知っての通り、アローンだよ。好きな人はいるけど・・・」
マドカちゃんは、顔を赤らめ下を向いてしまった。
もちろん、まどかちゃんは可愛いし、良い子だと思うけど。
好きか嫌いかで言ったら好きな方だし、いろんなことが頭の中をよぎる。
そうだ!高校生活は自分に正直生きようと決めたんだ!
・・・
「マドカちゃんが好きな人って誰なの?」
オレはストレートに聞いてみた。
十中八九オレだと思っていたが、違ったら滑稽だ。
・・・
「108くんが知ってる人だよ。リンとタキタ君の友達かな」
これで、99%オレだと確信した!
「それじゃ、アローンどうし付き合っちゃう!?」
・・・
何だこの間は。
「あ、ごめんなさい。トイレに行ってくる」
マドカちゃんはうつ向いたままトイレに行ってしました。
直後、オレはなんて軽いノリだったと反省した。
これじゃ、まるで遊び人のセリフだ。
それとも、オレの大きな勘違いで別の奴が好きなのか?
共通の友達だと、ケンジ、パチオ、クワタ、シンジがいる。
パチオとシンジはマドカちゃんと顔見知り程度だから、でも高校に入ってから仲良くなったのかも。
いや待ってよ、ケンジはユウコちゃんがいるし、クワタが怪しいぞ!?
オレは勝手な妄想をしていた。
それにしても、マドカちゃん遅いな。
心配したオレはトイレをノックしてみた。
「マドカちゃん、大丈夫?」
トイレの中から、すぐに返答があった。
「うん。大丈夫だよ!」
あれ!?いつもの明るいマドカちゃんの声だ。
しばらくするとマドカちゃんは戻って来た。
「ゴメンね。嬉しくて泣いちゃったから、化粧直ししてたの」
嬉しいってことはOKなのか!?
「108くん、こちらこそよろしくお願いします!」
マドカちゃんのはにかんだ笑顔は満点だった。
To BE CONTINUED🔜