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If you can dream it, you can do it.

二階からダイブ

【第35話】

 

津軽の冬は、とても寒い。

 

その日、母の住む町は大雪だった。

 

家族が寝静まった深夜。

 

母は決行した!

 

母の部屋は、2階だ。

 

ちゃんちゃんこを羽織って、こっそりと窓を開ける。

 

家族にバレたらお終いだ。

 

そとは、吹雪。

 

2階の部屋から下を見ると雪が積もっている。

 

玄関が半分くらいまで雪は積もっている。

 

とても怖かったけど、思い切って2階からダイブした!!

 

「ズズズズ」

 

雪が積もっていた事が幸いし、怪我する事なく着地!

 

まぁ、スポっと雪に埋った。

 

親父は道端から、雪をかき分け母のもとに。

 

そして、二人はハコスカに乗り込み、駆け落ちをした。

 

、、、、、、

 

駆け落ちする数か月前。

 

母は外出する事が出来なった。

 

美容院の送り迎えを、お父さんとお兄さんがしていたからだ。

 

二人を強制的に離したのである。

 

親父は何とかして母に会おうとした。

 

そして、母が勤める美容院まで会いに行き、伝える。

 

親父「俺と駆け落ちをしよう!」

 

その言葉を聞いた母は、全てを捨てる覚悟ができた。

 

、、、、、、

 

親父(少年院もたぶん県内)も母も地元から出たことが無い。

 

追って来られない、遠い町に行こうと思っていたが、知人は地元にしかいない。

 

親父は、兄貴に聞いて、ある人が埼玉県に住んで事を知る。

 

その人は、数年前まで家の近所に住んでたので、親父とも面識があった。

 

親父と母は、その人の住む町に向かって車を走らせた。

 

二人とも、お金がほとんど無かったので、下道で向かった。

 

当時の田舎道は、舗装もかなり悪く、目的地まで2日間もかかった。

 

吹雪の中、2日間の無免許運転とは、かなりぶっ飛んでる。

 

 

その時、母のお腹の中には、一つの生命があった。

 

 

 

二人の転校生

へと続く。

 

 

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