三者面談
【74話】
後日、ケンジ&パチオとゲーセンで、パンチングマシンに挑戦!
俺たちは、5ゲーム(計10発)もした。
ケンジの最高パンチ力は、137kg
パチオの最高パンチ力は、188kg
やはり、こいつは桁外れのパンチ力だ。
そして、俺の最高パンチ力は145kgだった。
・・・
やはり、コジマのパンチ力も規格外だと言うことが分かった。
キック力だったら、コジマにも負けない自信があるけど。
・・・
この日を境に俺は、背筋と腕力を今まで以上に鍛えることにした。
2年が卒業したら、コジマにリベンジだ!
・・・
2学期&3学期は、小さないざこざが絶えなかったけど、無事に終えることができた。
大人しく目立たない生活習慣が少しだけ身に付いていた。
・・・
【中学二年編】
あと1年、我慢すれば、7人のヤンキーが卒業する。
俺は、この1年間で忍耐力を身に付けていた!
言いたいことを言えないもどかしさ。
やりたいように出来ないもどかしさ。
殴りたいのに殴れない悔しさ。
リンチされても、自分を守り抜く防御力など。
こんなに自分に嘘をついたのは、小3以来だ!
こんな生活が、あと1年も続いたら、自分はどうなっちゃうのだろう?
そんな、不安の中、中2の春を迎えた。
・・・
2年になるとクラス替えがある。
ケンジ、パチオ、フユヤマ、リンちゃん、アオイちゃん、ミキと同じクラスになった。
フユヤマは、腕相撲大会4位の陸上部。
リンちゃんは、入学当初に告られたけど、いまだに返事をしてない。
とても、気まずい。
アオイちゃんは、児童養護施設で会った時以来だ。
前にもまして可愛くなっている。
ミキは、ナオエの友達で、東小出身。
家が不動産会社を経営している。
東小出身では、マツシタと同等の大金持ちだ。
・・・
2年生なり、しばらくすると、三者面談がある。
1年の時の担任は、ヤマイチだった。
国語の担当だったヤマイチは、いつも手が震えていて酒臭い。
ヤマイチが書く文字は、ミミズ文字で、ノートに写すのが大変だった。
そんな、アル中のヤマイチは退職したらしい。
さようなら!卒業式に返ってくるはずだった俺のジッポライター。
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2年の担当は、ミズノ先生。
30歳くらいの女性で、担当は数学。
印象としては、可もなく不可もなく、普通の先生だ。
三者面談は、学校で行われた。
・・・
ミズノ「入学時の偏差値は29でしたが、46まで上がっています!1年間で17も上がるのは、108君が真面目に取り組んだからです!」
おぉ!はじめて先生に褒められたぞ!!
母「この子は、私に似てバカだけど、やればできる子だと思っています」
そんなせりふ、母から聞いたのも初めてだった。
・・・
しかし、俺は自宅では、ほとんど勉強をしてない。
小学時代と変わった所と言えば、授業を真面目に受けて、宿題をやっていたこと。
まぁ、もともとが空だったので、吸収力だけはあるのだろう。
ミズノ「2年生もこの調子で勉強を頑張れば、偏差値55以上も可能です!」
・・・
母は嬉しそうな表情で、俺を諭し始める。
母「偏差値55は無理だとしても、50だったら、頑張れば出来そうだね!」
・・・
ミズノ「108くんは、行きたい高校とかは決まってますか?」
そんこと、考えこともないわー。
俺「まだ、決まってません」
ミズノ「将来、やりたいお仕事はありますか?」
俺「自動車関連の仕事がしたいです!」
・・・
母の兄と父の弟が自動車整備工場を経営している。
母の兄の工場の景気は悪いが、父の弟(四男)の工場は大繁盛している。
四男の伯父さんは、20代にして豪邸を建てた!
10代は、暴走族の頭をしていた伯父さんは、人柄も良く人脈もあった。
暴走族の頭だったことが信じられないくらい、穏やかで優しい伯父さん。
俺は、そんな伯父さんに密かに憧れていた。
・・・
三者面談は、無事に終わった。
そろそろ、真剣に将来のことを考えなくてはいけないお年頃なのかな!?
帰宅し、学習塾に通いたいと母に申し出た。
・・・
へと続く。