108 Blog

If you can dream it, you can do it.

全国指名手配

【73話】

 

ブゥーブゥーブゥー。

 

これは、ただ事じゃない。

 

ルパン三世』の登場か!?

 

・・・

 

警備員たちは、シン伯父さんを取り押さえた!?

 

えっ!

 

シン伯父さんが、警備員に連れていかれる。

 

俺たちは、啞然とする。

 

周りの人たちは、驚愕の表情。

 

・・・

 

しばらくして、シャッターが上がる。

 

アナウンスがあったが、あまりの出来事だったので、内容を覚えていない。

 

ゲン伯父さんは、銀行員と話している。

 

・・・

 

ゲン「俺は、シンが戻ってくるまで待ってるから。おまえらは、喫茶店で待っていてくれ!」

 

・・・

 

俺たちは、喫茶店で二人の帰りを待っている。

 

おやじ「シンのやつ、全国指名手配なのかもな。ユキさん、なにか知ってる?」

 

・・・

 

ユキ「私は、なにも知りません!」

 

タケミチ「シン伯父さん、このまま逮捕されちゃうのかな?」

 

おやじ「わからないけど、シンは足を洗ったって言っていたから、釈放されると思う」

 

・・・

 

待ってる間は、とても不安だった。

 

足を洗い、前向きに生きようとしている、シン伯父さん。

 

過去になにをしたのか分からないけど、許してあげて欲しい。

 

・・・

 

茶店に夕日が差し始めた。

 

・・・

 

何時間待っていたのだろう、ダブル伯父さんが戻って来た。

 

ユキ「釈放されて、良かったよ!」

 

タケミチ「お勤めご苦労様です!」

 

おやじ「シン、なにがあった!?」

 

・・・

 

シン「ヤ〇ザ時代に、俺が指揮を執った案件があって」

 

・・・

 

シン伯父さんは、言いにくそうだ。

 

そりゃそうだと思う。

 

自分の過去の悪事を、家族には話したくない。

 

・・・

 

ゲン伯父さん「シンが直接関わってないこと。ヤ〇ザを破門になったことが分かり、釈放された!」

 

チズル「シンちゃん。良かったね!」

 

ミナツ「ねぇ、おなかすいたよー」

 

・・・

 

ゲン「ミナツ。それじゃ、おじちゃんのおごりで、焼き肉でも食べに行くか!?」

 

ミナツ「うん。いくー!」

 

・・・

 

焼き肉屋では、この事件の話を誰もしなかった。

 

・・・

 

 

1年の1学期はハードだったけど、2学期はソフトを希望しています。

 

2学期になると、クラスでの立ち位置や野球部の派閥が明確になる。

 

最初は、クワタ、マツダ、マサオと一緒にいる事が多かったが、後半はケンジとパチオつるむようになった。

 

野球部では、カオルの派閥にマツオ、コジマ、オオヤマが加わっていた。

 

夏休み期間にカオルのプレハブ小屋に呼ばれたのだろう。

 

三人共、短ランにボンタン。

 

そして、ソリコミが分かり易く入っていた。

 

これが、単独の変身だったら、カオル達に焼きを入れられるからだ。

 

カオルを慕うように会話する三人の光景が物語っていた。

 

・・・

 

 

放課後、珍しくオオヤマが話し掛けて来た。

 

オオヤマ「おい!108。小生意気な学ラン着てるんじゃねえよ!」

 

カッチーン!

 

コイツ、ヤンキーデビューしたからって、いきってるな。

 

・・・

 

俺「お前の方が生意気な学ラン着てるだろ!?このメガネザル!」

 

オオヤマは目が悪いのか、メガネを掛けている。

 

まぁ、咄嗟に出た俺なりのディスりだ。

 

オオヤマ「なんだと、こ、コノヤロー!お、俺をなめてるのか!?」

 

俺「メガネザルなんか汚くてなめられねぇよ!」

 

・・・

 

トントン。

 

後方から俺の肩を誰かが叩く。

 

俺は後ろを振り返る。

 

その瞬間、頬に凄い衝撃が走る。

 

・・・

 

あれ!?

 

ラクラする。

 

体が勝手に倒れていく。

 

バタァン。

 

俺は仰向けで、俺を殴ってやつを見ている。

 

そいつは、コジマだった。

 

・・・

 

なんだ!こいつのパンチ力。

 

殴れた瞬間、意識が飛びそうになったのは始めてだ。

 

起き上がろうとしたが、足がふらつく。

 

こ、これが、足にくるってやつか!?

 

そして、頬がジンジンする。

 

・・・

 

ケンジ「大丈夫か?108」

 

パチオ「青あざになってメチャ腫れてるぞ!」

 

・・・

 

「チワース!!」

 

顧問の先生とカオルだ!?

 

異変に気付いた先生に呼ばれる。

 

「108、その頬どうしたんだ?」

 

俺「よそ見をしてたら、ボールが当たってしまいました」

 

ここ部室前出し、かなり無理がある言い訳だ。

 

先生「そうか。取り合えず保健室に行ってこい」

 

「マツオ!おまえ108と同じクラスだよな。108を保健室へ連れて行ってやれ」

 

マツオは複雑な表情をしていた。

 

・・・

 

 

マツオ「コジマ君に逆らわない方が良いよ。カオル先輩のお気に入りだし、たぶん1年で喧嘩最強だと思う」

 

俺「喧嘩最強ってパチオだろ?」

 

マツオ「確かにパチオは規格外だけど、あつは喧嘩しない穏健派だからな」

 

「こないだゲーセンで、パンチングマシンしたんだけど。コジマ君、180kgも出したんだぜ!あれも規格外だよ。俺なんか最高110kgだし」

 

パンチングマシン!?

 

やったことないけど、今度やってみよ。

 

・・・

 

 

 

三者面談

へと続く。

 

 

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