108 Blog

If you can dream it, you can do it.

公園のベンチで

【第45話】

 

俺は、今まで、まともに勉強をした事がない。

 

親からも強制された事がない。

 

無気力状態の俺は、教材の問題を解き始める。

 

が、殆どの答えが解らない。

 

しかし、この『まなびやの門』は、丁寧な解説文があった。

 

俺は、解説文を読んで、解答欄を埋める。

 

、、、、、、

 

どれくらい時間が経ったのだろうか。

 

俺は、母に呼ばれるまで、勉強をしていた。

 

勉強をしている間は、トモオ君のことを忘れられた。

 

、、、、、、

 

 

そんな、ある日の下校時。

 

女子に声を掛けられた。

 

俺が、女子に声を掛けられるのは、珍しい。

 

女子「あのぉ、108先輩」

 

この女子、見た事がある!?

 

「私のこと覚えてますか?」

 

5年生の時に、ラブレターをくれた女子だ。

 

俺「うん。覚えてるよ」

 

女子「あぁ。良かった!」

 

「ところで、手紙。読んでくれましたか?」

 

めちゃ前の手紙のことを今頃、、、

 

と思いながらも、俺は嬉しかった!

 

何故なら、彼女は、スラっとした綺麗な女子になっていたからだ。

 

急にドキドキし始めた。

 

何て答えよう。

 

、、、、、、

 

俺「手紙読んだよ。ありがとう」

 

「返事をしようと思ったけど、忙しくて。ごめん」

 

意味不明なことを言ってしまった、、、

 

、、、、、、

 

女子「あのぉ、返事はいつでも良いです」

 

こんなに待たせたのに、いつでも良いって、、、

 

この子、かわいいな。

 

俺「このあとって、なにか予定ある?」

 

女子「ないです!」

 

俺「じゃあ、公園に行こうか!?」

 

彼女は、笑顔で頷いた。

 

公園までの道中、彼女の名前を思い出していた、、、

 

名前は、〇〇ユウコ。

 

フルネームで覚えている笑。

 

でも、名前を呼ぶのが恥ずかしいし。

 

俺の勘違いで、違う名前だったら、どうしよう。

 

とか考えている内に公園に着いた。

 

空いてるベンチがあり、そこに腰掛ける。

 

ユウコちゃんは、少し距離を取り、俺の隣に座った。

 

また、ドキドキしてきたー!!

 

沈黙が続く。

 

1分、2分、、、

 

何か言おうとするけど、何を話せば良いかわからない。

 

お互いの沈黙が続く。

 

この長い沈黙を破ったのは、ユウコちゃんだった。

 

「108先輩のこと。なんて呼べばいいですか?」

 

照れてるところがかわいい。

 

「い、108君でいいよ」

 

「俺は、なんて呼べばいい?」

 

、、、、、、

 

「ユウコって呼んでください!」

 

俺は、妹以外の女子を呼び捨てで呼んだ事がない。

 

俺「うん、わかった!」

 

、、、、、、

 

それから俺たちは、たわいもない話をしたと思うが、内容は殆ど覚えてない。

 

1つ覚えてる事は、最後まで『ユウコ』って呼べなかったこと。

 

、、、、、、

 

 

次の日も、ユウコちゃんは、校門で待っていた。

 

家の方角が、途中まで一緒なので、途中まで一緒に帰った。

 

毎日じゃないけど、そんな日が週2回くらいあった。

 

公園で、たわいもない事を話したり、駄菓子屋に寄ったりして、、、

 

そんな日々が2か月ぐらい続いた。

 

、、、、、、

 

 

今でも、トモオ君の事を思い出すと悲しくなる。

 

でも、ユウコちゃんと一緒にいる時は、楽しい!

 

家に帰り、1人になると、また悲しくなるので、俺は勉強をした。

 

 

 

お前の心は腐ってる

へと続く。

 

 

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