プレハブ小屋に居たのは
【56話】
『春休み』
俺は、ミナツと留守番をしていた。
「プルルルル、プルルルル」
電話の着信音が鳴る。
「もしもし、○○です」
「108君いますか?」
「俺だけど、誰?」
「ナカタだよ」
ナカタが俺に電話!?
「どーしたの?」
「これから出てこれる?」
卒業したから、リンチのリベンジか!?
「えっ、なんで?」
ナカタ「先輩から呼び出し食らって、108も連れて来いって言われちゃって」
「先輩って誰?」
「俺もオカベから電話があって。誰だかわからないんだよ」
「行かないとダメなの?」
「来なかったら、中学でボコボコにされるってよ!」
「マジかよ。行きたくねぇな」
「じゃあ、30分後に中学校で待ち合わせな」
中学校に着くとヒデキもいた。
呼ばれたのは、ナカタ、オカベ、ヒデキ、俺の4人。
不安でしかない。
ヒデキ「オカベ君、誰が俺たちを呼んだの?」
オカベ「俺もわからない。聞いた事のない奴から電話があって、中学校まで4人で来いって言われた」
校門で待つこと5分。
向こう側から、学ランを着たヤンキーが歩いて来る。
「おい!おまえらか!?」
誰!?
ソリコミ、キンパツ、タンラン、ボンタン。
バリバリのヤンキーなのは、わかるけど誰?
3人の反応から見ると誰も知らないみたいだ。
・・・
「俺は、2年のシロヤマだ!お前ら、俺の後を付いて来い!」
俺たちは、シロヤマの後を自転車で追いかける。
・・・
シロヤマは何も言わず、ペダルを回す。
もう20分は走っている。
見たこのない景色だ。
・・・
俺たちの小学校は、町の西側にある。
向かっているのは、東側だ。
シロヤマは、東小出身だと言うことが分かった。
・・・
中学校を出て30分、族車が置いてあるプレハブ小屋前で止まった。
そこには、族車や改造された原チャリが停まってる。
『湘南爆走族』で見たことがあるぞ!?
シロヤマがプレハブ小屋のドアを開ける。
嫌な予感しかしない。
部屋の中には、6~7人のヤンキー。
煙草の煙で、顔が良く見えない。
ソリコミ、パーマ、キンパツ、タンラン、ボンタン、アンパン!?
が見えてきた。
俺は、最後に部屋に入る。
ソリコミパーマ「おう!コイツが〇〇108か!?」
「そう、コイツだよ!」
・・・
そこに居たのは、クロタニだった!?
ソリコミパーマ「おまえら、突っ立ってなくて、座れよ」
俺たちは、座った。
クロタニ「108は、正座な!」
クロタニは、バリバリのヤンキーになっていた。
へと続く。