スタメン発表
【49話】
夏休みの練習は、とてもキツイ。
昼休み以外、水が飲めない。
干乾びる寸前まで、練習を続ける。
毎日、2~3人は、体調を崩している。
その間、日陰で休めて水分補給まで出来る。
そいつ等を見る度に、俺は羨ましいと思ってしまう。
でも、仮病を使った事は、今までに一度もない。
何故なら、横を見ると皆が苦しそうにしてるからだ。
オカベもヒデキもキツそうだ。
俺だけ、ギブアップする訳にはいかない!
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偉そうな事を語ってみたけど。
練習をサボった事は、数えきれないほどある。
最近になって、少しだけ後悔をしている。
もっと、頑張っていれば、俺も今頃は、、、
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『サッカー大会の当日』
早朝5時、オジサン父の車で学校へ。
試合の日は、父兄やコーチが車を出してくれる。
学校に着くとバスが停まっている。
今回の大会に参加できるのは、6年生が20人、5年生が4人、4年生が1人。
松山先生、コーチ2人、父兄多数で、東京会場に向かう。
選手達は、コーチが運転するバスに乗る。
俺の友達は、オジサンだけなので、ニコイチシートに座る。
周りを見渡すとチビッ子が一人いる。
身長は、135cm前後で色黒。
コイツの顔、どこかで見た事あるな!?
俺「オジサン、あの色黒チビの名前ってわかる?」
オジサン「アイツは、4年生のクロタニだよ」
クロタニって、エースストライカーだった、あのクロタニの弟!?
クロマニョン人似の色黒と言えば、クロタニ。
因みに俺は、ジャワ原人に似ている笑。
思いっきり、サルゴリラだ。
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大会会場には、7時半に到着。
場所までは、覚えてないけど。
サッカーコートが4面もあり、照明まである。
しかも、初の芝生のコート。
テンション爆上がりだ!!
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アナウンス「選手の皆さんは、Aグランドに集合してください!」
俺達は、2列縦隊で並ぶ。
キャプテンのナカタは、プラカードを持たされている。
ぞろぞろ、選手が集まって来る。
どのチームも強そうだ!
チーム数は、全16チーム。
東京都代表が15チーム。
そして、特別推薦枠として、埼玉県代表1チーム。
松山先生の大きな力がない限り、あり得ない事だ!
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選手宣誓と大会主催者の話が終わり、いよいよ試合が始まる。
『スタメン発表』
選ばれる訳ないと解っていながらも、どこかで期待する俺。
ゴールキーパー、バフ。
順番に名前が呼ばれる。
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11人のスタメンの中には、俺の名前は無かった、、、
スタメンは、全員6年生だった。
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次に呼ばれるのは、ベンチ入りの7人。
それ以外は、雑用と応援にまわる事になる。
雑用もしたくないし、応援もしたくない!
この頃の俺は、超我がままでだった。
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ベンチ入りの名前が呼ばれる。
松山先生「108」
俺の名前が最初に呼ばれた!
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そして、5年生が1人。
最後に4年生のクロタニが呼ばれた。
オジサンは、残念ながら、選ばれなかった。
へと続く。