108 Blog

If you can dream it, you can do it.

トイレでジッポライターを没収された

【67話】

 

ケンジ&パチオがいるからから、最近は部活に出るのが楽しい!

 

先輩もちょっかいを出してこないし、顧問の先生も優しい。

 

俺の基準は、松山先生だから、すごく優しく感じる。

 

ド素人なので、野球の上達も早い気がする。

 

・・・

 

 

放課後の下駄箱にて。

 

マツダ「108、今日も一緒にキャッチボールしようぜ!」

 

俺「今日は、カーブを投げるから、しっかりキャッチしろよ!マツダ

 

下駄箱に上履きを入れ、運動靴に履き替える。

 

「おい!」

 

振り向くと二人の男が立っている。

 

クロタニ&シロヤマだ。

 

できることなら、卒業するまで会いたくない二人。

 

・・・

 

マツダ「シロヤマさん、チワース!」

 

マツダは、二人に会釈をする。

 

「108、俺、先に行ってるな」

 

マツダが去り、2対1の状況。

 

クロタニ「108、おまえ、サッカー部に入れって言ったよな!」

 

・・・

 

クロタニ「まぁ、いいや。こっちに来い!」

 

シロヤマは相変わらず、ニタニタしている。

 

俺は、二人の後をついて行く。

 

・・・

 

ここは2階、2年生のフロアだ。

 

そして、2年のトイレに入る。

 

トイレには、良い思い出がない。

 

・・・

 

先週もトイレで、ジッポライターを先生に没収されたばかりだ。

 

俺は、中学生になってから、雑貨を集めることにハマってた。

 

・・・

 

 

この、ジッポライター良いな!

 

「ジジッ。ッテー!!」

 

これは、面白いジッポライターだな。

 

明日、学校に持って行こう。

 

・・・

 

 

翌日、1年トイレで、ジッポライターをマツダに渡した。

 

マツダ「なに?ここでタバコ吸うのは、まずいでしょ!」

 

俺「いや、火を付けてみてよ」

 

「ジジッ。ッテー!!」

 

俺は笑う。

 

マツダ「電気が走ったぞ!このライター」

 

そう、このライターは、指先から肩にかけてビリッと電気が走る、稲妻ライター。

 

マツダ「いやー。だまされたよ!放課後、ケンジやパチオにも仕掛けようぜ!」

 

マツダは、このライターが気に入ったようだ。

 

・・・

 

トイレのドアが開く。

 

そこには、担任の先生『ヤマイチ』がいる。

 

俺は、咄嗟にライターをポケットに入れた。

 

ヤマイチ「108、ライターを持っているな?」

 

誰かがチクったみたいだ。

 

俺は、素直にライターを出す。

 

ヤマイチ「タバコも出せ!」

 

・・・

 

タバコは、持っていません。

 

ヤマイチ「嘘をつくな!ポケットの中を見せてみろ」

 

俺は、学ランの両ポケットとズボンのポケットの中を出して見せた。

 

・・・

 

ヤマイチ「学ランの裏ポケットも見せてみろ!」

 

俺は、ボタンを外し、裏ポケットを見せようと学ランを開いた。

 

ヤマイチ「そ、その学ランは、学校指定じゃないな!?」

 

そう、この学ランは、裏地がムラサキの変形学ラン。

 

・・・

 

俺「先日、自転車でコケて学ランが破けちゃって。子供の頃から貯めているお年玉貯金で新しい学ランを買いました。でも、もう貯金がないので3着目は買えません!」

 

・・・

 

まぁ、半分当たっているが、真実じゃない。

 

・・・

 

俺は、長々と言い訳をして、最終的にヤマイチが折れた。

 

・・・

 

ヤマイチ「このライターは、卒業式の日に返してやる!」

 

そう言いながら、ヤマイチはジッポライターに指を掛けた。

 

「ジジッ。ッテー!!」

 

ヤマイチは、飛び上がって、尻餅をついた。

 

そして、ライターをトイレの床に落とした。

 

「なんじゃ!これは!?」

 

それにしても、ビックリし過ぎた。

 

俺たちは、笑いをこらえるに必死だった。

 

でも、ヤマイチ先生がショック死しなくて、本当に良かった。

 

・・・

 

 

クロイワ「シロヤマ、ちょっと外で見張ってて!」

 

シロヤマ「りょーかい!」

 

・・・

 

クロイワ「おまえ、カオルにやられたみたいだな」

 

もう、勘弁してもらいたい。

 

「今日は、俺の番だな!」

 

勝手に順番を決めるな。

 

クロイワのパンチが飛んで来た。

 

俺は、両腕でガードする。

 

クロイワは、ジャブとストレートを交互に打ってくる。

 

完全にボクシングスタイルだ!

 

そして、時々、右のミドルキックが飛んでくる。

 

膝を上げて、ミドルキックをガードする。

 

クロタニの動きが手に取るようにわかる。

 

カウンターを入れて、ボコボコにしたいが、それが出来ない。

 

・・・

 

「はぁはぁ、はぁはぁ」

 

クロイワの息は荒くなり、とても苦しそうだ。

 

もう、3分くらい殴り続けているので、クロイワはヘトヘト。

 

3発、顔に入れられたが、はっきり言って痛くない。

 

しかし、俺は殴られながら、効いてるフリを演じた。

 

クロタニが満足するからだ!

 

・・・

 

クロタニ「俺が卒業するまでの間、おまえを殴り続けるから、覚えとけよ!」

 

そう言い残し、クロイワはトイレを出て行った。

 

 

 

悪女とスリルジャンキー

へと続く。

 

 

1話からみる