108 Blog

If you can dream it, you can do it.

チワース!チワース!チワース!

【61話】

 

入学してから2週間、7人のヤンキーとは、まだ会っていない。

 

授業が終わり次第、ダッシュで帰宅している。

 

そして、1年生の教室は1階だから、下駄箱に直行できるからだ。

 

入学式以来、マツシゲからの呼び出しもない。

 

このまま卒業まで、トラブルがなければ、良いのになぁ。

 

・・・

 

 

昼休み、クワタとだべってる。

 

「俺は野球部に決めたけど、クワタは?」

 

・・・

 

「〇〇108君、ちょっといい?」

 

マツダが声を掛けていた。

 

マツダは、ニコニコしている。

 

なにかを企んでるな、コイツ!?

 

・・・

 

俺「マツダ、俺に何か用か?」

 

マツダ「108君、野球部に入るの?」

 

俺「そーだけど」

 

マツダ「俺も野球部なんだ!今日の部活一緒に行かない?」

 

あんなことがあったのに馴れ馴れしいやつ。

 

俺は、期限ギリギリまで迷っていたので、入部が遅い。

 

マツダや他の1年は、先週から部活に出てるみたいだ。

 

一人で行くより、マツダと一緒の方が良いかもな。

 

「いいよ。一緒に行こう!」

 

・・・

 

 

放課後、マツダとグランドに行くと、何人かの生徒がいる。

 

マツダ「俺と同じクラスの〇〇108君」

 

マツダは、俺のことを紹介してくれた。

 

「カミヤです。よろしくね!108君はポジションはどこなの?」

 

俺「野球は素人だから、わからない」

 

カミヤ「えっ!マジで!?」

 

・・・

 

1年が、次々とグランドに集まって来る。

 

その都度、マツダが俺のことを紹介してくれた。

 

マツダの話だと、1年の部員は25人もいるらしい。

 

しかも、俺以外は、みんな東小出身の経験者。

 

・・・

 

 

西小は、サッカーが強い。

 

関東ベスト4の強豪だ!

 

東小のサッカー部は、地区予選1回戦負けの弱小チーム。

 

 

東小の野球部は、地区予選4回戦程度だったらしい。

 

ちなみに西小には、野球部はなかった。

 

 

それにしても、西小出身が俺だけって寂しい。

 

・・・

 

 

マツダの紹介は続く。

 

マツダ「彼はコジマ君。前の学校では、エースだったみたいだよ!」

 

中学からの転校生みたいだ。

 

それにしても、めちゃくちゃガタイがいいな。

 

腕もプロレスラーみたいに太い。

 

野球帽を頭にチョコンとのせている。

 

被り方にクセがあり、ソリコミが入っている。

 

いずれにしても、悪ガキ特有のオーラが全開のやつだ!

 

・・・

 

 

遅れて、先輩がグランドに入って来る。

 

「チワース!」

 

1年生が上級生に挨拶をする。

 

なに!?このダサい挨拶。

 

マツダ「先輩には、チワースって挨拶するんだよ」

 

それにしても、上級生も知らないやつばかり。

 

もしかして、おれ以外、全員が東小出身なのか?

 

・・・

 

 

「チワース!チワース!チワース!」

 

今日一番の『チワース』だ!

 

主将のお出ましか!?

 

それとも顧問の先生か!?

 

・・・

 

 

頭の上にチョコンと野球帽がのっている。

 

しかも、斜めに被ってる。

 

あれ、どこかで見たことがある。

 

・・・

 

こいつは、7人のヤンキーの一人。

 

プレハブ小屋の主。

 

カオルだった。

 

 

 

三人のヤ〇ザ

へと続く。

 

 

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