幻のゴールデンコンビ
【47話】
『お前の心は腐ってる』ってるって、どういう意味ですか!?
自分の部屋で考えていた。
、、、、、、
松山先生から、サッカーのセンスがあるって言われたこと。
今、思えば、少しだけ嬉しい。
けど、お前の心は腐ってる!
この言葉が、ループし続ける。
俺は、ダメな人間なのか?
悲しい、悔しい、情けない。
そんな感情は、今までに何度も思ったことがあるけど。
この判らない感情は、初めてだった。
、、、、、、
翌日、部活に出るかどうか迷っていた。
松山先生は、もちろん。
サッカー部、全員に俺の心は腐っていると思われている。
たぶん、、、
人に見られるのは、慣れてるけど。
そう思われてるが嫌だった。
、、、、、、
それとも、俺に部活を辞めてもらいたいのか?
色々なことが、頭の中を交差する。
、、、、、、
俺は憂鬱になり、学校に行くのも嫌になっていた。
朝食を食べ終え、玄関に向かう。
靴を履き、ふと横を見る。
そこには、サッカーボールがあった!?
このサッカーボールは、一度も使用したことのない。
見た目は、汚いし、使い込まれている感じのサッカーボール。
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トモオ君が亡くなってから、数週間後。
家の電話が鳴った。
母「はい!〇〇です!」
母が電話に出るとの声のトーンが高すぎる!
なんで、こんなに声が変わるのかが不思議だ。
母「108、トモオ君のお父さんから電話だよ」
えっ、トモ父から!?
なんだろ?
俺「はい、はい。わかりました。明日の10時に行きます!」
、、、、、、
翌日、トモオ君の家に自転車で向かった。
「ピンポーン!」
トモオ父「わざわざありがとうございます」
俺は、トモオ君の部屋に通された。
トモオ君の部屋は、少し散らかっていた。
学習机の上には、アルバムが置いてある。
トモオ父「ここを引っ越す事になって。トモオの私物を整理してる所です。良かったら108君、トモオの私物をもらってくれますか?」
昨日の電話で、渡したい物があるって話してたけど、トモオ君の私物だった。
もらうって言っても、何をもらえば良いか解らない。
俺が困惑してると、サッカーボールを手渡された!?
トモオ父「このサッカーボールは、静岡県の大会で、トモオが初優勝した時。ご褒美でプレゼントした物なんだ」
、、、、、、
「私が持っていても仕方がないから、108君に使ってもらい!トモオも喜ぶと思う」
俺は、そのサッカーボールを受け取った。
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トモオ父にもらったサッカーボール。
トモオ君が大事にしていたサッカーボール。
、、、、、、
トモオ君は、中学生になったら、サッカー部に入りたいと言っていた。
お父さんに遠慮していたと思う。
クラブチームやサッカー少年団は、月謝が掛かる。
しかし、中学校の部活には、月謝が無い。
お父さんもトモオ君にサッカーを続けさせたいと思っていたと思う。
、、、、、、
俺は、このサッカーボールを見た時、思い出した!
トモオ「中学生になったら、サッカー部に入って、試合がしたい!」
俺「いいね!コンビを組もう!!」
トモオ「じゃあ、俺が翼で。108君が小次郎な!」
って、ライバルチームだし笑。
そんな、約束を思い出した。
、、、、、、
俺は、トモオ君の分もサッカーを続けよう。
そう思ったら、ヤル気がこみ上げてきた!
へと続く。