ミッションは成功!?
【85話】
お父さんの話をしないってことは、もう亡くなっているのかな。
それとも、訳ありなのかな?
・・・
俺「お母さんに彼氏がいるってことは、離婚したってことなの?」
・・・
アオイの表情が暗くなる。
「そうだよ。私が5年生の時」
・・・
俺「そうなんだ。それは、残念だったね」
・・・
アオイ「ごめん。ちょっとお手洗いに行ってくるね」
アオイは、暗い表情のまま部屋を出て行った。
お父さんのことは、聞いちゃいけなかったみたいだ。
あんな表情のアオイは、二度と見たくない。
もう、家族の話を振るのは、やめよう!
・・・
5分くらいして、アオイが戻ってきた。
いつものアオイに戻っている。
アオイ「そろそろ時間だけど、30分延長しようか!?」
俺には、アオイが無理に明るくふるまっているように見えた。
俺「そうだね!X JAPAN!歌っちゃう!?」
俺たちは、紅とENDLESS RAINを熱唱した♪
・・・
俺は、アオイを家まで送って、バイバイした。
今日は、ミッションどころじゃなかったけど、アオイの家族のことが少しだけ知れて嬉しかった!
・・・
昼休みの教室。
タキタ「108君、噂で聞いたけど、アオイちゃんと付き合っているの?」
耳元で小さな声で、話し掛けてきた。
俺「付き合ってないけど、なんで、そんなこと聞くの?」
タキタ「昨日、リンちゃんが二人がミスドから出てくるの見たって言ってたよ!」
あれ!?バレちゃったか。
しかも、リンちゃんに見られた!?
リンちゃんには、いまだにちゃんと返事ができてない。
・・・
俺とアオイには、二人だけのルールがある。
その1、付き合っていることは、秘密にすること。
理由としては、中学校と児童養護施設のルールで、不純異性交遊が禁止されている。
当校でも、カップルは数組いるけど、先生は見て見ないふりをしているのが現状なんだけど。
アオイは、推薦枠での高校進学を目指している。
内申に響くので、秘密にすることにした。
俺とアオイが付き合っていることを知っているのは、クワタだけだ。
クワタは、信用できる男なので、外部に漏れることは無いと思う。
・・・
その2、浮気をしないこと。
以上の二つがオレタチルール。
・・・
俺「タキタ、お前って約束を守れるタイプの男?」
タキタ「口が堅い男!ナンバーワン!は俺っちよ!」
こいつは、胡散臭過ぎる。
信用できない男かもな。
でも、バレてるし、言っても無駄だと思うが、契約を結ぼう。
俺「俺は、口が堅い男!タキタ!お前を信じて話すぞ!」
タキタの目は、キラキラと輝いている。
・・・
俺は、タキタにアオイと付き合ってることと『ルールその1』を話した。
タキタ「そうだと思ったよ!二人はお似合いのカップルだよ!俺は二人を祝福するよ!!」
俺「サンキュー!ところで、タキタとリンちゃんは、仲がいいの?」
タキタ「リンとは、幼馴染なんだよね!あいつ小五の時から、108くんのファンなんだぜ!応援してやりたかったけど、彼女がいるんじゃ、しゃーないな!リンには、俺から上手く言っとくよ!」
俺「いや、長いこと待たせちゃったし、俺からリンちゃんに直接話すよ!」
タキタ「そうか、わかった!それじゃ、俺がセッティングするよ!それと、108君のこと『108』って呼び捨てで呼んでいいか!?」
タキタは、とても話しやすいやつだ!
こんな話しやすいヤローは、トモオ君以来だ!
まぁ、気が合うってことだけど、タキタはたぶんだけど良いやつだと思う。
俺「もちろん!秘密を共有する仲だし、今日から俺たちダチな!」
タキタ「おう!よろしくな!108!!」
・・・
その日の部活終わり、三人で教室で会うことになった。
俺は、野球部の補欠。
タキタは、陸上部の補欠。
リンちゃんは、バレー部のエースで、副キャプテン。
・・・
俺は、学ランに着替えて教室に向かう。
教室には、タキタがいた。
タキタ「108!オツカレーライス!」
俺「オツカレーウドン!」
メンズの挨拶は、とてもくだらない笑。
タキタ「リンが来たら、俺は席を外すな!」
・・・
タキタ「それにしても、108って『久保田利伸』にそっくりだよな!?」
「俺って、そこまで、サル顔かな?」
俺は、サル顔なのが、昔からコンプレックスだった。
タキタ「久保田利伸って歌うまいし、カッコいいと思うぜ!確かにサル顔だけど!今度4人でカラオケ行こうぜ!!」
「ガラガラガラ」
教室のドアが開く音がした。
タキタ「リン!オツカレーライス!」
リン「サトシ!オツカレークック!」
あれ!?聞き間違いか??
オツカレークックって、リンちゃんって、そんなノリの女子なの?
リン「108くん、来てくれてありがとう!」
タキタ「じゃあ、俺は、そろそろ、おいとまさせていただきやんす!」
ツッコミどころ、満載だけど、俺は極度の緊張状態。
俺「おう!またな!」
リン「サンキューサトシ!バイナラね~!」
いまどき、アラレちゃんかよ!?
・・・
俺は、リンちゃんのギャップにいろいろな意味でやられていた。
・・・
俺「リンちゃん、呼び出してゴメンね!」
リン「こちらこそ、しつこくてごめんなさい!」
俺「今日は、リンちゃんに話したいことがあるんだけど、聞いてもらって良いかな?」
リン「うん」
・・・
To BE CONTINUED🔜