無罪判決!?
【86話】
「返事が遅くなってゴメンナサイ!」
いざ言おうとすると、言葉が出てこない。
・・・
リン「108くんとアオイちゃんって付き合ってるの?」
なかなか話さない俺にしびれを切らせたのか、直球で聞いてきた!
そうだよね、1年の1学期に告白されて、今は2年の2学期も終わるところ。
ハッキリさせたいよね。
俺「付き合ってるよ。ちゃんと返事ができなくてゴメンナサイ!」
・・・
リン「そうなんだね、ちゃんと振ってくれてありがとう!」
・・・
リン「108くんに提案があるんだけど、私と友達になってくれませんか?」
えっ!友達って、どーゆーこと!?
なんて答えて良いか分からない。
・・・
リン「友達って言っても、サトシやアオイちゃんも誘ってみんなで一緒に遊んでみたいなぁーと思っただけだよ。別に変な意味はないから」
そーゆことね!
俺「なーんだ!そーゆことね。それだったら、友達としてよろしくお願いします!」
・・・
金曜日の夕方。
俺とアオイは、金曜日の夕方と日曜日に会うことがルーティンになっていた。
金曜日の部活は、ミーティングや軽い練習で終わることが多いので、アオイと2時間くらい会える。
待ち合わせ場所の公園に行くと、アオイはベンチに座っていた。
俺「おまたせ。寒かったよね!?」
アオイは、無言でコートからおしるこを出し、俺に差し出した。
ちょっと冷めたおしるこ缶。
おしるこって、チョイスが渋い。
俺は、甘いものがあまり得意じゃないが、アオイは、俺が甘いものが好きだと思い込んでいる。
寒い日は、コンポタが飲みたいと、心の中でつぶやいた。
「お、おしるこ。サンキュー!」
俺は、アオイの隣に座った。
今日のアオイは、どことなく元気がない。
「アオイ、元気ないけど、なにかあったの?」
・・・
アオイ「108くん、私に話すことはないの?」
!?
・・・
あぁ、きっと、リンちゃんのことだな!?
俺は、リンちゃんから告白された話をアオイにしていない。
それは、アオイに心配をかけたくないから。
・・・
これは、俺から言わないといけない雰囲気だな。
でも、どこまで話して良いものなのか!?
発信源は、タキタかリンちゃんしかいない。
タキタが話したとは、思いたくない。
だとしたら、リンちゃんの可能性が高い。
リンちゃんは、どこまでアオイに話しているのか!?
告白のこと?それとも友達協定のこと?
・・・
俺は、まずは、友達協定のことを話した。
「俺、最近タキタと仲がいいじゃん!タキタとリンちゃんが幼馴染で、二人は仲良しじゃんか。リンちゃんとタキタが、俺とアオイと4人でカラオケ行きたいって、言ってたじゃん!」
俺は、やましいことがあると語尾に『じゃん!』がつくらしい。
言葉のチョイスも支離滅裂だ。
アオイ「へ~、タキタ君とリンちゃんは、幼馴染だから仲良しなんだ」
俺「そうなんだよ!二人は、俺とアオイと友達になりたいってよ!」
アオイ「そうなんだ。でも、私はあまり友達になりたくないなぁ~」
・・・
俺「なんで?タキタは良いやつだよ!」
アオイ「・・・」
リンちゃんは、アオイに何を話したんだ!?
・・・
沈黙が、とてもこわい。
・・・
アオイ「108くん、私たちの約束を覚えてる?」
「お、覚えているけど」
アオイ「それじゃ、言ってみてよ!」
普段は、おっとり系なのに、今日のアオイには迫力がある!
これは、怒ってるな。
・・・
「その1、二人のことは秘密にする。その2、浮気をしないこと」
!?
あぁ、その1のことか!
でも、そもそも、その1は、俺から話した訳じゃない。
たまたま、ミスドにいるところを見られて、リンちゃんにバレただけだ。
俺は、なにも悪いことは、していない。
そう思ったら、なんで、俺がアオイに責められなくてはならないのか!?
なんだか、少し腹が立ってきた。
・・・
俺「ミスドで会っていることが、リンちゃんに見られて。リンちゃんからタキタに伝って。バレちゃったことは仕方がないので、他言しなことを条件で、二人のことをタキタに話しちゃった」
・・・
アオイは、まだ怒っている。
・・・
「アオイは、何が不満なの?」
アオイ「なんで、そのことを私に話してくれなかったの?」
あぁ、それで怒っているのね。
「ごめん。言おうとは思ったけど、アオイに心配をかけたくなかったから、言わなかったんだ!」
アオイ「そうなんだ。それは理解できたけど。リンちゃん、108くんに告白したよね!?」
あれ!?マジで!フツー告白したことをアオイに話すか!?
・・・
俺「それこそ、アオイに心配かけさせたくなかったんだよ!」
・・・
アオイ「そっか。でも、なんで、リンちゃんと友達になるの?」
ンンン~
・・・
俺は、最初から、全てをアオイに話した。
もう、1時間以上は話している。
学ランだけだと、メチャ寒い。
日もすでに暮れて、おしるこは、コールドだ。
・・・
アオイ「話は、わかったけど、クリスマスパーティーには、行かないからね!」
ガーン!を心を込めて作ったマグカップが・・・
「俺たちのクリスマスパーティーは、中止ってこと!?」
アオイ「そうじゃないよ。クリスマスイブの日にリンちゃんの家でクリスマスパーティーするんでしょ!?リンちゃんから、二人で来てねって誘われたの」
「えっ!なんのこと!?おれは誘われてないよ。そもそも、クリスマスイブは、二人で過ごすつもりじゃんかー!」
!?
リンちゃんが何を考えてるのか、俺には理解ができない。
・・・
それから、延長すること15分。
・・・
無罪が確定した!
To BE CONTINUED🔜