108 Blog

If you can dream it, you can do it.

決戦は日曜日

【81話】

 

それから、タキタは昼休みになると、リンちゃん情報をマメに伝えてくる様になった。

 

毎日、リンちゃん話を聞いてると、リンちゃんのことが気になり始めてきた。

 

授業中、リンちゃんが先生に指されるとチラ見してしまう。

 

これは、恋なのか?

 

それとも、洗脳的な勘違い?

 

・・・

 

それを確かめるには、アオイちゃんしかいない!

 

俺は、もともとアオイちゃんが気になっていた。

 

タキタの吹込みがなければ、アオイちゃんオンリーだ!

 

俺は、久しぶりにクワタに会いに行った。

 

・・・

 

昼休み、クワタの教室に行く。

 

「クワタ、久しぶり?」

 

クワタ「おう!久しぶり」

 

「ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」

 

・・・

 

 

俺は、アオイちゃんが気になるとクワタに伝えた。

 

「アオイちゃんって、彼氏はいるのかな?」

 

クワタ「わからないけど、いつも帰りが早いし、いないと思う。気になるんだったら、俺から聞いてみようか!?」

 

俺「大丈夫!俺が直接聞くから。少しだけ協力してくれないか?」

 

クワタは、快く協力してくれた。

 

・・・

 

ざっとした感じだが、作戦はこうだ!

 

日曜日、クワタが相談があると言い、アオイちゃんを誘い、ミスタードーナツに行く。

 

クワタ情報だと、アオイちゃんは、ミスドや甘い物が好き!

 

俺は少し遅れてミスドに入り、偶然を装う。

 

そして、3人で談笑する。

 

会話が盛り上がってきたら、クワタが予定があるから帰ると、その場を去り、俺とアオイちゃんが二人きりになる。

 

話の流れ次第だけど、彼氏がいるかどうかをそれとなく聞く。

 

聞けないにしても、俺の感情を確かめる。

 

まぁ、典型的な感じだけど、俺はアオイちゃんと話をしてみたい。

 

話して、俺の気持ちを確かめたい!!

 

・・・

 

 

そして、決戦の日曜日!

 

クワタとアオイちゃんは、11時にミスドに入った。

 

俺は、探偵のごとく電柱の陰から、ハンバーガーをかじりながら二人を見守る。

 

ミスドの店内は、ガラス張りなので外から見える。

 

クワタと座る位置は、あらかじめ決めていた。

 

俺の位置から、クワタの顔は見えるが、アオイちゃんは背を向けている。

 

アオイちゃんが振り向かない限り、俺のことはバレないと思う。

 

ドキドキしながら二人を見守る。

 

俺が突入するタイミングは、クワタが指示する。

 

クワタが頭を3回かいたら突入だ!

 

・・・

 

それにしても、クワタの相談とはなんだろう?

 

まぁ、嘘の相談だから、なんでも良いけど・・・

 

ちょっとだけ気になる。

 

・・・

 

クワタとアオイちゃんが席について15分。

 

話し始めは、笑顔だったクワタの顔が真剣な表情だ!?

 

そろそろかなと思うと、ドキドキが加速する!

 

このシチュエーションなのか、アオイちゃんだからなのが、人生最音の鼓動が脳内までに響く。

 

・・・

 

 

クワタが頭を3回ほどかいた。

 

そして、チラッとこちらを見る。

 

合図が出た!!

 

俺は、ミスドの店内に入り、ホットコーヒーとドーナツを一つ注文した。

 

ハンバーガーを食べたのと緊張で、大柄なのに小食モード。

 

すごい緊張状態で、階段を上がるとクワタと目が合う。

 

クワタ「108、こっちこっち!」

 

アオイちゃんも振り返る。

 

アオイちゃんと目が合ってしまった!?

 

緊張がバレないように冷静を装う俺。

 

「おう!クワタとアオイちゃん。ぐぅ、偶然だね!?」

 

アオイちゃんは、軽く会釈をする。

 

クワタ「108、ここべスポジだから座れよ!」

 

!?

 

クワタが席を立ち、俺は窓際の奥に座る。

 

クワタは、ニコニコしているが、アオイちゃんは複雑な表情だ。

 

何を話せば良いかわからない。

 

沈黙・・・

 

クワタ「俺、予定を思い出したので、先に帰るよ。あとは若い二人で楽しんでください!」

 

って、おい!

 

どのタイミングで去るんだよ。

 

話が違うじゃないか!?

 

・・・

 

クワタは、席を立ち『あばよ!』と一言いい残し、帰ってしまった。

 

おまえは、柳沢慎吾か!?

 

あばよ!って振られた時のセリフだよな。

 

・・・

 

 

そして、アオイちゃんと二人っきり。

 

しかも、その距離、約90cm。

 

ドキドキ音は、きっと、アオイちゃんに聞こえている。

 

俺は、気を落ち着かせるためにホットコーヒーを一口飲む。

 

アオイちゃんを見ると、アオイちゃんはうつ向いてる。

 

俺がクワタにお願いした、この企画。

 

なにか話さないと・・・

 

「アオイちゃん、ミスド好きなの?」

 

これが、いま精一杯のトーク

 

アオイちゃんは、顔を上げてにっこりして頷く。

 

「うん。ミスドは好きだよ!」

 

おぉ、アオイちゃんの笑顔からの笑窪がとてもかわいい!

 

「108くんもミスド好きなの?」

 

・・・

 

俺は、ぶっちゃけ、甘い物は苦手だ。

 

断然、パンより白米派。

 

コーヒーもブラックコーヒーだ。

 

・・・

 

俺「ミスドも好きだけど、白米は、もっと好きだ!」

 

なんだか、愛の告白みたいになってしまった。

 

アオイ「そうなんだ。私も白米が好きだよ!」

 

あれ!?両想いなのか?

 

変な錯覚に陥った。

 

・・・

 

アオイちゃんの笑顔も見られたし、俺のドキドキも少しは治まっていた。

 

 

 

三人の告白

To BE CONTINUED🔜

 

 

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