【95話】
「わかったよ。俺の正直な気持ちをアオイに伝えるよ!」
リン「うん。きっと、アオイちゃんは・・・」
「ガチャ!?」
屋上のドアが開く。
振り返ると、スキンヘッドの男が立っていた。
スキンヘッドに太陽が当たり、とても眩しく顔が良く見えない。
その男は、俺たち方に歩み寄って来た。
男「屋上は、立ち入り禁止だよね!?」
リン「すいませんでした。もう教室に戻ります!」
誰だろ、この男!?眉毛が超極太!
年齢は30歳前後かな!?近くで見ると、つぶらな瞳と髪型がクリリンみたいだ。
男「君たち、変なことはしてないよね!?」
リン「話しをしていただけですが・・・」
変なことってなんだよ!?おまえの頭の方が変だよ。
俺は、頭を傾げた。
男「君は、いま頭を傾げたよね!?」
俺「ところで、あなたは誰ですか?」
男「俺は、生活指導のクリヤマだけど、君のクラスと名前は?」
こんな先生いなかったし、一度会えば、忘れることのできない分かり易い特徴。
俺もリンちゃんも素直に答えた。
クリリン「今日は、注意だけだけど、もう屋上には進入したらダメだぞ!」
「はい!わかりました!」俺たちは、素直に返答する。
・・・
後から聞いた話だけど、クリリンは三学期から就任してきた、生活指導兼三年生の科学担当の先生だった。
・・・
日曜日、いつものミスドで待ち合わせをした。
アオイ「108くんとデートするの久しぶりだよね!?」
「そうだね。クリスマス以来だから、1カ月以上ぶりだね!」
学校では、二人の交際は内緒にしているので、話すこともはないし、目も合わさない。
久しぶりに面と向かうと緊張する。
・・・
「アオイ、痩せたよね?」
「そう!?嬉しー!!正月太りしちゃったから、今ダイエット中なの」
母やミナツもそうだけど、女性は痩せることに重きを置いている。
ややぽっちゃり体系が好きな俺からすると、少し痩せすぎだ。
・・・
俺は、思っていることを包み隠さずアオイに話した。
アオイのことが好きだし、別れたくない。
それでも、お母さんと一緒に暮らして幸せになってもらいたい。
不安はあるけど、アオイも俺と同じ思いだということが分かった。
・・・
「俺、大阪まで会いに行くから!?」
「私も108くんに会いに行くから!?」
「中間地点の静岡で会うのもいいね!?」
こんな感じで、話は落ち着いた。
・・・
後日、アオイから引っ越し日の報告があった。
「お母さんと私の引っ越しや転入手続きがあるから、3月23日に施設を出ることになったよ」
「もう1カ月もないよね。俺に手伝えることがあれば、何でも言って!」
アオイ「ありがとう!・・・でも、やっぱり、この町を離れてくないな」
「大丈夫だよ!海外じゃないし、すぐに会えるよ!」
アオイ「そうだよね。きっと、会えるよね・・・」
・・・
タキタ「108、リンから聞いたよ。アオイちゃん大阪に引っ越しちゃうんだね。寂しいよな!」
「おまえ相変わらず情報が早いな!?」
タキタ「リンと話したんだけど、アオイちゃんの送別会をやらないか?もちろん、俺らだけで!」
俺「そうだな!二人っきりだとアオイも寂しいから、そーしよう!?」
タキタ「アオイちゃんは、いつ旅立つの?」
俺「3月23日の15時発の新幹線だよ!」
タキタ「そうか、そしたら、23日の午前中が良いよな!?」
俺「それとなく当時の予定を聞いてみるよ」
・・・
アオイ「12時から児童養護施設で送別会をしてくれるみたい。寮母が14時ごろに駅まで送迎してくれるって!」
「そーなんだ。ちなみに午前中は空いてるの?」
「うん。午前中は空いてるよ!108くんも送別会してくれるの!?」
・・・
俺は、クワタに相談してみた。
クワタ「そしたら、みんなで一緒に送別会をしよう!?きっと、アオイも喜ぶよ!」
「当日は引っ越しの荷物も多いし、外で送別会するのは大変だし、アオイもバタバタさせちゃうし、やるな、クワタ。その手があったか!?」
クワタ「たぶん、大丈夫だと思うけど、寮長に聞いてみるよ!」
・・・
クワタの計らいもあり、23日の12時から、児童養護施設のみなさんと一緒に送別会することに決まった!
俺、クワタ、タキタ、ケンジ、リンちゃん、マドカちゃんの6人。
俺とアオイが付き合っているのを知ってるメンバーだ!
・・・
To BE CONTINUED🔜