108 Blog

If you can dream it, you can do it.

机の中のラブレター

【94話】

 

「お母さんに一緒に暮らさないかって言われたの」

 

お母さんが新しい彼氏と結婚して、娘と一緒に暮らしたいってことだよな。

 

「それって、新しい彼氏も一緒に暮らすってことだよね?」

 

「うん。でも、不安もあるし。108くんとも会えなくなっちゃうから、迷っているの。・・・108くんは、どうすれば良いと思う?」

 

・・・

 

児童養護施設より、お母さんと暮らす方が数倍良いと思う。

 

お母さんの婚約者も優しい人っぽいし、企業勤めであれば、生活の面では安泰だと思う。

 

アオイの将来のことを考えると、後押しするべきだと思う。

 

・・・

 

それでも、アオイとは別れたくない。

 

やっと、アオイと向き合おうと決めたばかりなのに・・・

 

いろいろなことが、頭の中で駆け巡る。

 

・・・

 

「お母さんと一緒に暮らすとしたら、東京なの?」

 

「大阪になると思う。・・・」

 

「えぇっ!?マジで!?」

 

大阪って、メチャ遠いじゃんか!?

 

東京だったら、会いに行けるのに・・・

 

・・・

 

「お母さんの彼氏は、単身赴任で東京に来ていて、3月末に大阪に戻るみたい。・・・そのタイミングで、一緒に暮らそうって言われたの・・・」

 

・・・

 

アオイの幸せだけを考えたら、気持ちよく見送ってやるべきだと思う。

 

本来であれば、喜ぶべきことなんだけど、俺は凄く落ち込んでいた。

 

でも、やっぱり、アオイと別れたくない。

 

何て答えればいいか分からない。

 

・・・

 

「アオイの人生だから、アオイが決めるべきだと思うよ」

 

・・・

 

「そうだよね。108くんも困るよね!」

 

・・・

 

アオイ「わかった。もう少し考えてみるね・・・」

 

・・・

 

 

あれから、2週間、アオイと話していない。

 

俺は、アオイからの声がけを待っていた。

 

・・・

 

 

そんな、ある日の朝。

 

あれ!?机の中に手紙らしきものが置いてあるぞ!

 

この便箋は、もしかして、ラブレターか!?

 

こんな状況下でも、ドキドキするのは、男の性なのか。

 

ドキドキしながら、トイレボックスに駆け込み、手紙を読む。

 

・・・

 

『相談があるので、今日のお昼休みに屋上で待ってます。リン』

 

えっ!?これだけ?

 

しかも、リンちゃん。

 

何だろう?あまり気が進まないが、気にはなる。

 

・・・

 

屋上は、リンチされた嫌な思い出しかないが、行くことにした。

 

俺は、リンちゃんが教室を出ることを確認してから、屋上に向かった。

 

屋上に行くとリンちゃんがいた。

 

リン「108くん、ごめんね!こんなところに呼び出しちゃって!」

 

いつもの元気なリンちゃんだ。

 

「別にいいけど、話って何!?」

 

・・・

 

リン「うん。アオイちゃんのことなんだけどね」

 

アオイのこと!?

 

リン「アオイちゃん、大阪に引っ越すかどうか、本気で迷ってるみたいだよ!108くんは、ぶっちゃけどう思ってるの?」

 

・・・

 

何で、リンちゃんが、そのことを知っているんだ!?

 

そもそも、アオイとリンちゃんは、仲悪いよね!?

 

・・・

 

俺「アオイの引っ越しのこと、アオイ本人から聞いたの?」

 

「そーだよ。・・・アオイちゃん、108くんのこと本気で好きだから、別れ離れになりたくないけど、お母さんとも一緒に暮らしたいし、どっちが良いか決められないって。可能であれば、108くんに決めてもらいたいって言ってたよ!」

 

・・・

 

「俺の中でも、対比する考えがあるから、決めることができない。・・・アオイの人生なんだから、アオイが自分で決めるべきだと思う!」

 

「アオイちゃんは、108くんの本当の気持ちを聞きたいんだよ!」

 

・・・

 

「それは、アオイと一緒にいたいと思うよ・・・」

 

「だったら、そうだって、アオイちゃんに言ってあげてよ!」

 

俺だって、そう言えるんだったら、言いたいよ。

 

 

 

3月23日15時発の新幹線

To BE CONTINUED🔜

 

 

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