真面目に生きた三年間
【109話】
今日は○○工業高校の面接日。
はじめて乗る路線。
3人組のヤンキーが我が物顔で、下品な替え歌を車内で歌っている。
昼近くだし、完全に遅刻である。
こいつらは、どこのバカ高校だろう?
ボンタン、短ラン、リーゼントパーマ&ソリコミ。
素行の悪い3人組の周りには、誰もいない。
これから、大事な面接だから、俺も離れて座ろう。
・・・
面接のシミュレーションはバッチリだけど、最寄り駅に近づくにつれて緊張感が高まる。
最寄り駅から、○○工業高校には歩いて10分程度。
他にも最寄り駅付近には、女子高と普通高校がある。
高校生活が楽しみだ!
あれ!?ヤンキー3人組は、最寄り駅には降りない。
どうやら、先の高校らしい。
・・・
ドアを拳で3回ノックする。
「失礼します!」
ドアを開け教室に入ると、面接官が3人座っていた。
頭部がバーコードの男、チャーリー浜みたいな男、20代の綺麗な女性!?
一瞬、笑いそうになるが、ここで笑ったら面接が台無しだ。
俺は、笑いを堪えるのに必死だった。
質問するのは、チャーリー浜がメインで、他二人はあまり話さない。
俺は、シミュレーション通りに答えて行く。
・・・
思ったより、リラックスして面接を受けられたのは、チャーリー浜&バーコード男のツッコミどころが満載なキャラのお陰だ。
それにして、女性の面接官は色っぽかったなぁ。
・・・
滑り止めの私立高校、そして〇〇工業高校にも無事に合格。
俺の目標は、取り敢えず達成した!
殆どの連中は、受験勉強に励んできたが、暇な俺は、煙草を吸っていた。
小四の時にオヤジに勧められて吸ってみるが、苦くて止めた。
小五でリベンジしたが、タケミチの前でカッコつけただけで、実家に帰ってからは吸っていない。
中学生活で、煙草を吸うタイミングは何度かあったけど、俺は志望校に合格するまで悪さをしないと決めていた!!
そして、合格した俺は、勉強するのを止め、代わりに煙草を吸った。
ヤンキー連中は、中一の時から煙草を吸っていた。
ぶっちゃけ、俺も吸いたいと思ったことはある。
理由は、カッコいいからだ。
・・・
自販機で『セブンスター』を買い、河原で一人一服した。
久々の煙草は、苦くてクラクラした。
これで、俺も大人の仲間入り!?
明日は、ボンタンでも買いに行こう!
中学三年間、本当に頑張ったので、高校からは楽しもうと決めていた!!
・・・
学校指定の学ランは、入学祝いで両親に買ってもらった。
しかし、ノーマル学ランを入学式に着て行くのはとてもダサい!?
俺は、開襟のワイシャツ、ワタリ39cmのボンタン、そして中ランをゲット!!
個人的には、太すぎるボンタン、長ラン短ランはカッコ悪いと思っている。
・・・
あとは、酒とバイクかな!?
スクーターだったら、小学生の時に乗ったことが何度かある。
ヤンチャなオヤジが運転させてくれたからだ。
本当は、車に乗りたいけど、俺はまだ15歳になったばかり、バイクで我慢しておく。
冬生まれなので、1年近くも免許が取れないけど、それまではマウンテンバイクで我慢するとしよう。
・・・
「おめでとう!お前の欲しい物を何でも買ってやるぞ!」
何でも買ってくれるって、オヤジのセリフは初めてだった。
俺は、オヤジからCDコンポ、21インチのテレビ、レーザーディスクを秋葉原で買ってもらった!
その全てが、ソニー製品なのが、俺の拘り。
そして、母からは通学用にマウンテンバイクを買ってもらった!
学ランも入れると、なんと総額で50万円。
ろくでなしの俺が、志望校に受かったのが相当嬉しかったみたいだ。
両親が喜ぶ顔を見るのは、俺の嬉しかった。
・・・
ミニ冷蔵庫を自分のご褒美として買った。
これで、俺の城が完成した!!
高校生活が楽しみだなぁ。
・・・
To BE CONTINUED🔜