108 Blog

If you can dream it, you can do it.

番長やキャプテン達が集まる教室

【114話】

 

「マジかよ!?東中のジュンジ君とヒロシ君じゃねぇ!?同じ学校かよ!?」

 

「リーゼントパーマのお兄さん。あの二人って大物なの?」

 

「あの二人は、東中の番長と副番長だよ!ジュンジ君の兄貴は、俺たちの地元の暴走族にも所属してる極ヤンで、ヒロシ君は喧嘩負けなしって噂だよ!」

 

ヒロシって、レイコちゃんをナンパしたゴツい顔の大男じゃんか!?

 

ジュンジは、165cmの小柄だけど、どことなく大物感がある。

 

アイパーにソリコミ、細目のボンタンに程よい丈の短ラン。

 

喧嘩も強そうだけど、ヒロシの方が数倍強そうだ!?

 

「ヒロシ、俺たちA組だよな!?」

 

「そうだよ。ジュンジ君」

 

あれ!?大男が君付けで、小柄が呼び捨てって。

 

あの二人、上下関係が出来てるのか!?

 

つうか、俺と同じA組じゃんか。

 

南中の番長ハヤトと副番のゴトウ。

 

東中の番長ジュンジと副番のヒロシ。

 

・・・

 

「ジュンジ君、ヒロシ君、俺、西中出身のタケヨシって言うんだけど、よろしくね!」

 

二人のことを解説してくれたリーゼントは、タケヨシって奴らしい。

 

こいつの風貌と調子の良さも只者じゃないな。

 

どことなく雰囲気が同中のマツダに似ている。

 

・・・

 

ざわざわ。

 

またもや体育館がざわついた。

 

あの特徴的な歩き方は、ピンクマン。

 

「ヒロシ、アイツのピンクのエナメルベルトだぜ!?センスは置いといて気合入ってるな!?」

 

「ジュンジ君、俺がやっちゃっていいかな?」

 

入学初日に物騒な会話だ。

 

あれ!?ピンクマンもA組だぞ!

 

「カッコいいね!そのドカン。俺、ハヤトって名前だけど、何て名前!?」

 

ハヤトは、自己紹介をする。

 

俺、タケヨシ、ジュンジ、ヒロシ、ピンクマンって、変形学ランを着てる奴だけじゃん!?

 

「おう!俺はイワモトじゃ!ハヤトって言ったっけ!?仲良くやろうや!」

 

ピンクイワモトの話し方は、まるでチンピラだった。

 

またもや笑いそうになったけど、こいつは見た目に反していい奴かもしれない。

 

・・・

 

入学式が終わり、教室へ。

 

気づいたら、ハヤト、タケヨシ、イワモト、ヒロシの四人がジュンジの席の前で、楽しく話している。

 

やっぱり、ヤンキーはつるむのが早いね!?

 

「おい!おまえら席に着け!」

 

教室に入って来たのは、爽やかな男。

 

「俺の名前は『ノダ・ヤスヒト』大学空手選手権で全国三位になったことがある!今年からおまえらの担任だ!よろしく!押忍!!」

 

見た目は爽やかだけど、かなりの体育会系みたいだ。

 

自己アピールするってことは、俺たちになめられたくないのだろう。

 

ノダは、社会人一年生で、人生初のクラス担任が俺たちのA組。

 

ノダは当たりの先生なのか?

 

外れた場合は、最悪の一年間になるかもしれない。

 

・・・

 

入学初日は、無事に終わった。

 

そして、俺の高校生活が始まった。

 

小学時代は、心身ともにハードだった。

 

中学三年間は、勉強に部活に恋に真摯に向き合った。

 

総合すると、俺の九年間はストレスフルだった。

 

高校生活のテーマは『自由に生きる』に限る。

 

・・・

 

二日目の朝。

 

「108くん、俺、アクツ。よろしくねぇ~!」

 

俺の右斜め前に座っているアクツ。

 

こいつの髪型は特徴的だった。

 

右目が完全に隠れてるサイドバック

 

そして、左側はハードジェルでツンツンにしている。

 

俺の前の席がハヤトだから、前列は「BUCK-TICK」だ。

 

アクツもボンタン&短ランを着ているが、160cmくらいと小柄で童顔だ。

 

語尾がかなり上がるのもアクツの特徴。

 

まぁ、いい奴っぽいけど、どことなく子悪党なオーラも出ている。

 

・・・

 

俺の後ろの席は、真面目な学生代表的な男、キムラ。

 

まぁ、席が近い奴から仲良くなるのが、クラス替え直後のセオリーだ。

 

俺は、真面目な奴でも、ヤンキーな奴でも、いい奴だったら友達になりたい。

 

・・・

 

そして、次の日。

 

「108ちゃんは、何部に入るの?」

 

聞いてきたのは、アクツだった。

 

ハヤトが108ちゃんって呼ぶから、いつの間にか『108ちゃん』と呼ばれていた。

 

俺は内心、この呼び方を気に入っていた。

 

ラグビー部かサッカー部で迷っているけど、アクツは?」

 

「俺はサッカー部に入るよ~」

 

「そっか、ハヤトは?」

 

「俺はバンドマンだから、帰宅部だな!」

 

「そっか、キムラは?」

 

「僕はテニスに入ろうと思う」

 

「そっか、皆もう決めてるんだ!?」

 

ラグビー部に入る予定だったけど、少し迷いが出ていた。

 

中学三年間は、仕方なく野球部だった。

 

まぁ、やってみたら楽しかったけど、俺はやっぱりサッカーがしたかった。

 

小学時代の松本先生やトモオ君との約束もあるし。

 

・・・

 

〇〇工業高校は、ラグビー部と柔道部が強い。

 

ラグビー部の監督は、元日本代表。

 

柔道部の先生は、ロサンゼルスオリンピックで金メダルと取った『山下泰裕』の指導もしていたみたいだ。

 

サッカー部の情報は何もない。

 

・・・

 

クラスを見渡すとラガシャツを着てる奴が5人くらいいる。

 

こいつらは、中学時代、ラグビー部の中心選手(キャプテンや副キャプテン)だったみたいだ。

 

スポーツ推薦や腕自慢で入部するやつの多い。

 

中学時代のフユヤマみたいな奴らが同学年に何十人もいる。

 

まぁ、入部するまで三週間もあるので、見学をしてから決めよう。

 

・・・

 

 

 

柔道最強決定戦

To BE CONTINUED🔜

 

 

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