108 Blog

If you can dream it, you can do it.

あれだけ欲しかったガンダムのガンプラ

【第9話】

 

役場の駐車場に向かう道中。

 

イイダ君の家の脇を通る。

 

イイダ君の家は、町役場に隣接している。

 

ヒデキ「あっ、ウルトラマンがあるぞ!!」

 

僕はオモチャの山を見る。

 

ウルトラマンの脇には、ガンプラも転がっている。

 

あれは、僕が前から欲しかった『ガンダムガンプラ』だ!!

 

ホワイトベースはあるが、メインがいない。

 

誕生日の前日に交通事故にあってしまい

 

買ってもらえなかったガンダム

 

、、、、、、欲しい。

 

 

ヒデキ「マナブ、ウルトラマン取って来いよ!」

 

今回は、僕じゃないんだ。

 

次はマナブ君がターゲットか。

 

マナブ「え、やだよ」

 

マナブ君は、物静かな優しいタイプ。

 

少し、ほっとする僕がいた。

 

ヒデキ「取って来なければ、もうお前と遊ばないぞ!」

 

マナブ君は、泣きそうだ。

 

僕は、マナブ君の心情がよくわかる。

 

虐められるのは、悲しくて、とても惨めだ。

 

ヒデキ「マナブ、もう絶好な!」

 

マナブ君は、とうとう泣き出した。

 

マナブ君は、その場から離れようとし歩き出す。

 

「僕が取ってくるよ!」

 

マナブ君が振り返る。

 

マナブ「えっ、いいの?」

 

僕「僕も欲しい物があるし、ついでだよ」

 

ヒデキは沈黙している。

 

マナブ君が虐められるのは嫌だし、助けてあげたい。

 

今回は、命令じゃなく自分の意思だ!

 

ガンダムも欲しいし笑

 

僕はイイダ君の家のフェンスを乗り越えた。

 

ヒデキが欲しがってたウルトラマンをヒデキに渡す。

 

ヒデキは受け取るとダッシュで逃げた。

 

僕は、見つかるんじゃないかとドキドキしている。

 

そして、今流行りのミニ四駆ガンダムをマナブ君に渡す。

 

マナブ「108君、ありがとう!」

 

その後、マナブ君はミニ四駆

 

僕は念願の『ガンダムガンプラ』をゲットした。

 

 

マナブ君の事を救えたし、不思議と罪悪感はなかった。

 

マナブ君もミニ四駆を欲しかったみたいで、少し嬉しそうだ。

 

ずっと欲しかったガンダムだ!!

 

でも、家は狭いし、盗んだのがバレたら怒られる。

 

どこに隠そうかなぁ、と悩んでると。

 

マナブ「僕の部屋に置いとく?」

 

ガンプラたくさんあるし、ママには絶対バレないよ!」

 

僕「本当にバレない?」

 

マナブ「うん。大丈夫」

 

名残惜しいけど、マナブ君にガンダムを渡す。

 

 

帰り際にマナブが一言がとても嬉しかった。

 

「僕を守ってくれて、本当にありがとう!」

 

虐められていた僕が、友達を守れたこと。

 

よく判らないけど。

 

今までに感じたことがない感情が生まれた瞬間だった。

 

 

 

万引き常習犯

へと続く。

 

 

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