万引き常習犯
【第10話】
ガンプラ事件をきっかけに盗み癖がついたのか。
3年生になった僕は、頻繁に万引きをするようになっていた。
家は貧乏だったし、盗めば欲しいものが手に入る。
オモチャは、毎月捨てられてる訳じゃないし、イイダ君にバレるのが怖い。
最初は、駄菓子屋やスーパーで駄菓子を盗んだりしていた。
ファミコンが流行り始めた。
欲しいけど、高額で買ってもらえないし、盗むことも出来ない。
ファミコンは、店主のいるレジの中に置いてあるし、盗むのは難しい
イイダ君の家には、ファミコンがあるみたいだ。
でも、ファミコンは捨てないよね、、、
僕の家は貧乏なので、ファミコンを買ってもらうのは諦めた。
、、、、、、涙。
【それから数週間後】
マナブ「108君、一緒にファミコンやらない!」
お母さんにファミコンを買ってもらったみたいだ。
その日、マナブ家で初めてファミコンデビュー。
マリオブラザーズ、めちゃめちゃ楽しい!!
マナブ母「108君、マナブと仲良くしてあげてね」
と言い、カルピスとチョコパイを出してくれた。
マナブ君のお母さんは、優しい雰囲気の人だ。
それから、頻繁にマナブ家に遊びに行くようになった。
最初は楽しかったけど、やり過ぎてマリオブラザーズも飽きてきた。
ファミコンソフトは、1本4,500円~5,500円。
小3の小遣いだと何本も買えない。
すっかり飽きちゃった僕は、マナブ君に他のゲームは無いのと聞いてみる。
マナブ「ソフトは高いから、誕生日にならないと買ってもらえないよ」
僕「そうだよね、聞いてみただけ」
ゲームソフトが欲しい僕は、家のお金を盗むようになっていた。
お母さんが、財布をタンスの中に入れているのを見た事がある。
お母さんが井戸端会議をしてるタイミングで、1万円を盗んだ。
その1万円で『ドンキーコング3』を購入。
その後、マナブ君と一緒にドンキー3を楽しんだ!
家に帰るとお母さんに尋ねてきた。
ごまかし方が下手なのか、1万円を盗んだのがバレてしまい。
残金の5千円を返したが、メチャクチャ怒られた。
お父さんに知れたら、殺されると思って。
かなりビビっていたが、お父さんには怒られなった。
お母さんは、お父さんには内緒にしていたみたいだ。
お父さんにバレたら、タダじゃ済まない事は、お母さんも判っていたのだと思う。
今度は、バレないように盗もうと僕は考えた。
1万円は大金だからバレる。
千円だったら、たぶんバレない。
もう、タンスの中には、財布がない。
家は狭いので、僕はすぐに見つけ出す。
ミナツが寝ている布団下に隠してあった。
先ずは、100円から。
そして、500円札へとステップアップ。
お父さんの給料日直後は狙い目だ。
そのタイミングだと千円札を1枚抜てもバレなかった。
そんなある日、ベッド下を覗くと財布がない。
タンスにも何処にもない。
買い物に行って財布がないのか!?
目に見える場所を片っ端から探した。
「あっ、あった!」
財布は、米びつの中にあった。
もしかして、盗んでるのがバレたのか!?
その頃の俺の心は壊れていたと思う。
盗むことに対しての罪悪感はなくなっていた。
最初はドキドキだったけど、ワクワクしてる俺がいた。
エスカレートした俺は、欲しい物は何でも盗むようになっていた。
【夏の日の苦い思い出】
その日は、近所のスーパーで花火セットを盗んだ。
花火セットは大きいので、ポケットやランドセルに入らない。
盗んだら猛ダッシュで逃げる。
次の日の放課後、近所に皆を裏山の空き地に呼んだ。
裏山は、家から自転車で15分くらい。
メンバーは、俺、ヒデキ、マサオ、マナブ、先輩A、先輩Bの6人。
そして、盗んだ花火に火をつける。
その10分後、あの大事件が。
へと続く。