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If you can dream it, you can do it.

盗みの始まり~小学3年生の僕が選んだ道

【第10話】

 

 僕が万引きを始めたのは、小学3年生の頃だった。

 家は貧乏で、欲しいものを手に入れるには盗むしかなかった。
 でも、その行為は、僕の心の空白を埋めるためのささやかな抵抗でもあった。

 

 最初は駄菓子屋やスーパーで、小さな駄菓子を手にするだけだった。
 それでも、心の奥底で、罪悪感がじんわりと膨らんでいった。

 

 ファミコンが町中で流行り始めた頃、僕もその魅力に取り憑かれた。
 しかし、ファミコンは高価で、手に入れることは簡単ではなかった。

 

 イイダ君の家にはファミコンがあった。
 だが、彼は決して手放さず、僕には手の届かない存在だった。
 その光景を目にするたび、胸の奥が締め付けられるように痛んだ。

 

 ある日、クラスメートのリクが僕を自宅に招待してくれた。
 リクのお母さんは優しく、カルピスとチョコパイを出してくれた。
 初めてファミコンを手にした喜びに、僕の心は震えた。

 

 でも、その喜びも長くは続かなかった。
 ソフトは高価で、すぐに飽きてしまった。
 欲望に駆られ、僕はついに家のお金に手を伸ばすようになった。

 

 母の財布から1万円を抜き取り、『ドンキーコング3』を購入した日。
 しかし、盗みはすぐにバレてしまった。
 母に激しく叱られ、僕は心の底から泣いた。
 それでも、心の渇きは消えず、僕は止められなかった。

 

 次第に僕は、盗む金額を少なくし、母にバレないよう工夫するようになった。
 それは、泥棒の技術というよりも、生き延びるための知恵だった。

 

 そんなある日、近所のスーパーで花火セットを盗む計画を立てた。
 花火は大きく、ポケットやランドセルには入らない。
 だから、盗んだ後は全力で逃げるしかなかった。

 

 夕暮れ、僕たちは秘密基地に集まった。
 この場所は、僕たちだけの特別な隠れ家だった。

 

 メンバーは僕、ヒロタ、マサオ、リク、そして先輩ケンジ、先輩タカヒロの6人。
 ケンジとタカヒロは、見た目は普通の先輩だが、時に残酷で冷酷な目を持つ嫌な先輩だった。

 

 それぞれが違う個性を持ちながらも、僕たちは一つの夢で結ばれていた。
 それは――夜空に自分たちの願いを打ち上げること。

 

 僕の心は高鳴ると同時に、切なさで胸が痛んだ。
 盗むことは悪いことだと知っている。でも、この瞬間を逃すわけにはいかない。

 

 リクが小さく震えながら僕を見上げる。
 彼もまた、欲しいものを諦めきれず、胸の奥で葛藤していた。

 

 「大丈夫、リク。僕がついてる」
 僕はそう言うしかできなかった。
 自分を守る勇気はあっても、誰かを守る勇気は、まだ少ししかなかった。

 

 僕たちは目を輝かせ、夜空を見上げた。
 この光が、僕たちの心を一瞬でも自由にする。
 罪悪感と切なさ、友情と勇気――すべてが交錯する、特別な夜が始まろうとしていた。

 

 

 

夏の暴走~友情と裏切りの火花

へと続く。

 

 

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