山を燃やし警察に捕まる
【第11話】
7月だけど、ここは盆地なのでとても暑い。
俺たちは最初、手持ち花火をしていた。
綺麗だけど、何か物足りない。
先輩Aが腕をブンブン回り始めた。
俺たちも、ブンブン回したり、投げたりした。
手持ち花火も終え、残りは線香花火とロケット花火。
先輩Aがロケット花火に火を着けた。
そして、投げた!
投げるタイミングが早かったのが、地面に落ちた花火は動かない。
導火線には火が着いている。
「ヒューーーーーー」
ロケット花火は、地面を蛇行しながら、俺たちに向かってくる。
凄いスピードだ!
ロケット花火は、俺らの間をすり抜けて行く。
「ヒューーーー--バァン!」
先輩Aに続き、俺達もロケット花火を投げる。
「ヒューーーー--バァン!」
「ヒューーーー--バァン!」
「ヒューーーー--バァン!」
ロケット戦争の始まりだ!!
飛んでくるロケットを避けるのが楽しい!
マナブ君は少し怖がっているようだ。
先輩Aが僕を狙ってロケットを投げてくる。
「ヒューーーー--バァン!」
俺の頬をかすめた。
「あっ、あっぶねー」
腹の立った僕も反撃する!
先輩に向けてロケットを投げる。
それに気づいて逃げるA。
「ヒューーーー--バァン!」
逃げるAの背中にロケットがヒット!
その瞬間、ヒデキが叫んだ。
「草むらが燃えてるぞ!!」
ヒデキの指差す方を見ると草むらが燃えている。
皆で火を踏みつけて消そうとしたが、火は一瞬で広範囲に拡がる。
焦る俺らは、もう騒ぐだけで何もできない。
そうこうしている内に、草むらから木々に飛び火しそうだ。
、、、、、、
マナブ「僕の家近いからお母さんを呼んでくる」
マナブ君を待っている間の火の拡がりはすさまじい。
そして、10分もしない内に木々に火が移った。
俺らは為す術なく茫然としている。
、、、、、、
マナブ君とマナブ母が走ってやって来た。
マナブ母「火から離れなさい!怪我はない?いま消防署に連絡したから。」
、、、、、、
しばらくすると
「ウ~、ウ~、ウ~」と遠くからサイレンが聴こえてくる。
消防車が到着し、消火作業が始まる。
そのころには、草むらは焼け落ち真っ黒。
木々も燃えている、、、
どれだけ経ったか覚えてないが、消化は終わってた。
警察官も到着し、事情聴取が始まった。
僕は警察官と消防士にありのままを話した。
事情聴取が終わり、ボォーとしていると、Aの声が聞こえてきた。
少し離れた所で、Aも事情聴取を受けている。
・・・・・・
俺は耳を疑った。
A「108が投げた花火で火事になった」と僕のことを指さして警察官に話している。
ロケットが当たった仕返しか、、、
一瞬で目の前が真っ暗になった。
、、、、、、
俺じゃない、俺じゃないのに犯人にされる。
このままだと全ての罪を被せられる。
盗んだ花火のバレるし、お父さんに殺される、、、
Aとの話を終えた警察官が、歩いて近づいてくる。
その間、Aはヒデキに何かを話している。
、、、、、、
警察官「108君が火を着けたと言ってるけど、本当かな?」
俺「さっきも言いましたが、僕じゃありません!!」
俺は強い口調で言った。
そのタイミングで、ヒデキが俺を指さし。
ヒデキ「108君が火を着けるのを俺もみてました!」
先輩Bが被せるように「俺も見てました!108君が火を着けました」
、、、、、、
何故、Bまでも、、、
警察官と3人に責められた僕は、それ以上言い返す事ができませんでした。
大事な何かが壊れた音がした、、、
、、、、、、
「嘘をついてごめんなさい。僕がやりました」
俺は警察官に噓をついた。
その後、俺だけが指紋採取された、、、
へと続く。