さよならサクラちゃん
【第13話】
小学3年生の冬。
最近は、マサオ君とマナブ君と3人で遊ぶことが増えた。
サクラちゃんは、ピアノの練習があるので、週2回くらいしか遊べない。
山火事以来、ヒデキとは遊んでないし、しゃべりもしない。
あの一言が忘れられないし、できることなら殴ってやりたい。
でも、ヒデキに虐められていた事がトラウマとなり。
俺はヒデキを避けていた。
ヒデキは長身で、運動神経抜群。
サッカーも俺より上手いし、リーダーシップもある。
お母さんは、ナイトクラブで働いてる。
ヒデキとお母さんは、一軒家に暮らしている。
お母さんの帰りは、夜遅いみたいだ。
お父さんは、隣町のホテルマン。
夫婦仲が悪くて別居中らしい。
最近、ヒデキは先輩たちと遊んでるみたいだ。
俺に関わってこないので、少しホッとしている。
【3月のとても寒い日】
「ウ~、ウ~、ウ~」
嫌なサイレン音が聴こえていた。
マサオ「俺ん家の方から煙があがってるよ!?」
マサオ君が消防車を追いかける。
俺もマサオ君の後を追う。
消防車が見えてきた。
家から炎と煙が上がっている。
ここは、サクラちゃんの家だ!
俺は、やじ馬の中から、サクラちゃんを探す。
、、、、、、
サクラ母は、燃え上がる家を茫然と見ている。
隣にはサクラちゃんがいる。
「サクラちゃん、大丈夫!!」
サクラちゃんは、泣きじゃくっている。
泣いているサクラちゃんにかける言葉がない。
、、、、、、
家は半分くらい焼けちゃった。
、、、、、、
サクラちゃんが、心配だったけど、暗くなってきたので家に帰った。
火事の翌日は、終業式だった。
そこには、サクラちゃんの姿は無かった。
、、、、、、
サクラちゃんの家に行っても誰もいない。
サクラちゃんは、何処にいるのだろう?
お母さんにサクラちゃんの聞いても。
「わからない」としか言わない。
、、、、、、
火事から3日後、お母さんが重い口を開いた。
母「サクラちゃんは、少しの間だけ、お母さんの実家で暮らすみたいだよ」
俺「実家ってどこなの?」
母「隣町だって前に話していたよ」
俺「いつ戻ってくるの?」
母「わからないけど、夏ごろかな?」
俺はサクラちゃんが大好きだし、元気にしてあげたいと思った。
会いたい、会いたい、会いたい、、、、、、
でも、今は待つしかない。
、、、、、、
冬休みも終わり。
4年生の始業式の日、母から衝撃の事実を聞かされた。
「お前が悲しむから黙っていたけど、サクラちゃん遠い町に引っ越したみたい。」
頭の中が真っ白になり、奈落の底に突き落とされた。
へと続く。