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If you can dream it, you can do it.

喧嘩上等

【第14話】

 

サクラちゃんがいなくなった。

 

俺の心にぽっかりと穴が開いた。

 

 

【小学4年生の春】

 

俺は荒れていた。

 

生意気な奴には、片っ端から喧嘩を売ってだ。

 

刃向かう奴は、皆殴り倒した。

 

 

下校中、見かけない奴がいたので、声をかけた。

 

俺「お前、転校生か?」

 

色黒で細身のそいつは、睨みつけるように俺を見た。

 

身長は、俺と同じくらいか!?

 

俺は色黒に近づくと、俺より長身だ。

 

140cmの俺より大きいコイツは、6年生か?

 

色黒「な、なんだよ!お前誰だよ!?」

 

コイツは、まだ俺の事を睨んでいる。

 

腹が立った俺は、色黒を押し倒していた。

 

色黒は立ち上がり、俺に殴りかかってきた。

 

俺は色黒の右ストレートをかわし、みぞおちに膝を入れた。

 

うずくまってリバースする色黒。

 

戦力喪失した奴を殴ったら、虐めになる。

 

倒れてる、色黒を横目に俺はその場を去る。

 

 

数日後の下校中。

 

公園の前に差し掛かると。

 

公園から声が聞こえてきた。

 

「おい!お前こっち来いよ」

 

公園に目を向けると、そこには色黒がいた。

 

俺は何だか嫌な予感がした。

 

警戒しながら、色黒に近づく。

 

色黒は一人だ。

 

仲間はいないみたいだな。

 

その距離2m。

 

俺「なに?」

 

色黒「こないだの仕返しだよ!」

 

次の瞬間、色黒は何かを投げてきた。

 

俺は、咄嗟にそれを避けた。

 

体勢を崩しながらも、色黒を見ると。

 

色黒の右手には『ヌンチャク』が握られていた。

 

警戒していたので、何とか避けられた。

 

色黒「お前4年だろ。俺は5年だよ!」

 

俺「だ、だから、何だよ!?」

 

ヌンチャクはヤバい!

 

あんなので殴られたら一溜りもない。

 

練習をしてきたのか、色黒は両手でヌンチャクを回し始めた。

 

めちゃ上手い。

 

次は、避けられないかも、、、

 

色黒がヌンチャクを回しながら近づいてくる。

 

色黒が振りかぶった瞬間、横に避けながら、色黒の顔を目掛けて投げた!

 

色黒がうずくまった。

 

俺はヌンチャクを蹴った。

 

ヌンチャクは、色黒の手から離れた。

 

恐怖からの解放感。

 

そして、怒りがわいてきた。

 

コイツをやらないと俺がやられると、本能的に思った。

 

そして、色黒をボコボコにした。

 

色黒は、血だらけで泣きていたが、俺には罪悪感がなかった。

 

ヌンチャクは、公園の池の中に捨ててやった。

 

 

 

松山先生との出会い

へと続く。

 

 

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