108 Blog

If you can dream it, you can do it.

耳元で囁かれる

【123話】

 

自慢する訳じゃないが、高校に入学してから3週間で5人の女子に告白された。

 

もちろん、カオリがいるので、すべて断った。

 

でも、本音を言うとタイプの女子から告られたら、少しなびいちゃうかもしれない!?

 

最初に告られたのは、入学してから三日目の朝。

 

駅のホームで女子高の1年にラブレターを手渡された。

 

俺の基準からすると〇ス。

 

俺は面食いなので、ブ〇はノーサンキューだ。

 

・・・

 

興味がない俺は返事はしなかった。

 

そして、先日、凄いものを駅のホームで見かけてしまった。

 

あの子は俺に告白した〇ス。・・・

 

あれ!?男と手を繋いでるぞ!?

 

俺は気になり、ブ〇に近づいて男を確認した。

 

あぁ!?あいつは確か同じサッカー部のスザキ・ケンタ。

 

カッコいいスザキから告白するとは到底思えない。

 

あのブ〇、三週間足らずで浮気しやがったな!?

 

それにしても、凄い行動力があるな、あの〇ス。

 

その時、何でも早い者勝ちだなと俺は思った。

 

・・・

 

 

そんな俺もカオリ以上にタイプの女子を駅で見かけた。

 

入学してから、2週間くらい経った登校中にその美女にはじめて会った。

 

〇〇工業高校の最寄り駅には、女子高と普通高校がある。

 

ブレザーが似合うその子は、普通高校のたぶん一年生。

 

清楚で美人のその子は、背中に矢筒を背負っている。

 

俺の中で『美人・清楚・弓道・ブレザー』がモロにハマった!!

 

カオリの美人だけど『美人・ヤンキー系・帰宅部・セーラー服』である。

 

しかも、最近はヤンキー系を超え、ケバい極ヤン系になってしまった。

 

それでも、好きなのはカオリだし、浮気は良くない。

 

・・・

 

 

「シンペイくん、久しぶりだね!元気にしてた!?」

 

「おう!あれ!?カオリは彼氏と一緒か?」

 

「うん!今の彼氏だよ。シンペイ君よりカッコいいでしょ!?」

 

カオリは、何でそんなことを言うんだ?

 

もしかして、元カレなのか!?

 

そいつの顔は明らかに不機嫌だ。

 

俺の顔をジロジロ見ている。

 

連れの二人はニヤニヤしている。

 

コイツは俺に喧嘩を売っているのか!?

 

三人だからっていきりやがって。

 

俺は拳を握った。

 

「108君、混んでるし行こうか!」

 

カオリは気まずそうだし、ここは去るのが正解だな。

 

でも、どうして、あいつの前で俺のことを君付けで呼んだんだ!?

 

・・・

 

俺たちはカラオケを出て喫茶店に入る。

 

「108、ごめんね!」

 

「いいけど、彼は誰なの?」

 

「元カレだよ。カオリが中二の時に付き合った人。もう昔の話だよ」

 

俺は妙に二人の関係が気になった。

 

カオリは、まだあいつのことが好きなのかもしれない。

 

「何であいつと別れたの?」

 

「彼は同中の2個上の先輩で、中一の時に告白されたけど、その時は彼氏がいたので断ったの。・・・中二になった時にシンペイ君から二度目の告白をされて付き合うことになって。・・・」

 

「中一の時に付き合っていた彼氏はどーしたの!?」

 

「彼氏とはあまり上手くいってなかったので、別れちゃった。・・・」

 

乗り換えたってことか!?

 

それとも、別れてから付き合ったのか!?

 

まさか、二股からの乗り換えってことはないよな!?

 

「でも、シンペイ君はカオリの他に何人も彼女がいたの。だからカオリから振ってあげた!?・・・ごめんね!嫌な思いさせちゃって。・・・」

 

「別にいいよ。気分転換に映画でも見に行こうか!?」

 

俺はそれ以上聞くのが怖くて映画に逃げた。

 

やっぱり、まだ奴のことが忘れられないんだろうな。

 

俺より彼の方が経験値が高いし、いろいろと大人にしてもらったのだろう。

 

思いたくもないことが頭に浮かんでグルグルする。

 

「この町は映画館ないよ」

 

「マジか!?じゃあどーしよっか?」

 

頭が混乱して、良いアイディアが出てこない。

 

・・・

 

沈黙が少し続き、対面にいたカオリが俺の横に座った。

 

そして、耳元で「ホテルに行こうよ。今日は迷惑かけちゃったから私が奢るね」

 

そう言われても、そんな気分にはなれない。

 

そもそも、ラ〇ホテルの奢りって何だよ!?

 

けど、精一杯に気を使ってくれたのに断るって言うのも。・・・

 

それって、子供っぽいし、ヤツには絶対に負けたくない!!

 

・・・

 

俺たちは喫茶店を出てホテルに向かった。

 

・・・

 

 

 

自分に正直に本能のままに生きる

To BE CONTINUED🔜

 

 

1話から見る!