108 Blog

If you can dream it, you can do it.

108君は死ぬまで病院から出れない❷

【第4話】

 

それから、検査までの数日間。

 

本当の意味がわからないけど、不安だけがあった。

 

 

『検査日当日』

 

ママ、パパ、そしてミナツが僕を見送る。

 

ミナツ「お兄ちゃん、頑張って!」

 

ママは看護婦さんに「宜しくお願い致します!」

 

パパ「108、大丈夫だ!頑張れ!」

 

何を頑張るんだ!?とフッと思ったが。

 

検査室までの道のりが恐怖でしかなかった。

 

 

【検査室】

 

ベッドに寝かされる。

 

そして、体や頭に何かコードみたいな物を付けられる。

 

検査室の天井を見ているとグルグル回り始めた。

 

気持ち悪くなり、目を瞑る。

 

目を瞑ると真っ黒で、とても怖い。

 

怖いので、目を開ける。

 

また、天井がグルグル回り始める。

 

ほんの数分だったと思うが、僕には永遠に感じた。

 

 

しばらくして、先生が部屋の中に入ってきた。

 

先生「終わったよ。次はお話ししよう」

 

僕は別の部屋に移され、椅子に座らせられる

 

僕は部屋を見渡す。

 

どこを見ても真っ黒なカーテンで覆われたような、そんな感じがする。

 

先生も悪魔に見える。

 

泣きそうだけど、我慢する。

 

「頑張るんだ!」

 

何を!?

 

 

先生に質問する。

 

僕はすごく怖い。

 

部屋の雰囲気も先生も怖いが。

 

僕が回答を間違えると、病院からでられない!?

 

先生の質問に対して、震える頭をフル回転させて答える。

 

しかし、極度の緊張感でハッキリと答えられない。

 

先生「怖くないから、大丈夫だよ」

 

先生のスマイルが、また怖い。

 

先生の質問も終わり、看護婦さんと病室に戻ると。

 

ママとパパが笑顔で待っていてくれた。

 

「お帰り、お兄ちゃん!」

 

家族の笑顔を見た僕は、ホッとする。

 

真っ黒の世界から、明るい世界へと帰ってきた。

 

僕がにっこりと微笑むと。

 

ミナツ「お兄ちゃん、ミナツと一緒にお絵かきしよう!」

 

5歳のミナツは、とても無邪気である。

 

 

3人の笑顔を見ていたら、何となく大丈夫な気がしてきた。

 

 

パパ「108、退院したら何が食べたい?」

 

僕「手巻きずしが食べたい!!」

 

ママ「じゃあ、家族4人で手巻き寿司食べようね!」

 

妹「やったー!」

 

 

 

 

【交通事故から三か月後】

 

長かったけど、今日は待ちに待った退院日。

 

先生、看護婦さん、そして聖子ちゃん。

 

看護師さんが、ミナツに花束を渡す。

 

あれ!?俺じゃないの?

 

ミナツ「ありがとう!」

 

「108君、退院おめでとう。よく頑張ったね!」

 

そして、何かを渡された。

 

袋の中の覗き込むと。

 

機動戦士ガンダム』の文字が見える箱がある。

 

僕は、ガッツポーズ!!

 

「聖子ちゃん、ありがとう!!!!」

 

ママ「108からも聖子ちゃんにプレゼントあるんでしょ」

 

そう、僕も聖子ちゃんにプレゼントがあるのだ。

 

ママから、それをもらい聖子ちゃんに渡す。

 

聖子ちゃんは、それを見て、聖子ちゃんスマイル。

 

聖子ちゃん「ありがとう。108君、大事にするね!」

 

と言い、ほっぺにキスをしてくれた。

 

その後、数分のことは覚えてない。

 

気付いたら、車の中にいる。

 

窓から外をみると何もかもが、キラキラと輝いてる。

 

テンション爆上がりの僕は、聖子ちゃんからのプレゼントを袋から出す。

 

ワクワク、ドキドキが止まらない。

 

袋から出し、ガンプラの箱の正面から見る。

 

!?

 

、、、、、、

 

箱を開ける。

 

プラモデルを出し、パーツを物色する。

 

!?

 

「これって、ホワイトベースじゃん!!」

 

、、、、、、

 

天国から現実に戻された。

 

 

でも、地獄じゃないし、まぁいいや。

 

 

 

僕は、3か月ぶりに家に戻ることができた。

 

 

その日の晩餐は、手巻き寿司だった。

 

 

 

悪夢の1年間

へ続く。

 

 

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