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If you can dream it, you can do it.

悪夢の1年間

【第5話】

 

交通事故の後遺症か、事故日前の記憶が曖昧だ。

 

退院したのは春だったので、僕は2年生になっていた。

 

僕の家は貧乏だった。

 

古びたアパートに4人住まい。

 

台所は6畳くらい。

 

部屋もかなり狭い。

 

シングルサイズの布団が3組。

 

4人家族は、そこに川の字で寝る。

 

 

そして、台所にはGが沢山いる。

 

Gホイホイはいつも満室。

 

めちゃくちゃ気持ち悪い。

 

たまにネズミが現れることも。

 

僕に気づいたネズミが逃げる。

 

ほぼ同時に僕も逃げる。

 

外まで逃げる。

 

庭でネズミと出くわすことも笑

 

そんな、ボロアパートだけど、田舎なので庭がある。

 

庭には、愛犬の『シロ』が番犬として飼われている。

 

シロのことは覚えている。

 

名前の由来は、白いからシロ。

 

パパが名付け親。

 

シロは可愛いけど、お手が出来ない程のバカ犬だ。

 

僕が4歳の時に飼い始めたらしい。

 

交通事故が原因で、一緒に遊んだ記憶はおぼろげだけど。

 

シロは僕になついてるし、僕もシロが大好きだ。

 

 

 

休みの日、シロを車に乗せて隣町の公園へ。

 

公園に着いたけど、早朝だったのが誰もいない。

 

誰もいなかったので、パパはシロのリードを外した。

 

次の瞬間、シロは全力疾走。

 

僕とパパはシロを追いかける。

 

パパ「おーいシロ」

 

僕「シロ、戻ってきてー!」

 

シロは一度も振り返ることもなく。

 

そして、見えなくなった。

 

僕とパパは、1時間ほど探したけど、シロは見つからない。

 

次の日も、次日もシロを探したけど。

 

シロは戻ってこなかった。

 

僕は唯一の友達を失った。

 

 

 

近所の家は、ほとんどが一軒家。

 

僕は貧乏だったこともあり、虐められていた。

 

マサオ「お前の家、ボロっちいな!」

 

ヒデキ「貧乏人、お金恵んでやろうか!」

 

マサオとヒデキは近所に住む同級生だ。

 

 

僕は同級生はもちろん、3年生からも毎日の虐められていた。

 

「お前の親父は、バカだから貧乏なんだよ!」

 

「親父がバカだから、お前もバカなんだな!」

 

「バカ犬も帰ってこないし、バカ家族だな!」

 

 

3か月以上も学校を休んでた僕は、学校の授業について行けない。

 

事故前の記憶は無いけど、もともとバカだったのか!?

 

シロもバカ犬だったし、、、

 

 

この頃の僕は、毎日のように悪夢をみていた。

 

その夢は、いつの同じパターンだった。

 

地獄に落ちて苦しむ夢。

 

ボロボロの石畳の細い道を歩く。

 

人幅ほどのとても狭い道。

 

バランスを崩して落ちたら死ぬ。

 

道の外は、剣山。

 

剣山に刺さって苦しんでる人も見える。

 

そして、血の池が沸騰している。

 

ビビりながら歩く先には、鬼が待っている。

 

鬼に会いたくないのに、勝手に足が進む。

 

鬼の前に着くとトゲトゲの棒で僕を殴る。

 

あまりの痛さで、僕は目覚める。

 

絶叫する僕をママが毎日のように慰める。

 

そんな悪夢が1年以上も続いた、、、

 

 

 

虐めと折檻で心も体もボロボロ

へ続く。

 

 

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